精神保健福祉士の過去問
第19回(平成28年度)
精神保健福祉相談援助の基盤 問35
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問題
第19回(平成28年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問35 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問いに答えなさい。
〔事 例〕
Hさん(26歳、男性)は、融通が利かず冗談を真面目に受け取ってしまい、場に合った行動をとれないため、人付き合いが苦手であった。対人関係でうまくいかないことはあったが大学を卒業し、就職は志望通りの会社に決まった。配属先では、パソコンでの作業が中心で、自分のペースで仕事を進めることができた。上司Jさんは、Hさんに仕事について丁寧に説明し、本人が納得するやり方で仕事ができるように配慮していた。Hさんの良さをJさんが評価していたこともあり、粘り強い姿勢や集中力は、同僚たちからも一目置かれるほどだった。Hさん自身も仕事にやりがいを感じていた。
就職4年目に大きな変化が起こった。新しくKさんが上司として赴任し、部下の一人一人に目標を考えさせ、臨機応変に動くように求めた。また、Hさんは初めて新入社員の教育担当係となり負担が増えた。自分でどうしてよいか判断に困ったHさんは、ささいなミスが続き、不眠にも悩まされるようになった。Hさんの変化に気付いた同僚が、かつての上司Jさんに連絡した。心配したJさんは、Kさんに相談した上でHさんから話を聞き、一緒に職場の健康管理センターを訪れた。落ち着きなく、「すぐにでも退職したい」と訴えるHさんに、L精神保健福祉士が初回面接を行った。その後、Hさんは、家族に付き添われVクリニックを受診し、広汎性発達障害の診断を受け、休職をすることになった。休職中もHさんは、L精神保健福祉士との面接を継続していたが、Hさんは、「何をしてもうまくいかない」と繰り返し訴えていた。
Hさんは、Vクリニックの発達障害の治療プログラムに参加し始めた。休職から4か月が過ぎ、「自分で考え臨機応変に動くのは苦手だが、手順が分かる仕事は人より得意だ」と話すようになった。主治医から復職許可も出て、笑顔が見られるようになったHさんは、「そろそろ仕事に戻りたい」とL精神保健福祉士に語った。(※3)
L精神保健福祉士が、(※3)の時点でHさんに行う提案として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Hさん(26歳、男性)は、融通が利かず冗談を真面目に受け取ってしまい、場に合った行動をとれないため、人付き合いが苦手であった。対人関係でうまくいかないことはあったが大学を卒業し、就職は志望通りの会社に決まった。配属先では、パソコンでの作業が中心で、自分のペースで仕事を進めることができた。上司Jさんは、Hさんに仕事について丁寧に説明し、本人が納得するやり方で仕事ができるように配慮していた。Hさんの良さをJさんが評価していたこともあり、粘り強い姿勢や集中力は、同僚たちからも一目置かれるほどだった。Hさん自身も仕事にやりがいを感じていた。
就職4年目に大きな変化が起こった。新しくKさんが上司として赴任し、部下の一人一人に目標を考えさせ、臨機応変に動くように求めた。また、Hさんは初めて新入社員の教育担当係となり負担が増えた。自分でどうしてよいか判断に困ったHさんは、ささいなミスが続き、不眠にも悩まされるようになった。Hさんの変化に気付いた同僚が、かつての上司Jさんに連絡した。心配したJさんは、Kさんに相談した上でHさんから話を聞き、一緒に職場の健康管理センターを訪れた。落ち着きなく、「すぐにでも退職したい」と訴えるHさんに、L精神保健福祉士が初回面接を行った。その後、Hさんは、家族に付き添われVクリニックを受診し、広汎性発達障害の診断を受け、休職をすることになった。休職中もHさんは、L精神保健福祉士との面接を継続していたが、Hさんは、「何をしてもうまくいかない」と繰り返し訴えていた。
Hさんは、Vクリニックの発達障害の治療プログラムに参加し始めた。休職から4か月が過ぎ、「自分で考え臨機応変に動くのは苦手だが、手順が分かる仕事は人より得意だ」と話すようになった。主治医から復職許可も出て、笑顔が見られるようになったHさんは、「そろそろ仕事に戻りたい」とL精神保健福祉士に語った。(※3)
L精神保健福祉士が、(※3)の時点でHさんに行う提案として、適切なものを1つ選びなさい。
- リワークプログラムに参加して、さらに訓練を続けてみましょう。
- もっと他に自分に合う仕事がないか、探してみましょう。
- もう少し休む期間を延ばすよう、お願いしてみましょう。
- 職場で配慮してもらいたいことを、自分で整理してみましょう。
- Kさんの異動願いを、人事部に相談に行きましょう。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.主治医から復職許可が出て、仕事に戻りたいと意欲を見せているHさんに対して、リワークプログラムなどの訓練を続けることを提案することは適切ではありません。
2.「手順が分かる仕事は人より得意だ」と話していることから、違う仕事を探すように提案することは適切ではありません。
3.主治医から復職許可が出て、仕事に戻りたいと意欲を見せているHさんに対して、もう少し休む期間を延ばすように提案することは適切ではありません。
4.この段階で職場に伝えたいことを整理することは適切な提案です。
5.事例から異動したいというKさんの思いは読み取れないため、適切な回答ではありません。
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02
×2 . 仕事内容が合わなかったことが不適応の原因ではないと思われます。
×3 . 本人がやる気を示しているので、そのタイミングは大切です。不用意に休職期間を延ばすのは適切ではありません。
〇4 . 本人の得意・不得意が自覚されてきました。職場に適応できるために、周囲の環境調整でうまくいくことも多々あります。本人への課題として、「職場で配慮してもらいたいことを整理してみる」ことは適切です。
×5 . Kさんの現状は、ただ異動すればうまくいくというような問題ではないようです。またKさん自身、異動の希望が出ていないので、ただちに異動を相談することは適切ではないと思われます。
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03
1、リワークプログラムは、復職前のリハビリテーションであり、すでに復職許可が出ており、意欲もあるHさんには、適切とは言えません。
2、Hさんは「仕事に戻りたい」意欲を見せていることから、違う仕事についての言及は読み取れません。
3、復職許可が出て、Hさんも意欲が出ているときに、さらに休みを延長するのは適切ではありません。
4、Hさんの得手不得手をもとに、配慮してほしいことを整理することは、復職にあたり適切な援助と言えます。
5、Hさんは得手不得手を理解できるようになりましたが、Hさんの意思として異動したいか否かは、本問からは読み取れません。
以上から、正解は4です。
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