精神保健福祉士の過去問
第18回(平成27年度)
精神保健福祉相談援助の基盤 問32
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問題
第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問32 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事 例〕
Cさん(53歳、男性)は大手機械メーカーで30年勤務してきた。半年ほど前より、パソコンの前でぼんやりしている姿が見受けられるようになり、その後、会議を無断で欠席するなど、仕事上のミスがみられ業務に支障を来すようになった。上司の強い勧めにより精神科クリニックを受診したところ、若年性認知症(アルツハイマー病)と診断され、休職することとなった。Cさんは、幼稚園で事務職をしている妻、高校3年生の息子との3人暮らしである。
その後のCさんには、日常生活上の大きなトラブルはないが、月に2回の受診以外は、特にすることもなく家で過ごしていた。ある日、通院に同行した妻はクリニックで、「夫に仕事のことを持ちかけてもイライラされて会話になりませんし、息子の受験のこともあって、今後の生活が不安です」とD精神保健福祉士に話した。そこで診察終了後、Cさん、妻との面談を行うことになった。(※1)
面談から半月が過ぎた頃、NPO法人が運営する若年性認知症サポートセンター(以下「センター」という。)の活動を報じた新聞記事を目にしたCさんは、D精神保健福祉士に相談し、センターのE精神保健福祉士を紹介され見学に行った。センターは若年性認知症の人たちが集まり活動できる場として開所したばかりであり、Cさんの見学時には、利用者がE精神保健福祉士と共に、自分たちの思いや希望、今後のセンターの活動内容について積極的に話合いをしているところであった。(※2)
見学時の雰囲気が良かったためCさんは、翌週から利用を開始し3か月が経過した。妻もセンターの家族会に参加するようになった。Cさんは一度に2つの作業をすることが難しくなるといった症状の進行もみられるが、ビルや公園の清掃作業に参加し、また自ら提案したスポーツ行事が来月開催されることになるなど、前向きな日々を送っている。一方、E精神保健福祉士は、若年性認知症に対する地域住民の理解を図る活動が、利用者や今後のセンターにとって重要であると考え、準備を進めている。(※3)
次のうち、E精神保健福祉士が今後用いる方法として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Cさん(53歳、男性)は大手機械メーカーで30年勤務してきた。半年ほど前より、パソコンの前でぼんやりしている姿が見受けられるようになり、その後、会議を無断で欠席するなど、仕事上のミスがみられ業務に支障を来すようになった。上司の強い勧めにより精神科クリニックを受診したところ、若年性認知症(アルツハイマー病)と診断され、休職することとなった。Cさんは、幼稚園で事務職をしている妻、高校3年生の息子との3人暮らしである。
その後のCさんには、日常生活上の大きなトラブルはないが、月に2回の受診以外は、特にすることもなく家で過ごしていた。ある日、通院に同行した妻はクリニックで、「夫に仕事のことを持ちかけてもイライラされて会話になりませんし、息子の受験のこともあって、今後の生活が不安です」とD精神保健福祉士に話した。そこで診察終了後、Cさん、妻との面談を行うことになった。(※1)
面談から半月が過ぎた頃、NPO法人が運営する若年性認知症サポートセンター(以下「センター」という。)の活動を報じた新聞記事を目にしたCさんは、D精神保健福祉士に相談し、センターのE精神保健福祉士を紹介され見学に行った。センターは若年性認知症の人たちが集まり活動できる場として開所したばかりであり、Cさんの見学時には、利用者がE精神保健福祉士と共に、自分たちの思いや希望、今後のセンターの活動内容について積極的に話合いをしているところであった。(※2)
見学時の雰囲気が良かったためCさんは、翌週から利用を開始し3か月が経過した。妻もセンターの家族会に参加するようになった。Cさんは一度に2つの作業をすることが難しくなるといった症状の進行もみられるが、ビルや公園の清掃作業に参加し、また自ら提案したスポーツ行事が来月開催されることになるなど、前向きな日々を送っている。一方、E精神保健福祉士は、若年性認知症に対する地域住民の理解を図る活動が、利用者や今後のセンターにとって重要であると考え、準備を進めている。(※3)
次のうち、E精神保健福祉士が今後用いる方法として、適切なものを1つ選びなさい。
- アウトリーチ
- ストレスマネジメント
- コミュニティベースドリハビリテーション
- ソーシャルアクション
- コンサルテーション
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この過去問の解説 (3件)
01
1:アウトリーチは、援助の必要性があるにもかかわらず、自発的に援助を求めてこない人に対して、援助する機関などが積極的に出向いて援助する活動のことです。地域住民の理解を求める活動ではありません。
2:ストレスマネジメントは、ストレスにより心身に起こる症状を理解し、ストレスに対してどのように対処し解消するかを考えることです。地域住民の理解を求める活動ではありません。
3:コミュニティベースドリハビリテーションは、障害をもつ全ての人のためのリハビリテーションです。地域で機会平等に受けられ、社会的統合を目指す地域開発の戦略です。設問の場面での地域住民の理解を求める活動ではありません。
4:ソーシャルアクションは、当事者のニーズに応えるために制度やサービスの改善や開発を行政に働きかける活動です。今後のセンターや利用者にとっては、まだまだ十分とは言えない制度やサービスの開発を行うこと(ソーシャルアクション)が必要となりますが、その前段階として、若年性認知症への地域住民の理解を得ることが重要となります。
5:コンサルテーションは、異なる専門職が複数集まり、援助対象者へのより良い援助について話し合う過程をいいます。この場面での地域住民の理解を求める活動ではありません。
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02
1.アウトリーチは、病院や施設の外に出向き、地域に定着することを進めたり、地域で課題を抱えている人を発見したりすることをいいます。地域住民の理解を図る活動ではありません。
2.ストレスマネジメントは、ストレスやストレスにまつわる症状を理解し、対処することです。地域住民の理解を図る活動ではありません。
3.コミュニティベースドリハビリテーションは、地域に基づいたリハビリテーションを行うことです。地域住民の理解を図る活動ではありません。
4.ソーシャルアクションは、地域住民への理解を図る活動です。若年性認知症に対する地域住民の理解を育もうとするE精神保健福祉士が今後用いる方法として適切です。
5.コンサルテーションとは、専門家の知識を、異なる専門家、専門外の他の人たちに伝えることです。地域住民の理解を図る活動ではありません。
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03
1.アウトリーチは、問題を抱えた人がいる地域社会やその人たちの生活空間に出向き、相談援助のサービスを提供することをさします。
2.ストレスマネジメントは、ストレスの元となっていることを自分自身気づくことが必要であり、ストレスそのものについて理解し、そのうえでストレスへの具体的な対処方法を知って実践していくことです。
3.コミュニティベースドリハビリテーションは、これまでの施設中心のリハビリテーションから、地域社会を中心にしたアプロ―チでリハビリテーションを行うものです。
4.ソーシャルアクションは、社会活動法ともいわれ、ソーシャルワークの間接援助技術のひとつです。地域住民の理解を求めたり、社会福祉制度やサービスの改善を議会や行政機関に提言する行動です。
5.コンサルテーションは、他機関の専門職からの相談、指導を受けることをいいます。
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