精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
地域福祉の理論と方法 問37

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問題

第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 地域福祉の理論と方法 問37 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、市の社会福祉協議会に配置された生活支援コーディネーター( 地域支え合い推進員 )の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔 事例 〕
生活支援コーディネーターは、担当地域に高齢者が交流できるサロンのような場がほとんどないと考えていて、何とかしたいと思っていた。そこで、自治会などの地域団体にサロンの実施を呼び掛けたが、高齢化している地域団体は担い手不足を理由に断った。
  • より広域の中学校区域でサロンを実施するよう、地域団体に助言した。
  • 地域の民生委員の協力を得て、高齢者の生活実態調査を行い、行政がサロンを直接運営するように訴えた。
  • 高齢者が日頃集まっている場所を調べ、そこでのサロンの実施を含めて、地域の福祉課題などを地域住民と話し合った。
  • 地域団体の負担を減らすため、サロンの参加者を一人暮らし高齢者に限定した。
  • 地域団体に、他の地域で活発に行われているサロンと同じ方法を勧めた。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

その人の状態に最適な生活支援等サービスの活用を支援するには、人々のニーズを把握し、地域の高齢者も参加しながら仕組みづくりを行なうのが理想です。

その他の選択肢については、以下のとおりです。

1.地域包括ケアシステムの構築を重視しているため、区域の拡大が福祉力の形成に繋がるわけではありません。

2.地域の住民や介護サービス事業者、専門職などが協力してサービスを創出することが大切です。サロン運営を行政に一任してしまうのは、正しい対応とは言えません。

4.生活支援コーディネーターにとって大切なのは、できるだけ多くの地域の高齢者が参加できるサービス体制を整えることです。

5.地域ごとのニーズに合った方法を模索するのが、生活支援コーディネーターの役割です。

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02

正答は「3」です。

厚労省のHPに、生活支援コーディネーターとは「高齢者の生活支援・介護予防サービスの体制整備を推進していくことを目的とし、地域において、生活支援・介護予防サービスの提供体制の構築に向けたコーディネート機能(主に資源開発やネットワーク構築の機能)」を果たす者とされています。理念や役割として下記のものが求められています。
①利用者への支援やサービスの質の担保
②地域の福祉力の形成
③地域社会の持続可能性

1. より広域の中学校区で実施することは、その地域での福祉力の形成にはつながらないので、誤りです。

2. 地域での生活支援・介護予防サービスの提供体制を構築することが目的なので、行政へサービス提供を求めることは生活支援コーディネーターとしての活動としては不適切です。

3. 正解です。

4. 高齢者のためのサロンであることを考えると、運営しやすさのために利用者を制限することは本末転倒となるので、誤りです。

5. 生活支援は、地域の実情に合わせて最適なサービスの形態を探ることが重要であり、その方法を模索するのも生活支援コーディネーターの仕事です。したがって他地域と同じ方法を勧めるのは適切ではありません。

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03

正解は3です。

1→より広域の中学校区域でサロンを実施する考えは、問題の目的とあっていません。

2→行政がサロンを直接運営するように訴えることは、適切とはいえません。

3→ 情報を集め、地域住民と情報共有することは適切な行いです。

4→負担を減らすため、対象を限定することは本来の「高齢者が交流できるサロンのような場」という目的から離れてしまうといえます。

5→他の地域で活発に行われているサロンを参考にしていくことは大切ですが、同じ方法をとるのではなく自分たちの地域にあったものにしていくことが重要です。

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