精神保健福祉士の過去問
第19回(平成28年度)
社会理論と社会システム 問100

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問題

第19回(平成28年度) 精神保健福祉士国家試験 社会理論と社会システム 問100 (訂正依頼・報告はこちら)

社会的役割に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 役割適応とは、個人が他者との相互作用を通じて自我を内面化する過程である。
  • 役割期待とは、個人の行動パターンに対する他者の期待を指し、規範的な意味を持つ。
  • 役割演技とは、個人が様々な場面にふさわしい役割を無意識のうちに遂行することを意味する。
  • 役割葛藤とは、役割の内容が自分の主観と一致しないことによって生じる困難のことである。
  • 役割距離とは、個人の内部で異なる社会的役割が対立し、両立しない状態を指す。

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この過去問の解説 (3件)

01

社会的役割(social role)とは、ミードが提唱した概念で、社会参加によって個人が獲得した行動パターンにそなわる態度のことを言います。

×1 . 役割適応とは、人が社会システムの中で与えられた役割やその役割への期待をどう遂行するか、ということです。個人が他者との相互作用を通じて自我を内面化する過程は、「役割取得」と呼びます。

〇2 . 役割期待とは、個人の行動パターンに対する他者の期待を指し、規範的な意味を持ちます。また、個人に対して、他者や社会システムから担うように期待されている役割を指すのが一般的です。

×3 . 役割演技とは、個人が様々な場面にふさわしい役割を意識的に遂行することを意味します。無意識的ではありません。

×4 . 役割葛藤とは、本人が新しい役割を担ったり、役割が変わっていく際に、外部からの期待や役割の内容が、自分の中で矛盾したり、対立したりすることです。この選択肢のように、自分の主観との不一致もありますが、それだけでは不十分です。

5 . 役割距離とは、他者や外部からの役割期待をそのまま遂行せず、信頼関係が崩れないようにずらして遂行することです。ゴッフマンの提唱した概念です。

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02

正解は2です。

1.役割適応とは、個人が他者との相互作用を通じて、共通の社会規範を内面化する過程です。

2.役割期待とは、個人の行動パターンに対する他者の期待を指し、規範的な意味を持ちます。

3.役割演技には、意識的に遂行することも含まれます。

4.役割葛藤とは、個人の内部で異なる社会的役割が対立し、両立しない状態を指します。

5.役割距離とは、役割の内容が自分の主観と一致しないことによって生じる困難のことです。

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03

社会的役割とは人間の行為を説明するためにGHミードにより展開された概念。
役割には何種類かあります。過去にも良く出ている問題です。
期待、取得、衛生、距離、交換、葛藤、猶予、分化、認知です。全て頭文字に『役割』がつきます。


1.誤り。個人が他社との相互作用を通じて自我を内面かすることは役割取得と言います。

2.正しい。役割期待は相互関係の中で認知された役割に寄せられる暗黙の期待の事です。

3.誤り。役割演技とは現実に起こる場面を想定してそれぞれが役を演じ実際に起こったときに対応する力を付けることです。ロールプレイともいいます。

4.誤り。

5.誤り。役割距離は自分が担う役割に期待される行動様式に対しての抵抗を指します。

以上により選択肢2が正解となります。

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