精神保健福祉士の過去問
第19回(平成28年度)
社会保障 問132

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問題

第19回(平成28年度) 精神保健福祉士国家試験 社会保障 問132 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、Cさんの年金の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事例〕
先天性の視覚障害で、全盲のCさん(25歳、子どもなし)は、20歳になった翌月から1級の障害基礎年金を受給している。これまでは、仕事に就かず、年金以外にほとんど収入はなかったが、今年からU社に就職し、厚生年金に加入した。Cさんの視覚障害は、今後も回復が見込めないものとする。
  • Cさんは、障害基礎年金を受給しているので、厚生年金の保険料を免除される。
  • Cさんは、先天性の視覚障害により、障害厚生年金を受給できる。
  • Cさんは、先天性の視覚障害により、労災保険の障害補償年金を受給できる。
  • Cさんの障害基礎年金は、就職後の所得の額によっては、その全部又は一部の支給が停止される可能性がある。
  • 今後、Cさんに子どもが生まれても、Cさんの障害基礎年金の額が加算される可能性はない。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は「Cさんの障害基礎年金は、就職後の所得の額によっては、その全部又は一部の支給が停止される可能性がある。」です。

選択肢1. Cさんは、障害基礎年金を受給しているので、厚生年金の保険料を免除される。

障害基礎年金を受給していても、厚生年金の保険料が免除されることはありません。

選択肢2. Cさんは、先天性の視覚障害により、障害厚生年金を受給できる。

障害厚生年金は、傷病に関する初診日が、厚生年金保険の被保険者期間中でなければならず、先天性の障害は受給対象となりません。

選択肢3. Cさんは、先天性の視覚障害により、労災保険の障害補償年金を受給できる。

労災保険は、業務上の災害や通勤時の負傷等を対象としているため、先天性の障害は障害補償年金の受給対象とはなりません。

選択肢4. Cさんの障害基礎年金は、就職後の所得の額によっては、その全部又は一部の支給が停止される可能性がある。

所得の額によって、障害基礎年金は、その全部又は一部の支給が停止される可能性があります。

選択肢5. 今後、Cさんに子どもが生まれても、Cさんの障害基礎年金の額が加算される可能性はない。

今後、Cさんに子どもが生まれた場合には、障害基礎年金の額が加算される可能性があります。

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02

正解は「Cさんの障害基礎年金は、就職後の所得の額によっては、その全部又は一部の支給が停止される可能性がある。」になります。

選択肢1. Cさんは、障害基礎年金を受給しているので、厚生年金の保険料を免除される。

障害基礎年金を受給しているからといって、厚生年金の保険料が免除されることはありません。

選択肢2. Cさんは、先天性の視覚障害により、障害厚生年金を受給できる。

障害厚生年金の受給対象者は被保険者期間中に、初診日のある傷病が原因で該当する障害が生じた者です。Cさんは先天性の視覚障害であるため、20歳前の初診による障害基礎年金に該当すると思われます。

選択肢3. Cさんは、先天性の視覚障害により、労災保険の障害補償年金を受給できる。

Cさんは先天性の視覚障害であり、業務上の災害、通勤時の負傷などではないので、労災保険の対象ではありません。

選択肢4. Cさんの障害基礎年金は、就職後の所得の額によっては、その全部又は一部の支給が停止される可能性がある。

20歳未満に初診日のある者が20歳になった際に「受給者本人の所得制限を条件」に障害基礎年金が支給されるので、Cさんはこれに該当すると考えられ、仕事の収入によっては一部または全部が支給停止になる可能性があります。

選択肢5. 今後、Cさんに子どもが生まれても、Cさんの障害基礎年金の額が加算される可能性はない。

障害基礎年金には子がある場合には加算があります。障害厚生年金(1、2級)には配偶者の加算があります。

参考になった数12

03

正答【Cさんの障害基礎年金は、就職後の所得の額によっては、その全部又は一部の支給が停止される可能性がある。

選択肢1. Cさんは、障害基礎年金を受給しているので、厚生年金の保険料を免除される。

誤答 

障害基礎年金の受給者が免除される保険料は、国民年金第一号被保険者の保険料です。厚生年金の保険料は免除されません。

選択肢2. Cさんは、先天性の視覚障害により、障害厚生年金を受給できる。

誤答 

Cさんは、20歳の時点で障害基礎年金を受給しています。就労に伴い厚生年金に加入しても障害厚生年金を受給することができません。

障害厚生年金を受給するには、厚生年金の被保険者の期間に初診日があることが条件となります。

厚生年金の被保険者になる前からの障害なので、障害基礎年金の受給となります。

選択肢3. Cさんは、先天性の視覚障害により、労災保険の障害補償年金を受給できる。

誤答 

Cさんは、先天性の視覚障害なので、労災保険の障害補償年金を受給できません。

労災の障害補償年金は、業務災害によって障害になった場合に受給できる年金です。

選択肢4. Cさんの障害基礎年金は、就職後の所得の額によっては、その全部又は一部の支給が停止される可能性がある。

正答 

Cさんのように20歳以前に初診日のある障害基礎年金受給者には、2段階の所得制限が設けられています。

一定の所得基準を超えると1/2支給停止となり、さらに一定の所得基準を超えると全額支給停止となります。

選択肢5. 今後、Cさんに子どもが生まれても、Cさんの障害基礎年金の額が加算される可能性はない。

誤答

平成23年4月施行の「国民年金法等の一部を改正する法律」により、障害基礎年金の受給権発生後に子を持ち、その子との間に生計維持関係がある場合にも、子の加算を行うと改訂されました。

今後、Cさん子どもが生まれたら加算対象となります。

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