精神保健福祉士の過去問
第18回(平成27年度)
心理学理論と心理的支援 問94
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問題
第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 心理学理論と心理的支援 問94 (訂正依頼・報告はこちら)
心理療法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 自律訓練法は、筋肉を漸進的に弛緩させる技法である。
- 認知行動療法は、転移関係についての解釈と洞察が重要である。
- 家族療法のシステムズ・アプローチでは、家族間の関係性の悪循環を変化させる。
- 来談者中心療法は、夢分析を行い無意識の意識化を促進させる。
- 精神分析療法は、自己認知の変容のために認知再構成法を用いる。
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この過去問の解説 (3件)
01
1:自律訓練法は、自己催眠をかけ、緊張の緩和やストレスの軽減を図ります。筋肉を漸進的に弛緩させるのは、漸進的筋弛緩法です。よって誤りです。
漸進的筋弛緩法は身体の各骨格筋に意識を向けながら、意図的に強く緊張させた後、一気に脱力させることを繰り返します。身体の緊張をほぐすことで心身をリラックスさせるリラクゼーション法です。
2:認知行動療法は、認知(ものの見方や現実の受け止めかた)に働きかけることで、ストレスに対処していく技能を身につける治療法です。転移関係についての解釈と洞察が重要であるのは、精神分析療法です。よって誤りです。
精神分析療法は、フロイトが始めた精神分析を基本とし、クライエントの心の中に浮かび上がる連想から推測し、深層心理に潜む問題の原因の発見を図ります。クライエントが重要な他者に対し過去に抱いた感情や葛藤などを治療者に対して向けることを転移といいます。この転移から治療者は解釈と洞察を行いクライエントの問題解決の手がかりとします。
3:家族療法のシステムズ・アプローチでは、家族間の関係性の悪循環を変化させるので正解です。
家族療法のシステムズ・アプローチは、家族を一つのまとまったシステムと考え、個人ではなく家族全体に目を向け、家族関係の修復を試みます。
4:来談者中心療法では、夢分析を行いませんので誤りです。
来談者中心療法は、来談者の悩みを解決する方法は来談者自身が知っているということを前提としてよく傾聴し、こちらからの指示は出しません。来談者の理想とする自己の成長を支持していきます。
夢分析を行い無意識の意識化を促進させるのは、心理療法の一つである夢分析です。フロイトが考案しました。
5:精神分析療法は、クライエントの心の中に浮かび上がる連想から推測し、深層心理に潜む問題の原因の発見を図ります。自己認知の変容のために認知再構成法を用いるのは、認知行動療法です。よって誤りです。
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02
1、この記述は、筋弛緩法に関するものです。自律訓練法とは、自己催眠の一種でリラクゼーションや不安・緊張に対して行われる心理療法です。
2、認知行動療法は、考え方の歪みを変えていく認知再構成法や、行動によって感情や気分を変えようとするものです。この記述は、精神分析に関する記述です。
3、家族療法のシステムズ・アプローチは家族療法のひとつで、個人の問題としてではなく家族全体を一つのシステムととらえます。システムを変化せることで悪循環を変化させることにつながります。
4、来談者中心療法は、患者自身が課題解決力を持っているという前提に立ち、カウンセラーが分析したりせず、共感的、肯定的に接する方法です。
5、この記述は、認知行動療法に関する記述です。
精神分析療法は、自己洞察を通して深層心理にある問題の解決を図っていきます。
以上のことから、正解は3です。
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03
1.自律訓練法は、自律神経の安定やリラックスをはかる技法です。筋肉を漸進的に弛緩させる技法は、漸進的筋弛緩法です。
2.認知行動療法は、自己認知の変容のために認知再構成法を用います。転移関係についての解釈と洞察が重要なものは、精神分析療法です。
3.家族療法のシステムズ・アプローチは、家族間の関係性の悪循環を変化させる心理療法です。
4.夢分析を行い無意識の意識化を促進させるのは、精神分析療法です。来談者中心療法は、クライエントを一人の人と尊重してカウンセリングを行います。
5.自己認知の変容のために認知再構成法を用いるのは、認知行動療法です。
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