精神保健福祉士の過去問
第18回(平成27年度)
人体の構造と機能及び疾病 問83
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問題
第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 人体の構造と機能及び疾病 問83 (訂正依頼・報告はこちら)
国際生活機能分類(ICF)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 対象は、障害のある人に限られる。
- 障害を、社会環境から切り離して捉えている。
- 健康状況とは、課題や行為の個人による遂行のことである。
- 障害を機能障害、能力障害、社会的不利に分類したものである。
- 世界保健機関(WHO)により採択され、国際的に用いられている。
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この過去問の解説 (4件)
01
国際生活機能分類(ICF)は、世界保健機関(WHO)が2001年に採択した人間の生活機能と障害に関する状況の表記を目的とする分類です。「健康状態」「心身機能・身体構造」「活動」「参加」「環境因子」「個人因子」より構成されています。
1:対象は障害のある人に限られているのではなく、すべての人を対象とします。よって誤りです。
ICFの根底となるのは、「生活機能モデル」で、疾病や障害の有無に関わらず、すべての人に関する分類となります。
2:障害を、社会環境から切り離して捉えているのではありません。よって誤りです。
同じ障害があっても「環境因子(社会環境)」と「個人因子」の相互作用によって健康状態が変わると捉えます。
3:課題や行為の個人による遂行は、健康状況ではなく「活動」の説明です。よって誤りです。
ICFの示す健康状態は、生活の機能低下を起こす原因となるものであり、病気や怪我だけではなく、妊娠やストレス、高齢も含みます。妊娠は喜ばしいことではありますが、生活機能に色々な問題を起こしうるものと捉えます。このことからも、ICFが障害のある特定の人のみではなく、すべての人が対象であるとわかります。
4:障害を機能障害、能力障害、社会的不利に分類したのは、国際障害分類(ICIDH)です。ICFではありませんので誤りです。
ICIDHは、障害の捉えかたがマイナスだという批判があり、ICFへ改正されました。ICIDHでは、障害をハンディキャップとし、「できない」という否定的でネガティブな見方でしたが、ICFでは「こうすればできる」というようなポジティブな見方をします。
5:ICFは、世界保健機関(WHO)により採択され、国際的に用いられていますので正解です。
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02
1.ICFは、障害のある人に限らず、すべての人を対象としています。
2.ICFでは、障害を社会環境も含めて捉えています。
3.ICFの健康状況とは、保健システムの責任下にある健康面の水準です。課題や行為の個人による遂行は「活動」の説明です。
4.障害を機能障害、能力障害、社会的不利に分類したのはICIDHです。ICFでは障害を分類するといった考えではなく、健康状態を心身機能と身体構造、活動、参加で表現しています。
5.ICFは、世界保健機関(WHO)により採択され、国際的に用いられています。
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03
4の文章は、ICIDHを示しています。
よって正解は5。
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04
ICF(国際生活機能分類)とは、WHO(世界保健機関)が2001年に採択したもので、国際障害分類(ICIDH)を改定したものです。ICFの生活機能と障害は、心身機能および構造、活動、参加に分類されたうえで、環境因子と個人因子という観点を加えています。
1、ICFでは、障害者に限定せずに、生活に関するすべての人を対象にしています。
2.障害は環境に影響し、環境によって相互に作用しあうとされています。
3、この記述はICFにおける「活動」を表します。健康状況とは、病気や変調のことを指します。
4、この記述は、国際障害分類(ICIDH)を表すものです。ICIDHは1980年に世界保健機関で採択されたもので、障害を機能・能力・社会的不利の三つに分類しました。
5、ICF(国際生活機能分類)は、2001年に世界保健機関(WHO)によって採択されました。
以上のことから、正解は5です。
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