精神保健福祉士の過去問
第18回(平成27年度)
人体の構造と機能及び疾病 問86

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問題

第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 人体の構造と機能及び疾病 問86 (訂正依頼・報告はこちら)

食中毒に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • ノロウイルスに汚染された衣類の消毒には、アルコール消毒が有効である。
  • 腸管出血性大腸菌O-157の感染予防には、食品の加熱処理が有効である。
  • 黄色ブドウ球菌は、ベロ毒素を産生する。
  • 食中毒の原因には、化学物質は含まれない。
  • アニサキス症は、冷凍処理では予防できない。

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この過去問の解説 (4件)

01

正解は2です。

1:ノロウイルスに汚染された衣類の消毒にアルコール消毒は有効ではありませんので誤りです。
ノロウイルスに感染すると急性腸炎を引き起こします。主に冬場に多く発生しますが年間を通して発生します。アルコールや熱に対して抵抗力があるため、アルコール消毒や熱湯消毒は有効ではありません。次亜塩素酸ナトリウムが有効です。

2:腸管出血性大腸菌O-157の感染予防には、食品の加熱処理が有効ですので正解です。
腸管出血性大腸菌O-157は毒性の強いベロ毒素を出す大腸菌の一種です。動物の腸内に生息していて、汚染された食品をや飲料水を摂取することで食中毒を引き起こします。初夏から初秋にかけて発生しやすいです。感染予防には食品の過熱処理が有効です。食品(特に肉類)の中心部分を75℃で1分以上加熱処理するようにします。

3:黄色ブドウ球菌は、ベロ毒素を産生しませんので誤りです。ベロ毒素を産生するのは、腸管出血性大腸菌O-157です。
黄色ブドウ球菌は、顕微鏡で見ると、ぶどうの房のように集まっていることでこの名がついています。
黄色ブドウ球菌は、人や動物の傷口や手指、鼻、のどなどに広く生息しています。健康な人の20〜30%が保菌しているといわれており、エンテロトキシンという毒素を産生します。調理する人の手を介して食品が汚染されることが多いので、調理時は、なるべく素手で扱わないようにラップなどを使うような工夫をします。

4:食中毒の原因には、化学物質も含まれますので誤りです。
食中毒の原因となる科学物質には、人工甘味料、調味料、人口着色料などの食品添加物や食品に混入した水銀、ヒ素などの有害金属などがあり、これらの化学物質が原因で起きることもあります。

5:アニサキス症は、冷凍処理で予防できますので誤りです。
アニサキスは、寄生虫の一種でサバ、イワシ、カツオ、サケ、イカなどの魚介類に寄生します。アニサキスの寄生する魚介類を食べることで食中毒を引き起こします。予防するには、冷凍や加熱が有効です。

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02

1.ノロウイルスには次亜塩素酸ナトリウムが有効と言われています。

2.O‐157の感染予防には、加熱処理が有効とされています。少数の菌でも症状が出現し、毒性の強い大腸菌です。

3. 黄色ブドウ球菌はエンテロトキシン毒素を出します。ベロ毒素はO-157が出す毒素です。

4. 化学性食中毒とは、重金属やカビ毒による汚染、有害食品添加物の混入、変敗に伴う油脂酸化物の生成、ヒスタミン生成菌によるヒスタミンの蓄積などが原因で起こる食中毒のことです。

5.アニサキスは魚に寄生する寄生虫で、冷凍することが予防策として挙げられます。

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03

正解は2です。

1.ノロウイルスの予防には、アルコール消毒は効果がないと言われています。ノロウイルスに汚染された衣類の消毒には、塩素系漂白洗剤が有効です。

2.腸管出血性大腸菌O-157の感染予防には、食品の加熱処理が有効です。

3.黄色ブドウ球菌は、エンテロトキシンと呼ばれる毒素を産生します。ベロ毒素を産生するのは、腸管出血性大腸菌O-157です。

4.化学物質も食中毒の原因となります。

5.魚介類の寄生虫が原因のアニサキス症は、冷凍処理で予防できます。

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04

正解は2です。

1、ノロウイルスは、アルコール消毒は無効とされており、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効です。
 衣類の場合は、次亜塩素酸ナトリウム水で薄めた液につけたあと洗濯洗剤で洗濯します。次亜塩素酸ナトリウムは塩素系漂白剤を薄めて作ることができます。

2、腸管出血性大腸菌O-157は、熱に弱いため加熱処理は有効です。強いベロ毒素を出します。75度以上で1分以上の加熱処理で殺菌可能です。

3、黄色ブドウ球菌は、皮膚や消化管にある常在菌のひとつで、創傷部などから体内に侵入した場合に発病しやすくなります。ベロ毒素を持つのは腸管出血性大腸菌O157です。

4、食中毒には、ウイルスや細菌のほかに、化学性食中毒があり、有害食品添加物の混入や重金属による汚染でも、おこります。

5、アニサキス症は、魚の寄生虫で、冷凍保存で予防します。なお、食する際は、加熱処理することが必要になります。

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