精神保健福祉士の過去問
第19回(平成28年度)
精神保健福祉相談援助の基盤 問32
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問題
第19回(平成28年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問32 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問いに答えなさい。
〔事 例〕
ある日、精神保健福祉センターに勤務するE精神保健福祉相談員(精神保健福祉士)(以下「E相談員」という。)のもとに、Fさん(35歳、女性)が相談に訪れた。来所目的を尋ねると、「夫のことで困っているんです。誰にも話せないと思っていましたが、裁判でお世話になった弁護士にこちらを紹介され、勇気を出して相談に来ました」と小さな声で話した。夫のGさん(35歳)は、薬物所持で起訴されて執行猶予の判決を受け、現在は仕事を辞めて自宅にいるという。E相談員は、「夫は相談に一緒に来ようともしないし、どうしてよいか分からない」と涙を流すFさんの話を聞いた。
Fさんは、「これからどうなるか分からないけれど、夫のために、妻としてできることは頑張りたい」と話し、「二度と薬物に手を出さないよう、監視するのが妻の責任だと思います」と厳しい表情を見せた。このようなFさんに対して、E相談員は相談を継続することと、精神保健福祉センターで開催している心理教育を中心とした家族教室への参加を提案した。
それから約3か月が経過したある日、Fさんは夫のGさんを伴って相談に訪れた。E相談員がGさんに来所の理由を尋ねると、「妻が非常に心配しているので、安心させるために仕方なく来ただけです。精神科病院では薬物依存症と診断されましたが、自分は病気だと思っていません。もう二度とクスリは使用しない自信もあるので、相談の必要は感じていないです」とぶっきらぼうに答えた。Fさんが家族教室に参加したり、E相談員との相談を繰り返す中でGさんも徐々に心を開き、「早く以前のように働いて妻を安心させたいけれど、今仕事を始めるとストレスがたまって、またクスリに逃げてしまう気がする。最近、気が付いたらクスリのことを考えているときがあり、正直このままやめ続ける自信がない」と複雑な思いを口にするようになった。(※3)
(※3)の時点で、E相談員がGさんに行う助言として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
ある日、精神保健福祉センターに勤務するE精神保健福祉相談員(精神保健福祉士)(以下「E相談員」という。)のもとに、Fさん(35歳、女性)が相談に訪れた。来所目的を尋ねると、「夫のことで困っているんです。誰にも話せないと思っていましたが、裁判でお世話になった弁護士にこちらを紹介され、勇気を出して相談に来ました」と小さな声で話した。夫のGさん(35歳)は、薬物所持で起訴されて執行猶予の判決を受け、現在は仕事を辞めて自宅にいるという。E相談員は、「夫は相談に一緒に来ようともしないし、どうしてよいか分からない」と涙を流すFさんの話を聞いた。
Fさんは、「これからどうなるか分からないけれど、夫のために、妻としてできることは頑張りたい」と話し、「二度と薬物に手を出さないよう、監視するのが妻の責任だと思います」と厳しい表情を見せた。このようなFさんに対して、E相談員は相談を継続することと、精神保健福祉センターで開催している心理教育を中心とした家族教室への参加を提案した。
それから約3か月が経過したある日、Fさんは夫のGさんを伴って相談に訪れた。E相談員がGさんに来所の理由を尋ねると、「妻が非常に心配しているので、安心させるために仕方なく来ただけです。精神科病院では薬物依存症と診断されましたが、自分は病気だと思っていません。もう二度とクスリは使用しない自信もあるので、相談の必要は感じていないです」とぶっきらぼうに答えた。Fさんが家族教室に参加したり、E相談員との相談を繰り返す中でGさんも徐々に心を開き、「早く以前のように働いて妻を安心させたいけれど、今仕事を始めるとストレスがたまって、またクスリに逃げてしまう気がする。最近、気が付いたらクスリのことを考えているときがあり、正直このままやめ続ける自信がない」と複雑な思いを口にするようになった。(※3)
(※3)の時点で、E相談員がGさんに行う助言として、適切なものを1つ選びなさい。
- 更生保護施設に入所して薬害教育を受けること。
- 公共職業安定所(ハローワーク)に通い求職活動を開始すること。
- 保護観察所で専門的処遇プログラムを受けること。
- ナルコティクス・アノニマス(NA)に参加すること。
- ナラノン(Nar-Anon)に参加して12のステップを学ぶこと。
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この過去問の解説 (3件)
01
×2 . 就職への不安とそれに伴う薬物乱用の再開を不安に思っているGさんに、ただ就職を勧めることはよい方法ではありません。Gさんの気持ちを受容していないこととなるし、負担となって薬物乱用にスリップするようになる可能性があります。
×3 . 現在、Gさんは現在保護観察中ではないため、適用外です。(平成26年から、薬物依存者等の保護観察付執行猶予で、専門的処遇プログラムを受ける事案が増えているようです。)
〇4 . ナルコティクス・アノニマス(NA)は、薬物依存症者のための自助グループです。同じ依存症のメンバーの中で正直な気持ちをオープンに語り合うことで、回復と再犯の防止を促していきます。
×5 . ナラノン(Nar-Anon)は薬物依存の問題を持つ人や友人のための自助グループです。本人のためのグループは、上記のNAです。
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02
1.更生保護施設は、帰住先のない保護観察中の人が入所するところです。GさんはFさんと一緒に暮らしていることが事例から読み取れるため、適切な回答とはいえません。
2.Gさんの主の悩みはクスリのことであり、求職活動ではないため、適切な回答とはいえません。
3.Gさんの判決は執行猶予であり、保護観察が付されているかどうかは事例から読み取れないため、適切な回答とはいえません。
4.NAは、薬物に悩みをもつ当事者同士が集まるセルフヘルプグループです。設問の時点でNAを紹介することは適切です。
5.ナラノン(Nar-Anon)は薬物に悩みをもつ当事者の家族同士が集まる家族会です。Gさんへの紹介としては適切ではありません。
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03
Gさんは自宅に戻っており、Fさんと生活できていることから、該当しません。
2、Gさんは「仕事を始めるとストレスがたまって、またクスリに逃げてしまう気がする」と不安を吐露しており、この段階で、求職活動を勧めることは適切ではありません。
3、Gさんは、保護観察中かどうかはこの文章から判断できないため、適切ではありません。
4、ナルコティクス・アノニマス(NA)は、薬物依存を解決したい人が集まる自助グループです。
当事者が集まるグループで、適切な助言と考えられます。
5、ナラノン(NA)は、薬物依存の家族が主に集まるグループで、当事者が集まるグループではありません。
以上から、正解は4です。
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