精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
心理学理論と心理的支援 問9

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問題

第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 心理学理論と心理的支援 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、オペラント条件づけにおける正の強化の事例として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • いたずらをしている子どものゲーム機を取り上げたら、いたずらをやめた。
  • 宿題をやってくるたびに褒めていたら、宿題を忘れずにやってくるようになった。
  • 授業中、勝手に話をしていた生徒を叱ったら、私語がなくなった。
  • 好きな曲が流れているテレビCMの商品に好感を持つようになった。
  • デイサービスで嫌な思いをした高齢者が、デイサービスを休むようになった。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は「2」です。

条件付けについての問題です。条件付けの種類二つと、正の強化・負の強化の違いを整理しておくことが重要です。
条件付けには、下記の2種類があります。
① 古典的条件付け(レスポンデント条件付け):パブロフの犬で有名
② オペラント条件付け:スキナーのマウス実験で有名
古典的条件付けとは、犬にエサをやる時に鈴を鳴らす、ということを続けていたら、鈴を鳴らすだけで犬が唾液をだすようになった、というように、本来関連のない刺激に対して、反応(=レスポンス)をするように関連付けることです。
一方、オペラント(=操作)条件付けは、マウスがレバーを引くとエサが出る、という箱を用意したところ、マウスがエサを得るためにレバーを引くようになった、という実験に示されるように、ある特定の行動(操作)を強化することで形成する条件付けのことです。
なお、オペラント条件付けの強化は2種類あり、下記に分けられます。
② 正の強化:行動の出現頻度を高める刺激
② 負の強化:行動の出現頻度を低める刺激

1. いたずらという行動の出現頻度を低めるための刺激なので、オペラント条件付けの負の強化です。

2. 正解です。宿題をやるという行為の正の強化です。

3. 勝手に話すという行為の負の強化です。

4. 好きな曲と商品が関連付けられたので、オペラント条件付けではなく、古典的(レスポンデント)条件付けです。

5. 嫌な体験とデイサービスが関連付けられたので、オペラント条件付けではなく、古典的(レスポンデント)条件付けです。

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02

正答【2】

オペラント条件付けは、自発した反応の直後に報酬など特定の刺激を与えることで、その反応が生起する頻度を変化させる、スキナー(B.F. Skinner)が考案した条件づけの手法です。

オペラント条件付けは、「きっかけ(弁別刺激)」によって「行動(反応)」が現れ「結果」が導かれるという性質と「強化」と「罰」という概念があります。

刺激を与える(正)または、取り除く(負)ことによって行動が増大するのは「強化」であり、行動が減少するのが「罰」です。

1.誤答 
ゲーム機を取り上げるという(刺激を取り除く(負))ことで、いたずら(行動)が減少(罰)したのは「負の罰」です。


2.正答 
褒める(刺激を与える(正))ことで、宿題をやる(行動)が増えた(強化)のは「正の強化」です。


3.誤答 
生徒を叱る(刺激を与える(正))ことで、私語(行動)が減少(罰)したのは「正の罰」です。


4.誤答 
好きな曲が流れているテレビCMの商品に好感を持つようになったのは、レスポンデント条件付けです。
オペラント条件付けが、刺激によって「自発的な行動」の増減を導くのに対して、レスポンデント条件付けは、刺激によって「反射的な行動」の増減を導きます。


5.誤答
嫌な思い(刺激を与える(正))をしたことで、デイサービスに行く(行動)が減少した(罰)のは「正の罰」です。

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03

正解は2です。

オペラント条件づけとは、心理学者である『B.F.スキナー』が発見した自発的な行動に対する条件づけです。ヒトや動物が行動を起こした直後に特定の刺激を与えることで、その行動の生起確率を高めます。

行動に対して何らかの刺激を与えることが正、行動に対して何らかの刺激を奪うことが負といいます。
また、刺激の結果、もとの行動が増えた状態を『強化』と呼び、減った場合には『罰(弱化)』と呼びます。


1.ゲーム機を奪った(刺激奪う)ため、いたずらが減少した(結果)ので【負の罰】です。

2.褒めていたら(刺激を与えた)、宿題を忘れなくなった(結果)ので【正の強化】です。

3.叱った(刺激を与えた)ため、私語が減少した(結果)ので【正の罰】です。

4.行動に対して刺激を与えているわけではないため、オペラント条件付けにはなりません。

5.行動に対して刺激を与えているわけではないため、オペラント条件付けにはなりません。

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