精神保健福祉士の過去問
第18回(平成27年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問59
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問題
第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問59 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事 例〕
Gさん(30歳、女性)は18歳で統合失調症を発症し、入院を経験しながらも、25歳で農業大学校を卒業して、父親が代表を務める農業法人でいちご加工部門を担当している。受診は継続し、時には周りのことや対人関係が気になることもあるが、自分で対処できるようになってきた。
受診先のH精神保健福祉士はGさんの初診時から何かと相談に乗っていた。3年前に「仕事そのものには自信がついてきたけれど、商談や仕事関係の会合はやはり疲れる。どこか引け目を感じ、病気のせいかなとか思ってしまう」と相談された際は、交流を目的に発足したばかりの当事者活動グループを紹介した。(※1)
Gさんは当事者活動の中で、精神保健ボランティア講座の企画・実施に加わり、自分の体験談を話す機会を得てから、次第にグループの中心メンバーになっていった。
「メンバーが増えない。活動への参加者が減ってきて、いつも同じメンバーしか参加しない」などグループ活動の悩みを相談されたH精神保健福祉士は、社会福祉専門職団体の連絡会でも当事者活動の支援が課題となっていたこともあり、Gさんと話合いを重ねた。その中から、様々な当事者活動の交流会を開催したらどうかというアイデアが生まれ、昨年春にはいくつかの当事者活動グループに社会福祉専門職団体が協力して当事者活動交流会を開催した。(※2)
交流会の実行委員を務めたGさんは、そこで難病家族会のメンバーJさんと知り合った。Jさんは農学部出身ということもあって話が合い、交際が始まり、最近婚約した。Jさんの横で「また調子を崩すんじゃないかと不安はある。自分を大切にして、これからもチャレンジしていきたい。もうひとりじゃないし」とH精神保健福祉士に語るGさん。その場でGさんとJさんから、障害者が中心となって障害者だけでなく地域にも貢献できる新しい活動を始めたいという夢がH精神保健福祉士に語られた。そこでH精神保健福祉士は、各地の情報や経験を集めながら何が自分たちの暮らしや地域に役立つのか、ゆっくりと一緒に考えていこうと提案し、二人も頷いた。(※3)
次のうち、この(※2)時点でH精神保健福祉士が行った支援として、正しいものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Gさん(30歳、女性)は18歳で統合失調症を発症し、入院を経験しながらも、25歳で農業大学校を卒業して、父親が代表を務める農業法人でいちご加工部門を担当している。受診は継続し、時には周りのことや対人関係が気になることもあるが、自分で対処できるようになってきた。
受診先のH精神保健福祉士はGさんの初診時から何かと相談に乗っていた。3年前に「仕事そのものには自信がついてきたけれど、商談や仕事関係の会合はやはり疲れる。どこか引け目を感じ、病気のせいかなとか思ってしまう」と相談された際は、交流を目的に発足したばかりの当事者活動グループを紹介した。(※1)
Gさんは当事者活動の中で、精神保健ボランティア講座の企画・実施に加わり、自分の体験談を話す機会を得てから、次第にグループの中心メンバーになっていった。
「メンバーが増えない。活動への参加者が減ってきて、いつも同じメンバーしか参加しない」などグループ活動の悩みを相談されたH精神保健福祉士は、社会福祉専門職団体の連絡会でも当事者活動の支援が課題となっていたこともあり、Gさんと話合いを重ねた。その中から、様々な当事者活動の交流会を開催したらどうかというアイデアが生まれ、昨年春にはいくつかの当事者活動グループに社会福祉専門職団体が協力して当事者活動交流会を開催した。(※2)
交流会の実行委員を務めたGさんは、そこで難病家族会のメンバーJさんと知り合った。Jさんは農学部出身ということもあって話が合い、交際が始まり、最近婚約した。Jさんの横で「また調子を崩すんじゃないかと不安はある。自分を大切にして、これからもチャレンジしていきたい。もうひとりじゃないし」とH精神保健福祉士に語るGさん。その場でGさんとJさんから、障害者が中心となって障害者だけでなく地域にも貢献できる新しい活動を始めたいという夢がH精神保健福祉士に語られた。そこでH精神保健福祉士は、各地の情報や経験を集めながら何が自分たちの暮らしや地域に役立つのか、ゆっくりと一緒に考えていこうと提案し、二人も頷いた。(※3)
次のうち、この(※2)時点でH精神保健福祉士が行った支援として、正しいものを1つ選びなさい。
- グループワーク
- リフレーミング
- コラボレーション
