精神保健福祉士の過去問
第18回(平成27年度)
精神保健福祉相談援助の基盤 問31
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問題
第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問31 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事 例〕
Cさん(53歳、男性)は大手機械メーカーで30年勤務してきた。半年ほど前より、パソコンの前でぼんやりしている姿が見受けられるようになり、その後、会議を無断で欠席するなど、仕事上のミスがみられ業務に支障を来すようになった。上司の強い勧めにより精神科クリニックを受診したところ、若年性認知症(アルツハイマー病)と診断され、休職することとなった。Cさんは、幼稚園で事務職をしている妻、高校3年生の息子との3人暮らしである。
その後のCさんには、日常生活上の大きなトラブルはないが、月に2回の受診以外は、特にすることもなく家で過ごしていた。ある日、通院に同行した妻はクリニックで、「夫に仕事のことを持ちかけてもイライラされて会話になりませんし、息子の受験のこともあって、今後の生活が不安です」とD精神保健福祉士に話した。そこで診察終了後、Cさん、妻との面談を行うことになった。(※1)
面談から半月が過ぎた頃、NPO法人が運営する若年性認知症サポートセンター(以下「センター」という。)の活動を報じた新聞記事を目にしたCさんは、D精神保健福祉士に相談し、センターのE精神保健福祉士を紹介され見学に行った。センターは若年性認知症の人たちが集まり活動できる場として開所したばかりであり、Cさんの見学時には、利用者がE精神保健福祉士と共に、自分たちの思いや希望、今後のセンターの活動内容について積極的に話合いをしているところであった。(※2)
見学時の雰囲気が良かったためCさんは、翌週から利用を開始し3か月が経過した。妻もセンターの家族会に参加するようになった。Cさんは一度に2つの作業をすることが難しくなるといった症状の進行もみられるが、ビルや公園の清掃作業に参加し、また自ら提案したスポーツ行事が来月開催されることになるなど、前向きな日々を送っている。一方、E精神保健福祉士は、若年性認知症に対する地域住民の理解を図る活動が、利用者や今後のセンターにとって重要であると考え、準備を進めている。(※3)
次のうち、この話合い(※2)の場面でのE精神保健福祉士が果たす役割として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Cさん(53歳、男性)は大手機械メーカーで30年勤務してきた。半年ほど前より、パソコンの前でぼんやりしている姿が見受けられるようになり、その後、会議を無断で欠席するなど、仕事上のミスがみられ業務に支障を来すようになった。上司の強い勧めにより精神科クリニックを受診したところ、若年性認知症(アルツハイマー病)と診断され、休職することとなった。Cさんは、幼稚園で事務職をしている妻、高校3年生の息子との3人暮らしである。
その後のCさんには、日常生活上の大きなトラブルはないが、月に2回の受診以外は、特にすることもなく家で過ごしていた。ある日、通院に同行した妻はクリニックで、「夫に仕事のことを持ちかけてもイライラされて会話になりませんし、息子の受験のこともあって、今後の生活が不安です」とD精神保健福祉士に話した。そこで診察終了後、Cさん、妻との面談を行うことになった。(※1)
面談から半月が過ぎた頃、NPO法人が運営する若年性認知症サポートセンター(以下「センター」という。)の活動を報じた新聞記事を目にしたCさんは、D精神保健福祉士に相談し、センターのE精神保健福祉士を紹介され見学に行った。センターは若年性認知症の人たちが集まり活動できる場として開所したばかりであり、Cさんの見学時には、利用者がE精神保健福祉士と共に、自分たちの思いや希望、今後のセンターの活動内容について積極的に話合いをしているところであった。(※2)
見学時の雰囲気が良かったためCさんは、翌週から利用を開始し3か月が経過した。妻もセンターの家族会に参加するようになった。Cさんは一度に2つの作業をすることが難しくなるといった症状の進行もみられるが、ビルや公園の清掃作業に参加し、また自ら提案したスポーツ行事が来月開催されることになるなど、前向きな日々を送っている。一方、E精神保健福祉士は、若年性認知症に対する地域住民の理解を図る活動が、利用者や今後のセンターにとって重要であると考え、準備を進めている。(※3)
次のうち、この話合い(※2)の場面でのE精神保健福祉士が果たす役割として、適切なものを1つ選びなさい。
- ピアカウンセラー
- アドボケーター
- ファシリテーター
- ケアマネジャー
- アドミニストレーター
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この過去問の解説 (3件)
01
1:ピアカウンセラーは、同じ悩みや障害をもつ仲間として、自分の体験を生かして仲間の相談にのったり、支援したりする人のことです。E精神保健福祉士が果たす役割ではありません。
2:アドボケーターは、当事者の権利を代弁したり、擁護したりする人のことです。この場面でのE精神保健福祉士が果たす役割ではありません。
3:ファシリテーターは、グループの話し合いの場面で、中立的な立場から、発言や参加を促したり、話の流れの整理や参加者の相互理解をサポートしたりする人のことです。この話し合い場面でのE精神保健福祉士の役割です。
4:ケアマネージャーは、介護認定を受けた要介護者やその家族の相談にのったり、介護保険サービスを受けるためのケアプランの作成をしたりする人のことです。この場面でのE精神保健福祉士の役割ではありません。
5:アドミニストレーターは、コンピューターの保守や管理をしたり、ネットワークの管理をする人のことです。この場面でのE精神保健福祉士の役割ではありません。
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02
NPO法人が運営する若年性認知症サポートセンターにおける、事例時点でのE精神保健福祉士の役割を確認する問題です。
1.ピアカウンセラーとは、同じ障害や問題を抱える当事者がカウンセリングを行うことです。E精神保健福祉士が同じ障害や問題を抱えているかどうかは、事例から読み取ることができないため、適切な回答ではありません。
2.アドボケーターとは、権利擁護を行う人です。事例の場面では、自分たちの思いや希望、今後のセンターの活動内容についての話し合いをしており、権利擁護についての内容は確認できないため、適切な回答ではありません。
3.ファシリテーターとは、会議や話し合いを円滑に推進する人です。事例におけるE精神保健福祉士の役割として適切です。
4.ケアマネジャーは、介護が必要な人たちの相談に応じて、介護サービス計画(ケアプラン)を作ります。事例からはそのような行為を読み取ることはできません。
5.アドミニストレーターとは、管理者や行政官という意味を持ち、社会福祉政策を進める人といえます。事例においてE精神保健福祉士は、利用者と共に話し合いをしており、管理的なかかわりをしているわけではないため、適切な回答ではありません。
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03
1.ピアカウンセラーは、当事者相談員のことです。当事者が自分の体験を生かして仲間の相談にのったり、カウンセリングや支援したりする人のことです。
2.アドボケーターは、当事者の権利を代弁したり、擁護したりする人のことです。
3.ファシリテーターは、グループや組織でものごとを進めていく時に、中立的な立場から働きかけを行い、進行を円滑にしていく人のことです。
4.ケアマネージャーは、介護が必要な方やその家族の相談に対応し、サービスの調整、関係機関との連携、ケアプラン作成などを行います。
5.アドミニストレーターは、保守や点検などの意味を持ち、ソーシャルワーカーの場合はソーシャルアドミニストレーション(社会福祉運営管理)で用語が使われます。サービス計画や運営改善などに関わります。
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