精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
精神疾患とその治療 問90

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問題

第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 精神疾患とその治療 問90 (訂正依頼・報告はこちら)

次のうち、認知症のスクリーニングに有用な心理検査として、適切なものを1つ選びなさい。
  • 文章完成テスト
  • ロールシャッハテスト
  • MMPI( ミネソタ多面人格テスト )
  • ミニメンタルステート検査
  • ウェクスラー成人知能検査

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この過去問の解説 (3件)

01

×1 . 文章完成テスト は、刺激語に続く文章を被験者に自由に書いてもらう投影法テストです。

×2 . ロールシャッハテストは、インクの染みで作られた左右対称のカードの図版を見て、何に見えるかを問う投影法のテストです。

×3 . MMPI( ミネソタ多面人格テスト )は、精神疾患と関係のある項目がある質問紙検査であるが、認知症に関する項目はありません。

〇4 . ミニメンタルステート検査(MMSE)は、認知症の診断用に米国で1975年、フォルスタインらが開発した30項目の質問紙検査です。

×5 . ウェクスラー成人知能検査(WAIS)は、個別の知能検査で、認知症のスクリーニングには使われていません。

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02

正解は4です。

1.文章完成テストは、投影法の人格検査です。

2.ロールシャッハテストは、投影法の人格検査です。

3.MMPIは、質問紙法の人格検査です。認知症に特化したものではありません。

4.ミニメンタルステート検査は、認知症のスクリーニングに有用な心理検査です。

5.ウェクスラー成人知能検査は、知能検査です。成人用と児童用がありますが、認知症に特化したものではありません。

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03

正答【4】

1.誤答 
文章完成テスト(STC)は、投影法による心理検査の一つです。
「もしも私が…」などの文章の出だしだけが記された不完全な文章を提示し、その後の文章を患者に作ってもらいます。
患者の人格特性や知能、自己評価などパーソナリティの全体を把握できる心理検査であり、認知症のスクリーニングとし、用いられることはありません。

2.誤答 
ロールシャッハテストは、投影法による心理検査の一つです
インクのシミのついた左右対称の10枚の図版を提示し、何に見えるかという応答を分析することで、無意識の欲求や問題解決傾向などを把握していきます。
ロールシャッハテストの分析は簡易にできないため、スクリーニング用のテストには向いていません。

3.誤答 
MMPI( ミネソタ多面人格テスト )は、質問紙法による心理検査の一つです。
テストは、550の質問項目があり、妥当性尺度(患者の意図的回答から生じる受験態度のゆがみ)や臨床尺度(心気症、抑うつ、ヒステリーなど)や追加尺度(不安、抑圧、顕在性不安など)で構成されています。
妥当性尺度とは、①?尺度(疑問尺度)② L尺度(虚偽尺度)③ F尺度(頻度尺度)④ K尺度(修正尺度、対処尺度)という4つの尺度で、受検態度をチェックし「結果の意図的な歪曲」がないか検討できます。
臨床尺度とは、受検者の性格傾向を把握する際に基本となる尺度です。
「心気症」「抑うつ」「ヒステリー」「精神病質的偏倚・精神病質」「男性性・女性性」「パラノイア」「精神衰弱・強迫神経症」「精神分裂病」「軽躁病」「社会的内向性」の10尺度で把握します。
追加尺度は、「不安、抑圧、顕在性不安、自我強度、腰痛、頭頂葉・前頭葉損傷、依存性、社会的責任、など16尺度」を用いて臨床尺度を補います。
550の質問項目は簡易にできるものではなく、スクリーニング検査には適しません。

4.正答 
ミニメンタルステート検査(MMSE)は、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)とともに、認知症スクリーニング検査の代表的な検査です。

5.誤答
ウェクスラー成人知能検査(WAIS)は、言語性、動作性、全検査のIQが検査できまます。
検査時間や検査量が多く、スクリーニング検査としては適しません。

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