精神保健福祉士の過去問
第19回(平成28年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問47
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問題
第19回(平成28年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問47 (訂正依頼・報告はこちら)
ノーマライゼーションに立脚した精神保健福祉士の支援に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
- 一人暮らしを希望する精神障害者の服薬アドヒアランスを高めるために、心理教育の受講を促した。
- 高齢者が内科疾患で入院していた際に物忘れが始まったので、精神科病院への転院の手続きを行った。
- 家族と同居している精神障害者がグループホームで生活できるように、生活訓練を受けてみるよう伝えた。
- 精神障害者が認知の歪みを改善し適応的な行動がとれるように、認知行動療法を受けるよう勧めた。
- 発達障害者の聴覚過敏の対処のために耳栓を使用できるように、職場の了解を得た。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.服薬アドヒアランスとは、服薬の必要性を認識することです。ノーマライゼーションの概念とは関係がありません。
2.ノーマライゼーションは施設ではなく、地域でありのままの生活ができるようにすることを目指す理念です。物忘れが始まったという理由で、精神科病院への転院の手続きを行うことは、ノーマライゼーションの理念に逆行しています。
3.家族と同居生活している精神障害者をグループホームで生活できるように訓練することは、ノーマライゼーションの理念に逆行しています。
4.認知行動療法は訓練の一手法であり、ノーマライゼーションの概念とは関係がありません。
5.発達障害者の聴覚過敏の対処のために耳栓を使用できるように、職場の了解を得ることは、耳栓をすることで聴覚過敏の症状がない人と近い環境で仕事ができる状況となるため、ノーマライゼーションに立脚した適切な支援といえます。
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02
×1 . 服薬アドヒアランスを高めるために、心理教育の受講をすることは有効と思われます。しかし、直接生活そのものの援助ではないので、ノーマライゼーションに立脚した支援として選択することは適切ではありません。
×2 . 病院から違う病院への紹介を行うことは、リファー(リファーラル)です。ノーマライゼーションではありません。
×3 . 生活訓練は、施設や病院から退所、退院した人の地域生活への移行を目指した訓練です。ノーマライゼーションは、訓練して障害者が地域社会に合わせるというよりは、むしろ障害者が生活しやすい社会を実現する方向であるので、これを選択することは適切とは言えません。
×4 . 認知行動療法は、人の認知(考え)、行動、感情、身体反応などの関連を観察し、考えや行動の変容を図ることによって社会生活の生きづらさを軽減し、生きやすいように変えていく心理療法のひとつです。ノーマライゼーションと直接関係があるわけではありません。
〇5 . 聴覚過敏で職場適応がむずかしいタイプの発達障害者には、その対処のために耳栓を使用することで、安心して職務に取り組むことが出来るケースがあります。そのように、特性に配慮した環境を提供することは、ノーマライゼーションの理念に合っています。
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03
本設問で取り上げられている「ノーマライゼーション」とは障がい等を持っている人を特別視せず、皆が同じ地域社会で暮らしていけるようにするという考え方の事を言います。このワードの意味を理解しておく事で正答にたどりつく事が可能となります。
不適切です。選択肢の中に出てくる「服薬アドヒアランス」とは、患者が医師の指示通りに処方された薬を用いて積極的に治療に取り組む事を言います。ノーマライゼーションに立脚した支援とは言えません。
不適切です。ノーマライゼーションの視点から言えば、入院先から地域社会の生活へ移行できるよう支援する事が必要です。精神科病院への転院手続きについて、高齢者自身の希望も踏まえているとは言えず、ノーマライゼーションの考え方にも沿っていないため適切な内容とは言えません。
不適切です。ノーマライゼーションの視点に基づき支援するのであれば、現在同居している家族と地域でそのまま生活できるように働きかける事が必要です。
不適切です。認知行動療法は、その人自身のものの考え方に働きかけ、気持ちを楽にする心理療法の事を言います。ノーマライゼーションの考え方に立脚した支援内容とは言えません。
適切な内容です。耳栓を使用する事で聴覚過敏に対する対処が出来、職場で仕事ができるように配慮する事は、ノーマライゼーションの視点に基づいた支援内容と言えます。
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