精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
権利擁護と成年後見制度 問82

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 権利擁護と成年後見制度 問82 (訂正依頼・報告はこちら)

次のうち、民法上、許可の取得などの家庭裁判所に対する特別な手続を必要とせずに、成年後見人が単独でできる行為として、正しいものを1つ選びなさい。
  • 成年被後見人宛ての信書等の郵便物の転送
  • 成年被後見人が相続人である遺産相続の放棄
  • 成年被後見人の遺体の火葬に関する契約の締結
  • 成年被後見人の居住用不動産の売却
  • 成年被後見人のための特別代理人の選任

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

×1 . 成年被後見人宛ての信書等の郵便物の転送は期間を決めて家裁が許可します。また後見人の事務事項以外は、本人に見せる義務があります。

〇2 . 成年被後見人が相続人である遺産相続に関しての行為は可能です。

×3 . 成年被後見人の遺体の火葬に関する契約の締結を行うことが出来るのは、「必要なとき」のみです。相続人等が行い必要でない場合は行うことが出来ません。

×4 . 成年被後見人の居住用不動産の売却は、家裁の許可を得る必要があります。

×5 . 特別代理人の選任は、被後見人が未成年の場合のみです。

参考になった数22

02

正解は2になります。
被後見人が相続人となる場合は、成年後見人が代理人として家庭裁判所による特別な手続きを経由しないで、遺産相続の放棄手続きをすることができます。

1 成年後見人が後見事務を行う上で必要な場合は、成年後見人の申立てによる家庭裁判所の審判を行い、6ヶ月を超えない期間で郵便物等を転送してもらうことができます。また、被後見人からの閲覧請求があった場合は全て開示することとされています。

3  被後見人の遺体の火葬に関する契約の締結については、相続人の意思に反することが明らかな時を除き、家庭裁判所の許可により行うことができます。

4 被後見人の居住用不動産の売却については、家庭裁判所の許可により行うことができます。

5 被後見人と成年後見人との利益相反行為について、代理を行うことができる特別代理人は家庭裁判所が選任を行います。

参考になった数17

03

正答【2】

民法 参照
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

1.誤答
民法第860条2(成年後見人による郵便物等の管理)
「成年被後見人宛ての信書等の郵便物の転送 」が必要な場合には、家庭裁判所に「成年被後見人に宛てた郵便物の配送(転送)の嘱託の審判 」の申立てを行い、審判の確定が必要になります。

成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家庭事件手続き法の一部改正
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00196.html

2.正答
民法第915条(相続の承認又は放棄をすべき期間)
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、相続について放棄しなければなりません。
ただし、民法第917条において「相続人が未成年者又は成年被後見人であるときは、相続放棄の期間は、その法定代理人が未成年者又は成年被後見人のために相続の開始があったことを知った時から起算する。」とされています。

3.誤答
民法第873条2(成年被後見人の死亡後の成年後見人の権限)
成年被後見人の「死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結その他相続財産の保存に必要な行為」を行う場合には、家庭裁判所の許可を得なければならない、と明記されています。

4.誤答
民法859条3(成年被後見人の居住用不動産の処分についての許可)
成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない、と規定されています。

5.誤答
民法第826条(利益相反行為)
親権上の親子の利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない、と規定されていて、この規定が後見人にも準用されます。

参考になった数8