精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
人体の構造と機能及び疾病 問4

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問題

第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 人体の構造と機能及び疾病 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

高齢者に多くみられる病態に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • 脱水になると、脈拍が少なくなる。
  • 老人性難聴では、低音領域から聴力が低下する。
  • 甲状腺機能低下症は、浮腫の原因となる。
  • 栄養過多は、褥瘡の発生要因になる。
  • 葉酸が不足すると、味覚障害が生じる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は「3」です。

1. 脱水症状になると、全身の血液量が減少します。そうすると細胞への酸素量を補おうと、心臓は収縮回数を増やすので脈拍数が増加し、いわゆる頻脈になります。選択肢とは逆になります。

2. 老人性難聴では高音領域から聴覚が低下します。難聴の高齢者と話す時、高い声よりも低い声で話す方が伝わり易いのはこのためです。

3. 正解です。甲状腺機能低下症は、全身のエネルギー利用を促す甲状腺ホルモンの分泌量が減少する病気です。全身の活動が低下し、倦怠感や無力感があったり、低体温になったりします。皮膚の活動低下で発汗が減少するので、浮腫みやすくなります。

4. 設問とは逆です。栄養不良・低栄養状態が褥瘡の要因となります。多くの場合、長期にわたる摂食不良によって引き起こされます。

5. 味覚障害は亜鉛不足により生じます。これも長期にわたる摂食不良が背景にあると考えられます。葉酸の不足は貧血を引き起こします。

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02

正解は3です。

1.脱水になると、全身への循環血液量が少なくなり、頻脈や血圧低下を引き起こすことがあります。

2.老人性難聴では、おもに高音域において聴力が低下します。補聴器である程度は改善できますが、高齢者と会話する際には高い声よりも低い声でゆっくりと話すほうが聞き取りやすいと言われています。

3.全身の代謝を維持する甲状腺ホルモンの分泌が減少する、甲状腺機能低下症。活動性が低下することでムコ多糖類という物質が皮下にたまり、顔や手足に浮腫を生じます。
ほかにも甲状腺機能低下症は、全身の倦怠感や眠気、記憶力の低下などを引き起こします。

4.別名・床ずれとも呼ばれる褥瘡は、寝たきりなどの状態で皮膚の血流が滞ってしまうことで生じるキズやできもののことです。低栄養状態が続くことで褥瘡を引き起こしたり、治りが悪くなったりすると言われています。

5.味覚障害は、亜鉛の不足によって生じます。葉酸の不足は、貧血の原因になると言われています。

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03

正答【3】

1.誤答 
高齢者は老化によって身体機能が衰え体内の水分を蓄える力が低下するとともに、のどの渇きを感じにくくなったり、トイレの不安等から脱水になりやすいです。
脱水は血液中の水分が失われることで血液濃度は濃くなり、心臓はその濃度の高い血液を全身に送り出すことで頻脈となります。


2.誤答 
老人性難聴の特徴は高音域の聴力の低下が著しく、中・低音域は比較的よく保たれています。老人性難聴は、老化に伴い内耳と聴覚中枢が障害されて聴こえにくくなる生理的な変化で、男性に多く見られます。


3.正答 
甲状腺機能低下症は、体の新陳代謝を促す甲状腺ホルモンが、何らかの原因により不足することで起こります。
甲状腺ホルモンは、新陳代謝促進、体温調節、脳や胃腸の活性化などの活動のエネルギーを作る役割があります。そのため、甲状腺ホルモンが不足すると低体温や倦怠感、むくみなどが起こりやすくなります。


4.誤答 
褥瘡の発生要因となるのは低栄養状態、皮膚の浸潤、介護時の摩擦などがあります。褥瘡は、身体の同じ部位に長時間の圧迫が加わることで起こります。
健康であれば、身体の一部分に圧がかからないように体位変換を行いますが、高齢や病気等によって自分で体位変換できない場合、圧迫された皮膚の細胞に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなったり皮膚の中の組織が傷ついてしまいます。


5.誤答 
葉酸はビタミンB群の一種で、ビタミンB12とともに新しい赤血球を生成するために欠かせないビタミンです。また、たんぱく質や細胞の生成に必要な核酸の生成に関わっています。
高齢者は、葉酸が十分でないと、動脈硬化や貧血、認知症を発症する危険性が増加し、特に骨折のリスクが高まります。
味覚障害は、亜鉛の不足が要因の一つとなっています。

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