精神保健福祉士の過去問
第17回(平成26年度)
心理学理論と心理的支援 問91
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問題
第17回(平成26年度) 精神保健福祉士国家試験 心理学理論と心理的支援 問91 (訂正依頼・報告はこちら)
ストレスとストレス対処法(コーピング)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ある友人との人間関係が悪化して悩んでいたが、機会をとらえ、仲直りし、悩みが解消した。これは問題焦点型コーピングである。
- 音楽の発表会であがりそうになったが、課題曲を思い浮かべ演奏のリハーサルをしていたら気分が楽になった。これは情動焦点型コーピングである。
- 試験前に緊張したが、深呼吸をして、試験が終わった後の楽しい旅行のことを思い浮かべたら落ち着いてきた。これは問題焦点型コーピングである。
- 仕事量が多く心身の調子が悪くなったので、上司に相談し仕事量を軽減したら回復した。これは情動焦点型コーピングである。
- 仕事で小さいミスをして気分が落ち込んでいたので、ある友人とカラオケに行ったら元気が出てきた。これは問題焦点型コーピングである。
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この過去問の解説 (3件)
01
問題焦点型コーピングは、問題に焦点をあて解決しようとする対処法です。情動焦点型コーピングは、気晴らしや回避など情動的に解決しようとする対処法です。
1.人間関係の悪化の悩みに対し、仲直りをすることで悩みを解消することは、問題焦点型コーピングといえます。
2.発表会でのあがりについて、演奏のリハーサルをして気分を楽にすることは、問題に向き合っているといえるため、問題焦点型コーピングにあたります。
3.試験の緊張を、深呼吸や試験後の旅行を思い浮かべることで落ち着くことは、情動焦点型コーピングです。
4.仕事量の多さに対し、仕事量を減らす相談を行うことは、問題焦点型コーピングです。
5.仕事のミスの落ち込んだ元気をカラオケで取り戻すことは、情動焦点型コーピングです。
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02
ストレス対処法(コーピング)とは、ストレッサー(ストレスのもと)にうまく対応することでストレスを溜めることなく上手にかわしていく方法です。慢性的なストレスや過剰なストレスは心身にさまざまな悪影響が及ぼすために心身の健康のために身につけて欲しいスキルです。
ストレスコーピングの方法は次の2つです。
■問題焦点型コーピング
ストレッサーに直接働きかけて問題を解決しようとする方法
■情動焦点型コーピング
ストレッサーに直接働きかけるのではなく、ストレッサーに対する自分の考えを変える方法です。
1.正答
友人との関係性がストレスであったのに対し、機会をとらえ相手に直接働きかけることで問題を解決しているのでこれは問題焦点型コーピングで正答です。
2.誤答
問題焦点型コーピングです。
音楽の発表会というストレッサーに対して、発表会に向けて曲のイメージやリハーサルなどを行うことによってストレスを緩和しています。
3.誤答
情動焦点型コーピングです。
試験というストレッサーに対して「参考書を見直した」など直接働きかけるのではなく、試験後の楽しみを思い浮かべるという、試験に対する自分の考えや感じ方を変えて問題を解決しています。
4.誤答
問題焦点型コーピングです。
仕事量がストレスになっていたので、仕事量を減らしてもらうという直接問題に働きかけることで問題が解決しています。
5.誤答
情動焦点型コーピングです。
仕事でミスをして落ち込んでいる気分を、友人とカラオケに行くという行動によってミスをしてしまった自分の感情を変えることができています。
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03
・問題焦点型コーピングは、ストレスを与える原因(ストレッサー)に直接向き合い、直接的に問題の低減や解決を図るものです。
・情動焦点型コーピングは、ストレッサーに直接向き合うのではなく、気晴らしやリラクゼーションなど様々な方法により、つらい気持ちや緊張などを忘れたり緩和するものです。
○1 . 友人との人間関係について仲直りを図るのは、問題焦点型コーピングです。 問題焦点型コーピングは、ストレスを与える原因(ストレッサー)に直接向き合い、直接的に問題の低減や解決を図るものです。
×2 . 具体的な緊張状況を思い浮かべリハーサルをして対処しようとしているので、情動焦点型コーピングではなく、問題焦点型コーピングです。
×3 . 試験という具体的なストレス場面に対処するのではなく、その後での楽しい場面を想起して気持ちを落ち着かせようとするのは、情動焦点型コーピングです。
×4 .上司に相談し仕事量を軽減したら回復したというのは、社会的支援型コーピングであり、また具体的にストレスを与える原因を緩和したということから、広義の問題焦点型コーピングとも言えるでしょう。
×5 . 問題に焦点を当てるのではなく、カラオケによって気分の転換を図っています。これは、情動焦点型コーピングです。
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