精神保健福祉士の過去問
第18回(平成27年度)
社会理論と社会システム 問100

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問題

第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 社会理論と社会システム 問100 (訂正依頼・報告はこちら)

社会的ジレンマに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • 企業などで生産された財やサービスが貨幣換算されないために、国家のGDPに含まれないことを「外部不経済」という。
  • 犯罪容疑者である共犯者が、逮捕されていない主犯者の利益を考えて黙秘する結果、自分が罪をかぶることを「囚人のジレンマ」という。
  • 社会にとって有用な資源へのアクセスが特定の人に限られていることを「共有地の悲劇」という。
  • ある財やサービスの対価を払うことなく、利益のみを享受する人のことを「フリーライダー」という。
  • 協力的行動の妨害に与える報酬のことを「選択的誘因」という。

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この過去問の解説 (4件)

01

社会的ジレンマとは、社会全体の利益と個人の利益が衝突する際の意思決定等の葛藤状態を指します。

1.外部不経済とは、市場内で行われた経済活動が、外部の個人や企業に悪影響を及ぼす現象のこと。

2.囚人のジレンマとは、個人的には最良な選択でも、全体で見ると必ずしも最良とは言い難い結果になる選択であること。

3.共有地の悲劇とは、だれでも自由に利用していい土地を個人の利益だけを追求して利用した結果、土地が使い果たされてしまうということ。

4.フリーライダーとは、自分は何もせず、恩恵だけ得る人間のこと。

5.選択的誘因とは、全体の利益の生産に貢献したかどうか、またその度合いに応じて、報酬等個人に選択的に与えるもののこと。

以上を踏まえ、社会的ジレンマにかんする記述は4。

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02

正解は4です。

1.「外部不経済」とは、取引の当事者以外に費用や公害などの不利益が及ぶことをいいます。

2.「囚人のジレンマ」とは、全員が自分の利益を優先すると、全員が望ましくない結果となることをいいます。他人のことを考えて、自分が罪をかぶることではありません。

3.「共有地の悲劇」とは、個人が利己的に行動することで、全体の利益が減少してしまうことをいいます。

4.ある財やサービスの対価を払うことなく、利益のみを享受する人のことを「フリーライダー」といいます。

5.協力的行動の妨害に罰を与え、協力的行動に報酬を与え、協力的行動を選択するようにする方法を「選択的誘因」といいます。

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03

正解は4です。

社会的ジレンマとは、個人の合理的な選択や利益が社会としての最適な選択や利益と一致せず、ジレンマ(相反する二つの事の板挟みになり苦しむこと)が生じることをいいます。

1:「外部不経済」とは、経済活動の費用や不利益が取引の当事者以外へ及ぶことです。よって誤りです。

2:「囚人のジレンマ」は、他人の利益のために自分が罪をかぶることではありませんので誤りです。
囚人のジレンマとは、参加者全員で協力すれば全員が得をするのに、自分の利益のみ優先してお互いを裏切ってしまい、逆に全員が損をするというジレンマです。「共犯者である2人の囚人が個別に尋問を受け、2人とも黙秘することが最良なのですが、相手が裏切るのではと言う不安から自分の利益を考えて自白という選択肢を取らされてしまう」というゲーム理論の1つです。
※ゲーム理論とは、複数の意志決定間における戦略的な相互関係を研究する学問です。

3:「共有地の悲劇」とは、有用な資源へのアクセスが特定の人限られていることではありませんので誤りです。
共有地の悲劇は、多数の者が利用できる共有資源が乱獲されることで資源を枯渇させてしまい、共有者全員の利益が減るという経済学における法則のことです。社会的ジレンマの一つでもあります。

4:「フリーライダー」とは、ある財やサービスの対価を払うことなく、利益のみを享受する人のことですので正解です。
フリーライダーは、ただ乗りのことで、コストや負担は他人に負わせ、制度やサービスの利益のみを受ける人を指します。

5:「選択的誘因」とは、個人が集合財(集団行動により提供されるサービス)の供給に貢献したかしなかったにより個人に選択的に適用されるものです。協力的行動の妨害に与える報酬のことではありませんので誤りです。

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04

社会的ジレンマとは、個人がそれぞれの利益を求めて行動することにより、社会が不利益を被る場合に生じる葛藤を指します。個人の利益と社会の利益が一致しないときにジレンマがおきることです。

1、外部不経済とは、マーシャルが提唱したもので、経済活動を行った結果、経済活動の外部にいる個人や企業に不利益を与えることを表します。

2、囚人のジレンマとは、ゲーム理論におけるゲームのひとつです。
協力した方が全体としてよい結果になるとわかっていても、協力しないほうが個人的に得をするという場合では、協力をしなくなるというジレンマを表します。

3、共有地の悲劇とは、多くの人が利用できる共有資源を乱獲してしまうことで、資源の枯渇を招いてしまう経済学の法則です。アクセスするのが特定の人だけというわけではありません。

4、フリーライダーとは、公共財のような非排除性があるサービスについて、対価を支払わないで利益を享受するものを表します。

5、選択的誘因とは、協力してくれる人に対してだけ報酬を与えることを表します。
 
以上のことから、正解は4です。

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