精神保健福祉士の過去問
第18回（平成27年度）
精神保健福祉に関する制度とサービス 問65

更生保護制度は犯罪や非行を行った者に対して、再び社会生活を送れるよう、あらゆるアプローチをして更生させ、社会を防衛するというものです。
1.更生保護施設は様々な事由で、すぐに自立・更生できない人の施設です。一定の期間保護し、その間に社会復帰のための援助や、再犯防止のための取り組みを行います。

2.BBS会はBig brothers and Sisters Movementの略です。様々な問題を抱える少年少女と、兄弟姉妹の様に接していく中で、少年少女らが自分自身で問題を解決し成長していくのを支援するボランティア団体のことです。

3.保護観察官の任期に規定はありません。

4.建築業、サービス業、製造業の順で多く、この3つで約80％を占めています。

5.保護司は犯罪者や非行少年の改善更生を助け、犯罪予防の啓発や民間への活動を行います。制度的ボランティアという特徴があります。

以上により、正しい記述は5。

正解は5です。

1：更生保護施設は、通所施設ではなく入所施設です。よって誤りです。
更生保護施設は、刑務所や少年院などの矯正施設から釈放された人や保護観察中の人で住む家がない人に対して一時的に宿泊場所や食事の提供などを行い自立支援をする入所施設です。

2：BBS会（Big Brothers and Sisters Movement)は、様々な問題を抱える少年少女たちの同世代の兄や姉のような存在として関わりながら支援するボランティア団体です。犯罪や非行のない地域社会の実現を目指しています。よって誤りです。
更生保護女性会は、更生保護に協力する女性のボランティア団体です。

3：保護観察官に任期の定めはありませんので誤りです。
保護観察官は、法務省採用の国家公務員の一種です。保護観察所や地方更生保護委員会へ配属されます。保護観察所へ配属されると家庭裁判所で保護処分決定を受けた人や刑事施設から仮釈放された人の保護観察を行います。地方更生保護委員会へ配属されると刑事施設や少年院へ収容中の人と面接を行い施設から仮釈放や仮退院ができるかを審査する際に必要な調査を行います。

4：協力雇用主の業種は、建設業が約半数を占めていますので誤りです。
協力雇用主は、犯罪・非行の前歴があるため、定職につくことが難しい刑務所出所者等の事情を理解した上で雇い改善更生に協力する民間の事業主の事です。

5：保護司は法務大臣から委嘱を受けた非常勤国家公務員です。給与はなくボランティアとして、犯罪や非行に陥った人の更生に努めます。任期は2年で再任もあります。

正解は５です。

１．更生保護施設は、保護観察対象者等のための入所施設です。通所施設ではありません。

２．BBS会は、Big Brothers and Sisters Movementの略称で、青年ボランティア団体です。更生保護女性会の略称ではありません。

３．保護観察官に任期は定められていません。2年が任期で再任可能と定められているのは保護司です。

４．協力雇用主の業種は、建設業が約半数を占めています。

５．保護司は、非常勤の国家公務員です。

更生保護制度は、犯罪や非行を起こした人に対して、社会内で更生を促していく制度です。

１：更生保護施設は、通所ではなく入所施設です。

２：BBS会は、更生保護の民間団体のひとつで、非行防止とともに、非行少年・少女とともに悩み学んだりすることで、自立を支援するボランティア団体です。女性に限りません。

３：保護観察官は、常勤の国家公務員で任期は定められていません。

４：協力雇用主は、建設業が最も多く、約半数を占めます。次いで、サービス業、製造業の順に続き、これらで約８割を占めています。

５：保護司は、非常勤の国家公務員で任期が２年と定められています。ただし、再任されることもありその場合は、２年を超えて勤務します。

以上のことから、正解は５です。