精神保健福祉士の過去問
第17回(平成26年度)
心理学理論と心理的支援 問94
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問題
第17回(平成26年度) 精神保健福祉士国家試験 心理学理論と心理的支援 問94 (訂正依頼・報告はこちら)
心理療法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 自律訓練法では、身体感覚への特有の能動的注意集中を通して、心身の変化や外界の諸現象に対する受動的態度を作っていく。
- 森田療法では、不安があることを自然な事実としてあるがままに受け止め、心身の不調や症状が回復したのちに目の前にある作業に取り組む。
- 認知的再体制化を中心とした認知行動療法では、クライエントの自己への評価の低さや自己非難に伴う否定的な感情に注目し、その認知的枠組みや信念を修正する。
- 箱庭療法は、言葉では言い尽くせないような象徴的表現が可能であり、強い認知体験を伴って適度の意識化を促し、治療を進展させることができる。
- 来談者中心療法では、クライエントの建設的なパーソナリティ変化が起こる、セラピスト側の条件として分析的眼差しが挙げられる。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.自律訓練法では、身体感覚に注意集中しないようリラックスすることで、心身の変化や外界の諸現象に対する受動的態度を作っていくものです。
2.森田療法では、不安があることを自然な事実としてあるがままに受け止めますが、一定期間何もしない臥褥期(がじょくき)の後、心身の不調や症状を抱えている中で、少しずつ目の前にある作業に取り組んでいきます。
3.認知行動療法では、自己への評価の低さや、自己非難に伴う否定的な感情に着目し、認知的枠組みや信念を修正します。
4.箱庭療法は、言葉では言い尽くせないような象徴的表現が可能ですが、認知体験ではなく、情動体験を伴って治療を進展させていきます。
5.来談者中心療法で求められるセラピスト側の条件は、分析的眼差しではなく、共感的眼差しです。
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02
1.誤答
自律訓練法では、言語と身体イメージ(受動的集中)を重ね合わせることで自律神経のバランスをコントロールしていきます。そのため、能動的注意集中ではなく受動的です。
2.誤答
森田療法では、不安があることをあるがままに受け止め、心身の不調や症状がある状態で目の前にある作業に取り組む療法です。
3.正答
認知的再体制化を中心とした認知行動療法は、クライエントが自己の否定的で不合理な信念を適切で合理的なものに変容させることを目的としています。行動療法の技法を用いて、クライエントの問題解決を目指す療法です
4.誤答
箱庭療法は言葉では言い尽くせないような葛藤やイメージなどの象徴的表現が可能です。そして、自分でも気づいていない心身の状態や動きがを直接感じることができるので自己理解や人格的変容が促されます。
箱庭療法は、強い認知体験を伴うのではなく、強い情動体験を伴って治療が行われていきます。
5.誤答
来談者中心療法ではクライエントの建設的なパーソナリティ変化が起こるセラピスト側に条件としては「共感的理解」「無条件の肯定的関心」「自己一致」の3つの条件があげられます。分析的眼差しではありません。
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03
×2 . 森田療法では、不安があることを自然な事実としてあるがままに受け止めることをしていき、心身の不調や症状を回復させます。しかし、その後に目の前にある作業に取り組むことをするのではなく、不調や症状があることをありのままに受け止めるところから、作業を進めていきます。
○3 . 認知行動療法には、いくつかの技法があります。認知的再体制化では、クライエントの自己への評価の低さや自己非難に伴う否定的な感情に注目し、その認知的枠組みや信念を修正していきます。
×4 . 箱庭療法は、砂などを入れた四角い箱庭の領域に、人や動物、植物などのフィギュアを自由に置いてもらい、治療的枠組みの中で、それらを味わい、内的な治療を進展させていきます。言葉では言い尽くせないような象徴的表現が可能です。しかし、強い認知体験を伴って適度の意識化を図ることはしません。
×5 . 来談者中心療法では、クライエントの建設的なパーソナリティ変化が起こる、セラピスト側の条件としては、「分析的眼差し」ではなく、「無条件の絶対的肯定」、「共感的理解」、「治療者自身の自己一致」が挙げられます。「分析的」は、主として精神分析療法で使われる用語です。従って、不適切です。
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