精神保健福祉士の過去問
第17回(平成26年度)
心理学理論と心理的支援 問89

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問題

第17回(平成26年度) 精神保健福祉士国家試験 心理学理論と心理的支援 問89 (訂正依頼・報告はこちら)

パーソナリティに関する次の記述のうち、特性論の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • エス・自我・超自我の区別と相互作用説は、特性論の一つの証拠となっている。
  • 体格や価値に基づく生活様式などの違いでカテゴリー化し、特性をとらえる。
  • 外向性・神経症傾向・誠実性・調和性・経験への開放性から成るビッグファイブ(5因子説)は、特性論の一例である。
  • 典型例が明示され、パーソナリティを直感的・全体的に把握するのに役立つ。
  • パーソナリティ全体をいくつかの層の積み重なった構造としてとらえる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

1.エス・自我・超自我の区別はフロイトが提唱した構造論であり、相互作用説は遺伝と環境が相互に作用するという考え方です。どちらも特性論の証拠となるものではありません。

2.体格や価値に基づく生活様式の違いでカテゴリー化するのは、類型論です。

3.ビッグファイブは特性論の一例です。

4.典型例が明示され、パーソナリティを直観的・全体的に把握するのに役立つのは、類型論です。

5.パーソナリティ全体をいくつかの層の積み重なった構造としてとらえるのは、構造論です。

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02

正答【3】

1.誤答 
エス・自我・超自我の3つの区別と相互作用説は特性論の一つの証拠ではなく構造論です。精神分析のフロイトによるパーソナリティ構造で用いた概念です。


2.誤答 
体格や価値に基づく生活様式などの違いでカテゴリー化するのは類型論です。
特性論は、性格をいくつかの要素に分けその要素がどの程度備わっているかによって性格を捉えるという考え方です。


3.正答 
ビッグファイブ理論(5因子説)は、McCrae,R.R.(マックレー)とCosta,P.T.(コスタ)によって提唱された特性理論です。
人の特性を「外向性」「神経症傾向(情緒不安定)」「誠実性(勤勉性)」「調和性(協調性)」「開放性(知性)」といった5つの基本特性次元からパーソナリティを理解しようとする代表的な特性論です。


4.誤答 
この説明文は類型論の説明です。
類型論は性格の直感的・全体的に把握することが可能です。
一方、特性論は、個人別に特性を理解しやすい反面、全体像を把握しにくいという特徴があります。


5.誤答 
パーソナリティをいくつかの積み重なった層として構造で捉えるのは特性論ではなく層構造モデルです。代表的なものはフロイトの構造論があります。

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03

×1 .この選択肢は、特性論とは別の理論について説明しています。
エス・自我・超自我の区別は、フロイトの精神分析に寄るもので、エス・自我・超自我の3つの面から人の心を捉えたもので、パーソナリティの個人差を捉えたものではありません。
相互作用説は、社会と環境が相互に作用しあって、人の行動や性格が形成されると考える立場で、パーソナリティの個人差を捉える特性論とは別のものです。

×2 . 体格や価値に基づく生活様式などの違いでカテゴリー化し、特性をとらえるのは、類型論の立場です。

○3 . 特性論は、人のパーソナリティをいくつかの特性として捉える方法論です。
外向性・神経症傾向・誠実性・調和性・経験への開放性から成るビッグファイブ(5因子説)は、特性論の一例です。

×4 . 典型例が明示され、パーソナリティを直感的・全体的に把握するのに役立つのは、類型論です。

×5 . 特性論は、人のパーソナリティ(性格)をいくつかの特性として捉える方法です。
集団の中における個人差について、例えば、内向的か外向的かというようないくつかの因子に分けて査定するものです。
逆に、力動論では、エス・自我・超自我のように、人の人格を層の積み重なった構造として捉えています。

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