精神保健福祉士の過去問
第19回(平成28年度)
精神保健福祉相談援助の基盤 問34
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問題
第19回(平成28年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問34 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問いに答えなさい。
〔事 例〕
Hさん(26歳、男性)は、融通が利かず冗談を真面目に受け取ってしまい、場に合った行動をとれないため、人付き合いが苦手であった。対人関係でうまくいかないことはあったが大学を卒業し、就職は志望通りの会社に決まった。配属先では、パソコンでの作業が中心で、自分のペースで仕事を進めることができた。上司Jさんは、Hさんに仕事について丁寧に説明し、本人が納得するやり方で仕事ができるように配慮していた。Hさんの良さをJさんが評価していたこともあり、粘り強い姿勢や集中力は、同僚たちからも一目置かれるほどだった。Hさん自身も仕事にやりがいを感じていた。
就職4年目に大きな変化が起こった。新しくKさんが上司として赴任し、部下の一人一人に目標を考えさせ、臨機応変に動くように求めた。また、Hさんは初めて新入社員の教育担当係となり負担が増えた。自分でどうしてよいか判断に困ったHさんは、ささいなミスが続き、不眠にも悩まされるようになった。Hさんの変化に気付いた同僚が、かつての上司Jさんに連絡した。心配したJさんは、Kさんに相談した上でHさんから話を聞き、一緒に職場の健康管理センターを訪れた。落ち着きなく、「すぐにでも退職したい」と訴えるHさんに、L精神保健福祉士が初回面接を行った。その後、Hさんは、家族に付き添われVクリニックを受診し、広汎性発達障害の診断を受け、休職をすることになった。休職中もHさんは、L精神保健福祉士との面接を継続していたが、Hさんは、「何をしてもうまくいかない」と繰り返し訴えていた。
(※2)
Hさんは、Vクリニックの発達障害の治療プログラムに参加し始めた。休職から4か月が過ぎ、「自分で考え臨機応変に動くのは苦手だが、手順が分かる仕事は人より得意だ」と話すようになった。主治医から復職許可も出て、笑顔が見られるようになったHさんは、「そろそろ仕事に戻りたい」とL精神保健福祉士に語った。
L精神保健福祉士が、(※2)の時点で行う援助活動として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Hさん(26歳、男性)は、融通が利かず冗談を真面目に受け取ってしまい、場に合った行動をとれないため、人付き合いが苦手であった。対人関係でうまくいかないことはあったが大学を卒業し、就職は志望通りの会社に決まった。配属先では、パソコンでの作業が中心で、自分のペースで仕事を進めることができた。上司Jさんは、Hさんに仕事について丁寧に説明し、本人が納得するやり方で仕事ができるように配慮していた。Hさんの良さをJさんが評価していたこともあり、粘り強い姿勢や集中力は、同僚たちからも一目置かれるほどだった。Hさん自身も仕事にやりがいを感じていた。
就職4年目に大きな変化が起こった。新しくKさんが上司として赴任し、部下の一人一人に目標を考えさせ、臨機応変に動くように求めた。また、Hさんは初めて新入社員の教育担当係となり負担が増えた。自分でどうしてよいか判断に困ったHさんは、ささいなミスが続き、不眠にも悩まされるようになった。Hさんの変化に気付いた同僚が、かつての上司Jさんに連絡した。心配したJさんは、Kさんに相談した上でHさんから話を聞き、一緒に職場の健康管理センターを訪れた。落ち着きなく、「すぐにでも退職したい」と訴えるHさんに、L精神保健福祉士が初回面接を行った。その後、Hさんは、家族に付き添われVクリニックを受診し、広汎性発達障害の診断を受け、休職をすることになった。休職中もHさんは、L精神保健福祉士との面接を継続していたが、Hさんは、「何をしてもうまくいかない」と繰り返し訴えていた。
(※2)
Hさんは、Vクリニックの発達障害の治療プログラムに参加し始めた。休職から4か月が過ぎ、「自分で考え臨機応変に動くのは苦手だが、手順が分かる仕事は人より得意だ」と話すようになった。主治医から復職許可も出て、笑顔が見られるようになったHさんは、「そろそろ仕事に戻りたい」とL精神保健福祉士に語った。
L精神保健福祉士が、(※2)の時点で行う援助活動として、適切なものを1つ選びなさい。
- ネットワーキング
- ピアサポート
- エンパワメント
- ケアマネジメント
- コンサルテーション
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この過去問の解説 (3件)
01
1.ネットワーキングとは、地域の社会資源や相互のつながりを活用するものです。設問の段階では初回面接ということもあり、ネットワーキングを行う段階とはいえません。
2.ピアサポートとは、同じような体験をした人が対等な関係で支えあうことをいいます。設問の段階では、Hさんと同じような境遇の人は読み取れないため、適切な回答とはいえません。
3.エンパワメントとは、無力な状態に陥っているクライエントに対して、自ら問題を解決できるようにしていくアプローチです。事例ではHさんが「何をしてもうまくいかない」と繰り返し訴えていることから、エンパワメントなアプローチで援助活動を行うことが望ましいといえます。
4.ケアマネジメントとは、自己決定の原則に基づいて、クライエントとサービスを結びつける援助活動です。初回面接のこの段階では、エンパワメントアプローチを優先する方が望ましいといえます。
5.コンサルテーションとは、他の専門職等に専門職の知見を提供することをいいます。事例からは他の専門職に知見を提供する必要性が読み取れないため、適切な回答とはいえません。
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02
×2 . 「ピアサポート」 は、ピア(仲間)による支援を示します。自助グループやピアカウンセリングなど、同じような疾患や経験を経た人たちの援助を受けることによって、一人ではないという思いや経験的な知恵などを得ることが出来ます。ここでは、まだ示されていません。
〇3 . 「エンパワメント」 は、直訳すると「力をつけること」です。クライエント自らが持っている強さや長所、能力に注目し、クライエント自身が自主的意欲的に行動できるように援助をします。
×4 . 「ケアマネジメント」 は、利用者のニーズや状況を把握し、地域にある社会資源やサービスを適切に受けることが出来るように、調整していくことです。この事例では、ケアマネジメントについての言及はありません。
×5 . 「コンサルテーション」は、利用者に関わるスタッフが、関連する他の分野の専門家から助言や指導を受け、新しい知識や技術を得ることです。援助技術を習得する方法ですが、援助活動ではありませんし、ここでそれについて話しているわけではありません。
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03
1、ネットワーキングは、支援するために医療や福祉などのサービスを結びつけることです。
Hさんの意向を聞かないままにネットワーキングをすることが適切とは言えません。
2、ピアサポートは、病気や障害を持つ当事者同士が悩みや経験をお互いに話したり共有することによって、お互いに支えあうことです。
※2では、ピアサポートに関することは読み取れません。
3、エンパワーメントは、その人自身がもともと持っている長所や能力などに対して、意欲を持てるように支援していくことです。
4、ケアマネジメントは、個別のニーズを把握し、ニーズに合うサービスや資源を使えるように調整することです
※2では、まだ個別のニーズを把握することは読み取れません。
5、コンサルテーションは、専門職が他の専門職に対して、専門的な知識や助言を行うことです。
※2では、コンサルテーションに関する記述は読み取れません。
以上から、正解は3です。
、
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