精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
精神保健福祉相談援助の基盤 問111

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問題

第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問111 (訂正依頼・報告はこちら)

N市にある精神科病院の相談室に勤務するA精神保健福祉士は、単身生活をしているBさんから、「もう病院には通えないよ。どうしよう」という相談を受けた。理由は、Bさんが通院に利用しているバス路線が廃止になることであった。病院デイケアのスタッフからも、バス路線廃止後のプログラム参加について、メンバーから不安が上がっていることを聞いた。また、外来患者以外にも、通学や買物に困る住民が多く、その対応を地域で話し合っているとのことだった。そこで、A精神保健福祉士は住民やメンバーと共に、通院や日常生活に支障が出ることをN市に訴え、路線の存続を求めた。
次のうち、A精神保健福祉士が行った権利擁護の活動として、正しいものを2つ選びなさい。
  • クラスアドボカシー
  • ケースアドボカシー
  • シチズンアドボカシー
  • セルフアドボカシー
  • リーガルアドボカシー

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は「1,3」です。

アドボカシーとは、権利擁護のことを言い、当事者だけでなく他者が人権や権利を代弁することも含みます。

1. 正解です。クラスアドボカシーとは、特定の個人に限定せず、同様の属性を持つ人たち全体の権利擁護を行うことです。たとえばその地域全体の障害者の権利擁護を行うことなどがあげられます。

2. ケースアドボカシーは、個人の権利擁護のために個別のケースに対して行われる活動です。

3. 正解です。シチズンアドボカシーとは、市民の立場から、不利益を被る人のための権利擁護を行うことです。

4. セルフアドボカシーとは、当事者自らが権利擁護を行うことです。

5. リーガルアドボカシーとは、弁護士など法律に関する専門家が、当事者の権利擁護を行うことです。

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02

正解は1、3です。

1.クラスアドボカシーは、同じような境遇の立場にある人たちのために行う権利擁護の活動です。メンバーとともに活動していることから事例における活動として適切です。

2.ケースアドボカシーは、個別のケースで行う権利擁護の活動です。事例において、個別のケースでないと言い切ることができない部分もありますが、メンバーや住民の困りごとにも共通する活動であるため、他の選択肢の方がより適切といえます。

3.シチズンアドボカシーは、市民の人たちにも恩恵があることに対する権利擁護の活動です。事例では住民も困っており、住民とともに活動していることから、事例における活動として適切です。

4.セルフアドボカシーは、当事者自身が権利擁護を行うことです。事例からBさんが中心となって活動している様子は読み取れないため、適切ではありません。

5.リーガルアドボカシーは、法律の専門家が行う権利擁護です。事例から法律の専門家による活動は読み取れないため、適切ではありません。

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03

正答【1・3】

1.正答 
クラスアドボカシーとは、市民の権利擁護を目的に社会生活を形成する制度や政策の整備などの変革を目指し、行政と団体や市民などの交渉、運動、活動など、集団やコミュニティを対象にした社会全体における権利擁護を指します。
事例では、住民が日常の社会生活を形成するための環境整備などの変革を目指した権利擁護を目的としているので、適切です。

2.誤答 
クラスアドボガシーが、地域や集団を対象にしているのに対してケースアドボガシーは個人や家族を対象にしています。
事例では、市民を対象としているので適切ではありません。

3.正答 
シチズンアドボカシーは、市民の自発的な地域への働きかけによって、不利益を被る可能性がある人の権利擁護をすることです。
したがって事例は、シチズンアドボガシーが適切です。

4.誤答 
セルフアドボカシーは、最も基本的な権利擁護であり、当事者自らが責任をもって権利を主張、擁護していくことです。
今回の事例では、A精神保健福祉士とともに住民やデイケアメンバーとともに活動しているため、適切ではありません。

5.誤答 
リーガルアドボカシーとは、法務にかかわる専門家(弁護士、司法書士など)が法的な手続きによる代理、代行、弁護するといった擁護権利(アドボカシー)であり、今回の事例には関係ありません。

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