精神保健福祉士の過去問
第19回(平成28年度)
心理学理論と心理的支援 問94
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問題
第19回(平成28年度) 精神保健福祉士国家試験 心理学理論と心理的支援 問94 (訂正依頼・報告はこちら)
カウンセラーの次の発言のうち、来談者中心療法における「受容」の応答例として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 「進路選択の相談であれば、隣町にあるキャリア支援センターに行かれたらどうでしょうか。そこでは就職先の紹介のほかに、相談にも乗ってくれますよ」
- 「あなたご自身が体験され苦痛を感じたいくつかの話をお聴きし、私は今あなたが辛い思いをされているのが分かります」
- 「自分探しであちこち旅をされていますが、もうそろそろどこかで落ち着かれた方が良いのではないかと私は思います」
- 「あなたはこの町でもっと人と関われば、この町がきっと好きになりますよ。それはそんなに難しいことではありませんよ」
- 「亡くなられたあなたのお母さんがあなたにはいつも優しかったように、私の母親も私には特別優しかったですねぇ。今も涙が出てきそうです」
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この過去問の解説 (3件)
01
×1 . クライエントの進路選択の迷いに対して、情報提供を行っています。受容ではないです。
〇2 . クライエントの話を傾聴し要約したうえで、つらい気持ちを受容しています。
×3 . クライエントの話について、カウンセラーが「私は思います」と助言を与えています。特に、クライエントについて受容的な発言ではありません。
×4 . クライエントを安心させようという意図はあるのかも知れませんが、クライエントの不安な気持ちなどを受容している発言ではありません。
×5 . クライエントの発言について、自分自身に照らし合わせて気持ちを語っています。クライエント自身の話についての受容の発言ではありません。
ロジャーズの理論によれば、カウンセラーの3条件は、①無条件の肯定的関心(尊重)、②自己一致、③共感的理解であり、受容はクライエントに対して無条件の肯定的関心を示すこととされています。
ロジャーズの来談者中心療法については、今日評価が分かれるところですが、対人援助の基礎とされることが多いです。
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02
このような問題の場合は、よく読んでみると消去法で答えをある程度までしぼることが出来ます。
来談者中心療法はロジャースが提唱しました。
クライエント中心療法と呼ばれることもあるように、受容・共感・自己一致を主にしています。
カウンセリングの基礎となる療法です。
カウンセラーはクライエントの話に耳を傾け、決して指示をしたり助言をすることはせず、クライエント自らが考え、あるがままの自分を受け入れることが重要です。
受容とは:無条件の肯定的配慮と言いクライエントの全てを無条件に受け入れる姿勢のことです。
1.誤り。カウンセラー自身が受け止めず情報提供をしています。情報提供先で相談して下さいと丸投げしていますので誤りです。
2.正しい。クライエントの気持ちを受け止めて~のような思いをしているのが分かります、と無条件に受け入れています。
3~5.いずれの説明も受容の応対例としては誤りです。
以上により選択肢2が正解となります。
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03
1.「キャリア支援センターに行かれたらどうでしょうか」と提案を行っているため、適切ではありません。
2.クライアントの話に添って「辛い思い」を共感しているため、「受容」の応答例として最も適切といえます。
3.「もうそろそろどこかで落ち着かれた方が良いのではないかと私は思います」とカウンセラーの主観を伝えているため、適切ではありません。
4.「この町でもっと人と関われば、この町がきっと好きになりますよ。」とカウンセラーから働きかけを行っているため、適切ではありません。
5.「私の母親も私には特別優しかったですねぇ。今も涙が出てきそうです」というのは、クライアントの話ではなく、カウンセラー自身の経験に添ったものになっています。そのため最も適切な応答例とはいえません。
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