精神保健福祉士の過去問
第19回(平成28年度)
地域福祉の理論と方法 問114

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問題

第19回(平成28年度) 精神保健福祉士国家試験 地域福祉の理論と方法 問114 (訂正依頼・報告はこちら)

日本における地域福祉の前史に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • 頼母子講(タノモシコウ)は、共済的・金融的機能を持ち、経済的救済を目的とした組織のことをいう。
  • 七分積金制度は、生活に困窮する者の救済を目的とした儒教的徳治主義を象徴とする天皇の慈恵政策のことをいう。
  • 五保の制は、生活に困窮する者がいた場合には、まずは親族間での相互扶助を重視した制度のことをいう。
  • 結は、江戸幕府の下で町人の負担する町の経費を節約した額の中から積立てをして、貧民や孤児を救済した制度のことをいう。
  • 戸令(コリョウ)は、五戸を一組として、共助の機能を持った農耕と貢納のための組織のことをいう。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

1.頼母子講は、共済的・金融的機能を持ち、経済的救済を目的とした組織のことをいいます。

2.七分積金制度は、江戸幕府の下で町人の負担する町の経費を節約した額の中から積立てをして、貧民や孤児を救済した制度のことをいいます。

3.五保の制は、五戸を一組として、共助の機能を持った農耕と貢納のための組織のことをいいます。

4.結は、集落において労働力を交換しあってお互いに作業を手伝うことです。

5.戸令とは、地方行政と民衆が守るべきことを定めたものです。

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02

日本の地域福祉の前史は特に漢字ばかりなので覚えるのも大変ではないでしょうか・・・?
漢字のイメージをつかむ等、自分なりの覚え方をすると良いかも知れません。

1.正しい。頼母子講は無尽とも呼ばれています。毎月お金を積み立ててお互い融通し合う事です。

2.誤り。七分積金は江戸時代に松平定信が実施した積金政策を指します。この積金で飢饉や貧困者の救済を行うことを目的としており明治時代になるまで続いていたとの事です。

3.誤り。五保の制は近隣五戸をもって構成され納税などについて連帯義務を負うこととされました。

4.誤り。結(ゆい)は相互扶助を意味します。
小さな自治単位などでの共同作業の事です(田植えなど)

5.誤り。戸令(こりょう)は地方行政の組織と民の守るべき秩序を定めたもののことです。

以上により選択肢1が正解となります。

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03

本選択肢は地域福祉の歴史について問われています。聞きなれない単語が多く、戸惑ってしまいやすい問題であると言えます。

選択肢1. 頼母子講(タノモシコウ)は、共済的・金融的機能を持ち、経済的救済を目的とした組織のことをいう。

適切な内容です。頼母子講とは、地域住民がお金を出し合ってあらかじめ積立をしておき、その地域の住民が経済的に困窮する事態が起きた時などに積立金を使用して支援する組織の事を言います。

選択肢2. 七分積金制度は、生活に困窮する者の救済を目的とした儒教的徳治主義を象徴とする天皇の慈恵政策のことをいう。

不適切です。七分積金制度は、町入用(町人が負担する町の経費)の節減を行い、節減分の七割を積み立てた上で困窮する町民に低金利で貸し出した制度の事を言います。

選択肢3. 五保の制は、生活に困窮する者がいた場合には、まずは親族間での相互扶助を重視した制度のことをいう。

不適切です。五保の制とは近隣の五戸を一つの組織として構成し、それぞれが互いに目を配り、犯罪行為等が起きた場合はその五戸が連帯責任を取らされるというものです。

選択肢4. 結は、江戸幕府の下で町人の負担する町の経費を節約した額の中から積立てをして、貧民や孤児を救済した制度のことをいう。

不適切です。結とは地域住民同士で協力し合い、大きな仕事(田植えなど)を共同作業で実施する事、またはそれを実施する共同組織の事を言います。選択肢の内容は七分積金制度の説明となっています。

選択肢5. 戸令(コリョウ)は、五戸を一組として、共助の機能を持った農耕と貢納のための組織のことをいう。

不適切です。戸令とは国民が守るべき秩序や、地方の行政組織を記したものを指します。選択肢の内容は五保の制の説明となっています。

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