- ソーシャルサポートネットワーク
- アドボカシー
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この過去問の解説 (4件)
01
1.グループワーク:メンバー同士の相互作用により利用者一人一人の変化を促す、グループで行うプログラムのことです。
2.リフレーミング:心理学テクニックの一つで、物事の価値観の枠組みを超えてとらえる技法です。
3.コラボレーション:異なる分野の者同士が、共同で創作することです。
4.ソーシャルサポートネットワーク:社会生活を送る上での問題に対して、身近な人間関係で構成される複数の個人や集団の連携で支援する体制のことをいいます。
5.アドボカシー:権利擁護や、そのための代弁のことをさします。
Gさんは障害者のグループという枠組みを超えて、地域貢献をしていきたいという話をしていたことから、一番適切なのは3です。
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02
1:グループワークは、利用者がグループのプログラム活動へ参加し、そのグループ活動での経験や利用者間の相互の影響で変化(成長、発達)する過程を支援者が主体的に援助します。そのねらいは、利用者にグループワークを通して身近で起きた問題に対応出来る力を身につけてもらうことです。
事例は当事者の活動であり、支援者であるH精神保健福祉士が主体となってグループへの援助を行っているわけではありませんので不適切です。
2:リフレーミングは、ある枠組み(フレーム)で捉えてられている出来事の枠組を外して、違う枠組みで見る(フレームを変える)事です。例えば「優柔不断」を「色々な視点を考慮して考えられること」とリフレームできます。ネガティブな物事をポジティブに捉え前向きな思考を持つ事に役立ちます。
事例の中では、H精神保健福祉士がリフレーミングを用いて援助する表記はありませんので不適切です。
3:コラボレーションは、異なる分野や団体の人が協力して行う共同作業です。
事例では、GさんとH精神保健福祉士の話し合いが発展し、「いくつかの当事者活動グループに社会福祉専門職団体が協力して当事者活動交流会を開催した。」とあります。よって適切です。
4:ソーシャルサポートネットワークの活用による支援とは、社会生活を送る上での様々な問題に対し、インフォーマルな社会資源(家族や友人などの私的な社会資源)とフォーマルな社会資源(自治体や行政などの公的な社会資源)を繋ぎ合せてネットワークの形成を行い支援に用いることを言います。
事例では、「いくつかの当事者活動グループに社会福祉専門職団体が協力して当事者活動交流会を開催した。」とありますが、ソーシャルサポートネットワークの活用を意図として行った支援というよりも、当事者活動グループと社会福祉専門職団体の協力による支援が強調されています。よって適切ではありません。
5:アドボカシーは、自己の権利を表明することが困難な高齢者や障がい者の代わりに、代理人が権利を代弁すること(権利擁護活動)のことです。
事例では、権利擁護についての表記はありませんので不適切です。
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03
1.グループワークは、援助者が積極的にグループの形を利用して援助する技術です。当事者活動グループでの活動のことではありません。
2.リフレーミングは、クライエントの視点を変える技法です。事例から視点を変えるような助言は読み取れません。
3.コラボレーションとは、さまざまな団体が協力をして活動をすることです。この事例におけるH精神保健福祉士の支援が該当します。
4.ソーシャルサポートネットワークとは、社会的な資源をネットワークとして支援に活用するものです。事例では当事者活動グループへの支援よりも、当事者活動グループと社会福祉専門職団体が協力するという意味合いが強く読み取れますので、コラボレーションの方が適切といえます。
5.アドボカシーは権利擁護のことですが、この事例では権利侵害や権利擁護に関する内容は読み取れません。
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04
1:グループワークは、グループを通して、個人の持つ能力を高めたり、集団での問題に対処できるようにすることを目的としています。
2:リフレーミングは、いままでとは違う枠組みで物事を見るようにすることです。
3:コラボレーションは、異なるグループや団体が、協力したり一緒に行動することです。
4:ソーシャルサポートネットワークは、制度による支援ではなく、地域的社会的な関係によって作られる支援のことです。
5:アドボカシーは、自己の権利や主張が難しい場合に代弁することです。
以上のことから、今回のH精神保健福祉士の行動は、コラボレーションにあたります。
よって正解は3です。
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