精神保健福祉士の過去問
第19回(平成28年度)
権利擁護と成年後見制度 問162

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問題

第19回(平成28年度) 精神保健福祉士国家試験 権利擁護と成年後見制度 問162 (訂正依頼・報告はこちら)

次のうち、成年後見登記事項証明書の交付事務を取り扱う組織として、正しいものを1つ選びなさい。
  • 法務局
  • 家庭裁判所
  • 都道府県
  • 市町村
  • 日本司法支援センター(法テラス)

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この過去問の解説 (4件)

01

成年後見制度とは、認知症・知的障害・精神障害などにより、判断能力が低下する事で、適切な重要法行為などが行えない可能性のある方々を支援・保護するための制度です。

成年後見登記制度とは、成年後見人等の権限・任意後見契約等の内容をコンピューターシステムによって登記し、登記官が登記事項に関する証明が記載される登記事項証明書を発行する事で、情報開示が行えるという制度となります。

登記事項証明書では法定の後見・保佐・補助が発行する、もしくは任意の後見制度が成立した場合に、公証人の嘱託によって後見の登記がされるので、その情報が記載されることになります。

一方登記がなきことの証明書と呼ばれるものがあり、こちらは成年被後見人・被保佐人・被補助人ではないことを証明する証明書となります。これは国家資格などに登録する際に、欠格事由ではないことを証明するために使用されます。

なお、成年後見人制度自体は家庭裁判所にて手続きを進めますが、登記の証明書の発行については全国の法務局の戸籍課窓口で取得する事となっています。

次のうち、成年後見登記事項証明書の交付事務を取り扱う組織として、正しいものを1つ選びなさい。
〇1 法務局
→成年後見登記証明書交付はこちらで行われることとなります。

×2 家庭裁判所
→成年後見制度の申し立て・認定を行う機関となります。登記事項の証明書発行は取り扱っていません。

×3 都道府県
×4 市町村
→都道府県・市町村も登記事項の証明書発行は取り扱っていません。
なお、市町村が成年後見制度とかかわる場面としては、市町村申し立て制度というものがあります。
これは成年後見人制度の申立権者として、後見開始の裁判の請求を行える権利です。家族らによる積極的な申し立てが期待できず、かつ公共の福祉の観点から特に必要だと考えられる場合にのみ、行われるものとされています。
老人福祉法・知的障碍者福祉法・精神保健福祉法が根拠法となっています。

×5 日本司法支援センター(法テラス)
→法テラスとは、総合法律支援法に基づいて設立された法人で、裁判制度の利用や弁護士のサービスを受けやすくし、法による紛争の解決がスムーズにできるように支援するための施設となります。

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02

正答【1】

1.正答
成年後見登記事項証明書の交付窓口は全国の法務局・地方法務局の本局で取り扱っています。


2.誤答
家庭裁判所は、後見等開始の審判がされる組織です。
後見等の審判が確定すると、家庭裁判所から法務局に登記嘱託され登記が完了します。その後、家庭裁判所から「登記番号通知書」が送付され証明書の交付請求が可能となります。


3.誤答
都道府県は、成年後見制度利用促進法に基づく監督組織のため成年後見登記事項証明書の交付事務を取り扱いません。


4.誤答
市町村は、成年後見制度利用支援事業を実施するところです。成年後見登記事項証明書の交付事務は取り扱いません。


5.誤答
日本司法支援センター(法テラス)は、国によって設立された法的トラブル解決のための相談窓口組織なので交付事務は取り扱いはありません。

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03

正解は1です。

成年後見登記事項証明書の交付事務は、法務局が行います。

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04

後見登記等に関する法律第2条において「後見登記等に関する事務は、法務大臣の指定する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所が、登記所としてつかさどる。」とあります。

ですから設問の「成年後見登記事項証明書の交付事務を取り扱う組織」は、選択肢の法務局が正解になります。

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