精神保健福祉士の過去問
第19回(平成28年度)
社会理論と社会システム 問101

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問題

第19回(平成28年度) 精神保健福祉士国家試験 社会理論と社会システム 問101 (訂正依頼・報告はこちら)

ラベリング論の説明として、正しいものを1つ選びなさい。
  • 機能主義的な立場から順機能・逆機能、顕在的機能・潜在的機能といった概念を導入しつつ、逸脱や逸脱行動を説明する立場である。
  • 地域社会にある文化摩擦に着目し、社会解体がその地域の犯罪などを生み出すとみる立場である。
  • 資本主義社会における生産関係の矛盾から派生してくるものが社会的逸脱であるとみる立場である。
  • 周囲の人々や社会統制機関などが、ある人々の行為やその人々に対してレッテルを貼ることによって、逸脱は作り出されるとみる立場である。
  • 犯罪や非行などの社会問題は、下位集団文化の中で学習され、その文化を通じて世代から世代へと伝承されていくとみる立場である。

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この過去問の解説 (3件)

01

現代社会学における逸脱行動論の説明です。犯罪等の逸脱行為を説明しようとして生まれたものです。
×1 . 選択肢は、マートンの「社会緊張理論」です。「アノミー理論」とも呼ばれ、社会構造が特定の圧力を一部の人々に加えられることによって、逸脱行動が選択されていると理論づけられています。

×2 . 説明は「社会解体論」です。初期シカゴ学派のトマスの研究などが有名です。発展して、「割れ窓理論」などが有名です。割れ窓理論とは、窓ガラスが割れていたり、乱れている環境の中では、少しくらい悪いことをしてもいいだろうという意識の下で犯罪などが起こりやすくなる、という説です。

×3 . 資本主義社会における生産関係の矛盾から派生してくるものが社会的逸脱であるとみる立場は、「コンフリクト理論」(コンフリクト=葛藤)と呼ばれます。マルクス主義やシカゴ学派の影響を受けて生まれました。

〇4 . 周囲の人々や社会統制機関などが、ある人々の行為やその人々に対してレッテルを貼ることによって、逸脱は作り出されるとみる立場は、ラベリング論と呼ばれます。ラベリング=ラベルを貼ることで、瓶にラベルを貼るように、人にいいラベルを貼られるか、悪いラベルを貼られるかによって、その人の行動も変わってくるだろうというものです。

×5 . 犯罪や非行などの社会問題は、下位集団文化の中で学習され、その文化を通じて世代から世代へと伝承されていくとみる立場は、「文化学習理論」と呼ばれます。

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02

ラベリング理論とは社会学者HSベッカーの理論です。
ラベル=レッテルを貼る。貼られたラベルのような行動を取る。
ラベリング理論は社会から逸脱した行為を行う人は、その人の逸脱行為の動きや原因を問題とするのではなく周囲の人がその人にラベルを貼ることにより逸脱者と考えました。
この問題は1~5までの選択肢がかなり難しい内容になっており読んでいるだけで頭が痛くなってしまうかも知れませんが正解が選択肢の中に書いてあります。
ずばり「レッテルを貼る」です。ラベリング=レッテルを貼るがキーワードです。
これを知っていれば答えを導く事が出来ます。

以上により選択肢4が正解となります。

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03

正解は4です。

1.機能主義的な立場から順機能・逆機能、顕在的機能・潜在的機能といった概念を導入しつつ、逸脱や逸脱行動を説明する立場をとったのは、社会緊張理論です。

2.地域社会にある文化摩擦に着目し、社会解体がその地域の犯罪などを生み出すとみる立場は、統制理論です。

3.資本主義社会における生産関係の矛盾から派生してくるものが社会的逸脱であるとみる立場は、マルクスに関する理論です。

4.ラベリング論では、周囲の人々や社会統制機関などが、ある人々の行為やその人々に対してレッテルを貼ることによって、逸脱は作り出されるとみる立場をとります。

5.犯罪や非行などの社会問題は、下位集団文化の中で学習され、その文化を通じて世代から世代へと伝承されていくとみる立場は、文化学習理論です。

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