精神保健福祉士の過去問
第18回(平成27年度)
権利擁護と成年後見制度 問162

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問題

第18回(平成27年度) 精神保健福祉士国家試験 権利擁護と成年後見制度 問162 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、成年後見人であるL社会福祉士の法的な権限に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。

〔事 例〕
要介護2の認定を受けていたMさんの認知症が悪化したため、L社会福祉士が、Mさんの成年後見人に選任された。これまで、Mさんは長年住み慣れた借家で、訪問介護を利用し、独居生活を行ってきていたが、認知症の進行に伴って、ガスコンロの消し忘れでボヤをおこすなど、独居生活に不安がみられるようになっている。また、Mさんには白内障がある上、最近は体力も低下しており、体調をくずして家で寝込むことが多くなっている。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3、5です。

1.介護保険施設への強制的な入所については、虐待などの理由により、高齢者の生命や身体に関わる危険性が高く、放置しておくと重大な結果を招くことが予測される場合に、老人福祉法に基づいて市町村が「やむを得ない事由による措置」がとる可能性がありますが、成年後見人である社会福祉士の法的な権限としては、適切とはいえません。

2.借家契約の解約には家庭裁判所の許可が必要です。

3.Mさんの状態の変化を理由に、要介護度の区分変更を申請することは、成年後見人である社会福祉士の法的な権限として適切です。

4.後見人には医療同意権はありません。

5.Mさんの預金を下ろして、過熱防止などの安全装置付ガスコンロに買い替えることは、事例の内容から身上監護のための適切な対応といえます。

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02

正解は3と5です。

1:本人に自傷や自殺企図の恐れがある、虐待されているなどの理由で生命の危険があるのでしたら、強制入院、強制入所の必要性もありますが、そうでなければ本人の意思を尊重することが大切であり強制的な入所は望ましくありません。よって誤りです。

2:Mさんの同意があっても、成年後見人が借家契約を解約するためには、家庭裁判所の許可が必要です。よって誤りです。

3:Mさんの状態の変化に配慮して要介護度の区分変更の申請を行うことは適切ですので正解です。
成年後見人の業務は大きく分けると財産管理業務と身上監護業務がありますが、身上監護としての被後見人の要介護状況に配慮した支援は大切な業務です。

4:後見人には、医療同意権はありませんので、Mさんの白内障手術の同意書へのサイン等はできません。よって誤りです。

5:Mさんの預金を下ろして、過熱防止などの安全装置付きガスコンロに買い替えることは、ボヤなどの発生からMさんを守る適切な身上監護となります。
よって正解です。

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03

1、強制的に入所させる必要がある場合は、措置入所という形で行政が行うことであり、成年後見人の役割とは言えません。

2、不動産に関する契約は、本人の同意のほかに、家庭裁判所の許可が必要です。

3、要介護度の区分変更は、法律行為には当たらないため、代理権の行使として行うことができます。

4、成年後見人に、医療に関する同意権はないとされています。

5、安全装置付きコンロに買い換えることは、火災の防止などの観点から、本人の身を護るという身上監護にあたると考えられます。

以上から、正解は3と5です。

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