精神保健福祉士の過去問
第17回(平成26年度)
保健医療サービス 問156

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問題

第17回(平成26年度) 精神保健福祉士国家試験 保健医療サービス 問156 (訂正依頼・報告はこちら)

生活保護を受給している一人暮らしで、軽度の知的障害のある入院患者Kさん(30歳、男性)について、今後の治療法と治療機関の選択をするため、医師とKさんによる話し合いが医療ソーシャルワーカー同席の下で行われた。話し合いの内容が複雑なため、Kさんが自分の希望を明確に医師に伝えることが難しいと予想した医療ソーシャルワーカーは、あらかじめKさんと話し合った結果に基づきKさんの状況とニーズについて、Kさんに代わって話し合いの場で医師に伝えた。

次のうち、こうした医療ソーシャルワーカーの行為を表す用語として、正しいものを1つ選びなさい。
  • アカウンタビリティ
  • セカンドオピニオン
  • リスクマネジメント
  • アドボカシー
  • インフォームドコンセント

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です

1.アカウンタビリティとは、利用者が受けるサービスの質や内容、成果などの説明責任のことを言います。

2.セカンドオピニオンとは、主治医以外の医療機関の医師に、診断や治療方針などを受診して聞くことを言います。

3.リスクマネジメントとは危機管理のことで、危険なことを未然に防ぐ方法のことを言います。

4.アドボカシーとは、当事者の発言等が難しい場合、第三者が代弁して相手に伝えることをいうので、この事例に当てはまります。

5.インフォームドコンセントとは、医師が患者や家族に対し、治療方針を説明して納得した上で治療に同意することを言います。

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02

正解は4です。

1.アカウンタビリティとは、サービス提供者が利用者に行う説明責任のことです。アカウンタビリティの説明範囲はサービスの提供内容であり、事例に見られるような情報伝達のことではありません。

2.セカンドオピニオンとは、主治医以外の医師に医学的な意見を求めることです。医療ソーシャルワーカーの行為を表す言葉ではありません。

3.リスクマネジメントとは、危機管理のことです。Kさんが自分の希望を明確に意思に伝えることが難しいと予想し行動することはリスクマネジメントの一部と捉えることも可能ですが、事例の医療ソーシャルワーカーの行為は代弁を主に行っているため、アドボカシーを正答とする方が適切です。

4.アドボカシーとは、権利擁護のことです。Kさんに代わってKさんの状況とニーズを医師に伝えることは権利擁護の代弁の機能に該当します。

5.インフォームドコンセントとは、説明と同意と訳され、医師の治療方針を患者に説明し同意を求めることで、医療提供者が行うものです。事例の医療ソーシャルワーカーの立場で使用する用語ではありません。

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03

 医療ソーシャルワーカーは、Kさんが自分の希望を明確に医師に伝えることが難しいと予想したため、Kさんに代わって医師に伝えました。これは「代弁」にあたるため、4のアドボカシーが正解となります。

1.×
 アカウンタビリティは、「説明責任」と訳されます。
 成果が単純に数値などで測定できない場合、特にこのアカウンタビリティが徹底される必要があるとされ、福祉実践のように対人支援をその基軸とする場合などには非常に重要です。

2.×
 セカンドオピニオンは、患者の権利を守るために制度化されたもので、主治医以外の医師の意見を得ることで、患者が納得して治療が受けられるようにする仕組みのことです。

3.×
 リスクマネジメントは、様々なリスクを予見し、そのリスクがもたらす損失を予防するための対策や、損害が発生した場合の事後処理対策などを効果的、効率的に講じることで、事業の継続・判定的発展を確保する経営上の手法のことです。

4.○
 アドボカシーは、「代弁」「弁護」「権利擁護」などと訳されます。①他者の代弁・弁護を行うこと、②直接的な援助又はエンパワメントを通じて個人の権利を守ることと定義されています。

5.×
 インフォームドコンセントは、「説明と同意」「説明に基づく同意」などと訳されます。医療側は患者側に単に情報を伝えるだけではなく、患者がそれを理解したことを確認しなければいけません。その上で、患者の同意に基づいて治療や処置を行います。

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