精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
精神疾患とその治療 問86

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問題

第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 精神疾患とその治療 問86 (訂正依頼・報告はこちら)

次のうち、アルコール依存症の離脱症状として、正しいものを1つ選びなさい。
  • 過眠
  • 徐脈
  • 発疹
  • 振戦
  • 疼痛

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この過去問の解説 (3件)

01

×1 . 過眠は、眠りすぎる症状です。カフェインや精神刺激薬の離脱症状としてあらわれることがあります。

×2 . 徐脈は、不整脈のひとつで、心拍数が低下します(1分60回未満)。脳に必要な血液を送ることができなくなるため、めまい、失神、ふらつきなどが起きたり、まれに理解力や記憶の低下が見られる場合があります。

×3 . 発疹は、 皮膚や粘膜にできる色や形の変化を指します。蕁麻疹や湿疹やはしかなど、さまざまな原因があります。

〇4 . 振戦は、手足などが自分の意志に関わらず震えてしまう不随意運動のひとつで、アルコール依存症の離脱症状のひとつです。他に、パーキンソン病、ストレスなどの原因でも起こります。

×5 . 疼痛は、体の痛みです。

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02

正解は4です。

離脱症状とは、ある物質を使用しなくなったときに起こる症状のことです。

1.過眠(かみん)とは、眠りすぎてしまう症状です。アルコール依存症の離脱症状としては不眠が多く見られます。

2.徐脈(じょみゃく)とは、脈がとても少なくなることです。アルコール依存症の離脱症状としては心拍数の増加が多く見られます。

3.発疹(ほっしん)とは、皮膚に吹き出物ができることです。アルコール依存症の離脱症状としては、あまり見られません。

4.振戦(しんせん)とは、自分の意思とは関係なく手足などが震えることです。アルコール依存症の離脱症状の一つです。

5.疼痛(とうつう)は、ズキズキとうずくような痛みです。アルコール依存症の離脱症状としては、あまり見られません。

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03

正答【4】

アルコール依存症は、体内のアルコール濃度が下がってくると「離脱症状」として、自律神経症状や情緒障害、手の震え、幻覚などの症状がみられるようになります。症状が現れる時期によって「早期離脱症状」「後期離脱症状」に分けられています。

1.誤答 
体内のアルコール濃度が下がると「離脱(禁断)症状」が起こります。離脱症状が現れているときは興奮状態を示し、イライラ、不安、焦燥感、不眠、幻覚などの症状がみられます。そのためアルコール依存症の離脱症状では過眠ではなく不眠がみられます。

2.誤答
離脱症状では、自律神経症状である頻脈、動悸、血圧上昇、悪寒など交感神経系の過剰興奮がみられます。そのため、徐脈ではなく頻脈などがみられ、後期離脱のほうが程度は強く現れます。

3.誤答
長期のアルコール摂取により、顔や腕などの露出部に色素沈着や水疱などがみられることがありますが、離脱症状で発疹がみられることはあまりありません。

4.正答 
後期離脱症状では手を中心に全身に及ぶ粗大な振戦と幻視や精神運動興奮を伴う意識変容がみられます。
後期離脱症状は、断酒開始から3~4日にピークを迎え1週間程度で改善します。

5.誤答 
アルコール離脱症状で疼痛はあまり見られません。

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