精神保健福祉士の過去問
第19回(平成28年度)
心理学理論と心理的支援 問93

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問題

第19回(平成28年度) 精神保健福祉士国家試験 心理学理論と心理的支援 問93 (訂正依頼・報告はこちら)

系統的脱感作法の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 自分や周囲に対して過度に否定的で、挫折感に浸っている不安やうつなどの気分障害のクライエントに対して、考え方や感じ方を肯定的な方向に変化させていく。
  • 受動的注意集中状態下で、四肢の重感、四肢の温感、心臓調整、呼吸調整、腹部温感、額部涼感を順に得ることで、心身の状態は緊張から弛緩へ切り替えられる。
  • 「すべての人に愛されねばならない」という非合理的な信念を、「すべての人に愛されるにこしたことはない」という合理的な信念に修正していく。
  • 観察者はお手本(モデル)となる他者の行動を観察することで、新しい行動を獲得したり、既存の行動パターンを修正する。
  • クライエントは、個別に作成された不安階層表を基に、リラックスした状態下で不安の誘発度の最も低い刺激から徐々に刺激が増やされ、段階的に不安を克服していく。

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この過去問の解説 (3件)

01

系統的脱感作法(けいとうてきだつかんさほう)は、行動療法の技法のひとつです。

×1 . 「否定的な考え方があり、挫折感に浸っている不安やうつなどの気分障害のクライエントに対して、考え方や感じ方を肯定的な方向に変化させていく」これは、「認知行動療法」です。

×2 . これは、「自律訓練法」です。シュルツによって考案された自己暗示によるセルフコントロールの方法のひとつです。「気持ちが落ち着いている」ことや「手足の緊張を緩める」など、身体のリラックスした状態を暗示によって整えていきます。

×3 . 「非合理的な信念を合理的な信念に修正していく」のは、「認知行動療法」です。

×4 . 「モデルとなる他者の行動を観察することで、新しい行動を獲得したり、既存の行動パターンを修正する。」のは、「モデリング」です。

〇5 . 「不安や恐怖を生じさせる現象について、不安階層表を基に、リラックスした状態下で不安の誘発度の最も低い刺激から徐々に刺激が増やされ、段階的に不安を克服していく」のが、ウォルピが考案した「系統的脱感作法」です。

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02

1.誤り。「強いストレス、うつ」のキーワードより認知行動療法であると考えます。認知行動療法は認知に働きかけて気持ちを楽にする行動療法です。

2.誤り。説明文の内容は自律訓練法の説明になります。自己催眠により意識的に睡眠状態を作り自律神経のバランスを回復させます

3.誤り。説明文の内容は論理情動認知行動療法の説明になります。非合理な信念をカウンセリングで変えて合理的な信念に修正していきます。

4.誤り。説明文の内容に「モデル」というキーワードがありますのでモデリング法になります。
読んで字の通りモデルの行動を見て同じような動作を獲得していくことです。

5.正しい。系統法脱感作法とは行動療法の1つ。考案者は精神科医ジョセフウォルピ。不安や恐怖などをイメージした状態で筋弛緩法によりクライエントがリラックスできる状態を作っていきます。
慣れたところで、もう少し強い不安というように少しずつ高めていき最終的にはクリアできるようにイメージトレーニングを重ねます。
例えば○○が苦手というクライエントの場合、最終目標を10として1~10まで難易度を設定します。
1は最も易しく『苦手な○○の写真を見る』から始まり10の最終目標は『苦手な○○に触れる』のように1~10の克服したい内容を簡単な物から並べます。
この表が『不安階層表』と呼ばれ系統的脱感作法とセットで出てくる用語です。

以上により選択肢5が正解となります。

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03

正解は5です。

1.不安や否定的な考え方を肯定的な方向に変化させていくことから、認知療法、認知行動療法の説明といえます。

2.身体に受動的に注意を向けていくことから、自律訓練法の説明といえます。

3.非合理的な考え方を合理的なものに修正していくことから、論理療法の説明といえます。

4.モデルの行動を観察することから、モデリング法の説明といえます。

5.系統的脱感作法では、個別に作成された不安階層表をもとに、リラックスした状態下で不安の誘発度の最も低い刺激から徐々に刺激を増やし、段階的に不安を克服していきます。

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