精神保健福祉士の過去問
第19回(平成28年度)
地域福祉の理論と方法 問115

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問題

第19回(平成28年度) 精神保健福祉士国家試験 地域福祉の理論と方法 問115 (訂正依頼・報告はこちら)

ソーシャルアクションに関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
  • 欧米におけるソーシャルアクションの源流は、1960年代のアメリカの福祉権活動とされている。
  • 戦前の方面委員による救護法制定・実施の運動は、ソーシャルアクションの事例とされる。
  • ソーシャルアクションは、コミュニティオーガニゼーションと密接に関わるソーシャルワークの方法である。
  • ソーシャルアクションは当事者の活動に限られ、福祉専門職は関わらないとされる。
  • ソーシャルアクションの展開過程には、住民の理解の促進及び世論形成は含まれない。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.誤り。ソーシャルアクションとは住民が行動を起こしたり働きかけを行う社会運動の事です。現状の制度の改善を求め行政などに働きかけすることです。
ソーシャルアクションの源流は19世紀後半のアメリカにおける社会改良運動だと言われています。

2.正しい。方面委員は現在の民生委員の前身です。方面委員による救護法制定・実施の運動はソーシャルアクションの事例とされています。

3.正しい。コミュニティオーガニゼーションとは第二次世界大戦後にケースワーク・グループワークと共に基本的な相談援助技術として広まりました。
様々な定義がありますがGロスの定義では「地域社会の中で協同的・協力的な態度と実践を育てる過程」と説明されています。よってソーシャルアクションと密接に関わりがあります。

4.誤り。ソーシャルアクションは当事者以外の福祉専門職も関わります。当事者だけでなく福祉専門職など様々な業種が集まり活動します。
大勢の力で制度などの不便さを改善するために働きかけを行うことが出来ます。

5.誤り。ソーシャルアクションの展開において住民の理解の促進も大変重要な事であると思います。

以上により選択肢2.3が正解となります。

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02

正解は2、3です。

1.欧米におけるソーシャルアクションの源流は、19世紀後半のアメリカにおける社会改良運動に既に見られます。

2.戦前の方面委員による救護法制定・実施の運動は、ソーシャルアクションの事例とされています。

3.ソーシャルアクションは、コミュニティオーガニゼーションと密接に関わるソーシャルワークの方法です。

4.ソーシャルアクションには福祉専門職も関わります。

5.ソーシャルアクションの展開過程には、住民の理解の促進及び世論形成も含まれます。

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03

本設問はコミュニティワークの一つである、ソーシャルアクションという手法の内容と歴史について問われる問題となっています。ソーシャルアクションとは、不足している社会資源などの創出や社会福祉制度の創設などを求めて行政等に働きかける事を言います。 

選択肢1. 欧米におけるソーシャルアクションの源流は、1960年代のアメリカの福祉権活動とされている。

不適切です。ソーシャルアクションの源流はアメリカで始まった社会改良運動やセツルメント運動であるとされています。

選択肢2. 戦前の方面委員による救護法制定・実施の運動は、ソーシャルアクションの事例とされる。

適切な内容です。救護法制定以前、日本では恤救規則が唯一の救貧制度であり、人民相互の助け合いが基本とされてきました。しかしその防貧策は不十分であり、それを問題視した方面委員が、国が国民を救済する責務を負う事を求めた法律の制定と実施に向けて活動を行い、それを実現させています。

選択肢3. ソーシャルアクションは、コミュニティオーガニゼーションと密接に関わるソーシャルワークの方法である。

適切な内容です。コミュニティオーガニゼーションとは、地域で発生している問題をその地域に住む住民自らで解決できるよう地域を組織化する事を言い、ソーシャルアクションと密接に関わる手法と言えます。

選択肢4. ソーシャルアクションは当事者の活動に限られ、福祉専門職は関わらないとされる。

不適切です。当事者自身はもちろんの事、福祉専門職やその他の人と協働して実施される事もあります。

選択肢5. ソーシャルアクションの展開過程には、住民の理解の促進及び世論形成は含まれない。

不適切です。ソーシャルアクションを展開する過程では、取り組んでいる課題について知らない住民に対して説明を行って理解を深めるなどの活動も重要なプロセスであると言えます。

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