精神保健福祉士の過去問
第18回(平成27年度)
精神障害者の生活支援システム 問75

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問題

第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 精神障害者の生活支援システム 問75 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、元気回復行動プラン(WRAP)に関する説明として、正しいものを1つ選びなさい。
  • 自らの意思では受診が困難な精神障害者に対し、支援者が暮らす場に出向いて支援する際の活用を目的に作成された。
  • アメリカの援助付き雇用の方法を導入して、支援者が働く場に出向いて支援する際に活用することを目的に作成された。
  • ヨーロッパで精神科病院が縮小された後、地域の中で精神障害者が働く場を創出する際に活用されたことに起源がある。
  • インフォーマルなサポートとフォーマルなサポートを織り交ぜながらネットワークを構築する方法として活用される。
  • 精神障害を有する当事者の間で考案されたもので、ファシリテーターとして活動する人の養成が行われている。

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この過去問の解説 (4件)

01

正解は5です。

1.自らの意思では受診が困難な精神障害者に対し、支援者が暮らす場に出向いて支援するのは、アウトリーチです。元気回復行動プラン(WRAP)は当事者のセルフケアプログラムで、支援者が暮らす場に出向いて活用するものではありません。

2.アメリカの援助付き雇用の方法を導入して、支援者が働く場に出向いて支援するのは、ジョブコーチです。元気回復行動プラン(WRAP)は当事者のセルフケアプログラムで、支援者が働く場に出向いて活用するものではありません。

3.ヨーロッパで精神科病院が縮小された後、地域の中で精神障害者が働く場を創出する際に活用されたことに起源があるのは、ソーシャルファームです。元気回復行動プラン(WRAP)の起源はアメリカです。

4.インフォーマルなサポートとフォーマルなサポートを織り交ぜながらネットワークを構築する方法は、ソーシャルサポートネットワークです。元気回復行動プラン(WRAP)は、当事者のセルフケアプログラムです。

5.元気回復行動プラン(WRAP)は、精神障害を有する当事者の間で考案されたもので、ファシリテーターとして活動する人の養成が行われています。

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02

正解は5です。

1:自らの意思では受診が困難な精神障害者に対し、支援者が暮らす場に出向いて支援する事をアウトリーチ(訪問)と言います。アウトリーチの活用を目的に作成されたアウトリーチ推進事業は、治療中断者や自らの意思では受診が困難な精神障害者に対し、専門職がチームを組んで必要に応じて訪問支援を行います。アウトリーチにより保健・医療・福祉のサービスを包括的に提供し、丁寧な支援を実施することで居宅生活を可能にしています。元気回復行動プランのことではありませんので誤りです。

2:アメリカの援助付き雇用の方法を導入して、支援者が働く場に出向いて支援する際に活用することを目的に作成されたのは、ジョブコーチです。ジョブコーチは、障害者の就労に当たり、障害特性を踏まえて障害者が円滑に就労できるように職場内外の支援環境を整えます。元気回復行動プランのことではありませんので誤りです。

3:ヨーロッパで精神科病院が縮小された後、地域の中で精神障害者が働く場を創出する際に活用されたことに起源があるのは、ソーシャルファームです。ソーシャルファームは、イタリア、ドイツ、イギリスなどのヨーロッパにおいて、病院職員と患者が一緒になって仕事をする企業を自ら作っていったのが始まりです。元気回復行動プランのことではありませんので誤りです。

4:インフォーマルなサポートとフォーマルなサポートを織り交ぜながらネットワークを構築する方法として活用されるのは、ソーシャルサポートネットワークです。インフォーマルなサポート(家族や友人などの私的なサポート)とフォーマルなサポート(自治体や行政などの公的なサポート)を織り交ぜ、繋ぎ合わせてネットワークの構築を行います。元気回復行動プランのことではありませんので誤りです。

5:精神障害を有する当事者の間で考案され、ファシリテーターとして活動する人の養成が行われているのは元気回復行動プラン(WRAP)ですので正解です。
元気回復行動プラン(WRAP)は、元気であり続け、なりたい自分になるために、自分で作る自分のための行動プランです。アメリカの双極性障害の経験者であるメアリーエレン・コープランドを中心に発展しました。ラップファシリテーターは、参加者が安心してラップクラス(グループ)に参加できるようにまとめ役や進行役となります。メアリーエレン・コープランドは、コープランドセンターを設立し、ラップの普及と研修の責任を担っています。ラップファシリテーターは、コープランドセンターの認定資格となっており、養成研修を修了した者に与えられます。

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03

元気回復行動プラン(WRAP)は、アメリカのメアリー・エレン・コープランドが考案したもので、精神症状から立ち直った人に対して調査した結果をもとに考案されました。苦痛や不快な状態をチェックし、対処することで軽減していくシステムです。

1:この記述はアウトリーチを指します。支援者が直接出向いて必要な支援を行います。代表的なものに精神科訪問看護があります。

2:この記述はジョブコーチを指します。仕事内容への適応について援助することに加え、事業所への助言も行う専門職です。

3:この記述は、ソーシャルファームを指します。1970年代に起源を持ち、病院と患者が一緒になって自ら仕事を作りました。

4:この記述は、ソーシャルサポートネットワークを指します。公的資源と地域や友人等から得られるサポートをネットワーク化したものです。

5:元気回復行動プラン(WRAP)では、現在ファシリテーターとして活動する人の養成が行われています。

以上から、正解は5です。

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04

元気回復行動プランとは、アメリカの精神的な困難を持つメアリーエレン・コープランドらが提唱した、元気で前向きに生きるために役に立つ方法としてリカバリーに直結します。ファシリテーターの養成も行われています。

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