精神保健福祉士の過去問
第18回(平成27年度)
精神保健の課題と支援 問13

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問題

第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健の課題と支援 問13 (訂正依頼・報告はこちら)

「子どもの自殺が起きたときの緊急対応の手引き(平成22年)」(文部科学省)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

(注)「学校再開日」とは、「発生後に初めて子どもが登校する日」のことである。
  • 学校への教育委員会のサポートは、自殺が発生して3日目以降が望ましい。
  • 「学校再開日」には、校長が全校集会で出来事を詳細に説明する。
  • 自殺の連鎖の防止には、数日間の休校が望ましい。
  • 自殺の事実を文書で保護者に知らせる場合には、あらかじめ遺族に文案を示して了解を得る。
  • 教職員がスクールカウンセラーに相談したいときは、管理職に申し出る。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

文部科学省が平成22年3月に出した「子どもの自殺が起きたときの緊急対応の手引き」には、子どもの自殺が起きたときの主に数日以内の事後対応が以下の6項目で解説されています。

1 危機対応の態勢
2 遺族へのかかわり
3 情報収集・発信
4 保護者への説明
5 心のケア
6 学校活動
 6-1 学校再開の準備
 6-2 クラスでの伝え方
 6-3 クラスでの喪の過程

1:手引きの項目1危機対応の態勢の中の「必要な人員の確保」のところで、「危機時には様々な対応を集中して行う必要があるため、的確な方針と実施のためのマンパワーが必要になります。最初の3日間は、教育委員会は常時複数の職員(実務経験のある職員を含む)を派遣し、助言とともに、学校では手が回らない部分をサポートしてください。」(手引きの2ページより)とあります。
3日目以降ではなく、最初の3日間の集中対応の必要性を説いているので、誤りです。

2:手引きの項目6-1学校再開の準備の中の「校長から伝える際の注意」のところで、「全校集会で校長自ら伝えるということがしばしば行われていますが、学校再開日に大きな集会を開くとパニックが伝染する危険性があります。全校集会を開くのであれば、集会は短く終えて、すぐに各クラスで対応してください。」(手引きの10ページより)とあります。よって、誤りです。

3:手引きの項目1危機対応の態勢の中の「当面の対応」の学校再開の方針のところで、「自殺の影響が学校全体に及ぶと、自殺のリスクのある子どもに連鎖(後追い)する可能性がありますので、休校は避け、学校の日常活動を段階的に早期に平常化させるのが基本です。」(手引きの1ページより)とあるので誤りです。

4:手引きの項目2遺族へのかかわりの中で、「自殺の事実を子どもや保護者、マスコミに伝えるにあたっては、遺族から了解をとるよう努めてください。特に、死亡の事実を文書で保護者にお知らせする場合には、あらかじめ遺族に文案を見せて了解をとるようにしてください。」(手引きの4ページより)と記載されているので正解です。

5:手引きの項目5心のケアの中の「教職員へのサポート」のところで、「担任教師は、子どもの前に立つ前に、自分の今の気持ちを率直に言葉にしてみてください。教師が先にカウンセリングを受けてみてはどうでしょうか。管理職を通さず、スクールカウンセラーなどに自由に相談できることを保証してください。」(手引きの9ページより)とあります。管理職に申し出るのは誤りです。

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02

正解は4です。

1.手引きには「最初の3日間は、教育委員会は常時複数の職員を派遣し」とあります。発生直後からのサポートが望まれます。

2.手引きには「学校再開日に大きな集会を開くとパニックが伝染する危険性があります。全校集会を開くのであれば、集会は短く終えて、すぐに各クラスで対応してください。」とあります。学校再開日に全校集会を開くことは必ずしも適切ではなく、開く場合であっても詳細に説明することは適切ではありません。

3.手引きには「自殺のリスクのある子どもに連鎖(後追い)する可能性がありますので、休校は避け、学校の日常活動を段階的に早期に平常化させるのが基本です。」とあります。休校は望ましくありません。

4.手引きに「自殺の事実を子どもや保護者、マスコミに伝えるにあたっては、遺族から了解をとるよう努めてください。特に、死亡の事実を文書で保護者にお知らせする場合には、あらかじめ遺族に文案を見せて了解をとるようにしてください。」と記載されています。

5.手引きには「管理職を通さず、スクールカウンセラーなどに自由に相談できることを保証してください。」とあります。管理職に申し出ないですむ環境が必要です。

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03

 正解は4です。

1.学校への教育委員会のサポートについては、「必要な人員の確保」の欄に「最初の3日間は、教育委員会は常時複数の職員を派遣し、助言とともに、学校では手が回らない部分をサポートしてください」と記載されています。

2.「校長から伝える際の注意」の欄には、学校再開日に校長が全校集会で出来事を詳細に説明するというのは、パニックが伝染する危険性があると書かれています。「全校集会を開くのであれば、集会は短く終えて、すぐに各クラスで対応してください」と記載されています。

3.「当面の対応」欄に学校再開の方針について書かれています。「自殺の影響が学校全体に及ぶと、自殺のリスクのある子どもに連鎖(後追い)する可能性がありますので、休校は避け、学校の日常活動を段階的に早期に平常化させるのが基本です」と記載されています。

4.「積極的な情報発信と注意すべきこと」の欄に「自殺の事実を公表するにあたっては、あらかじめ遺族から了解をとるよう努めてください。多くの場合、遺族は自殺であることの公表を望まれませんので、遺族の意向を尊重しつつ進めてください」と記載されています。

5.「教職員へのサポート」の欄に「担任教師は、子供の前に立つ前に、自分の今の気持ちを率直に言葉にしてみてください。教師が先にカウンセリングを受けてみてはどうでしょうか。管理職を通さず、スクールカウンセラーなどに自由に相談できることを保証してください」と書かれています。

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