精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問125

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問題

第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問125 (訂正依頼・報告はこちら)

精神科病院の医療相談室に勤務しているL精神保健福祉士の下に、P市に住むMさんが相談に訪れた。「同居している30歳の弟が3か月前から家に引き籠り、私には見えない誰かと対話し、興奮して壁を蹴るなどの行動がある。入院が必要ではないかと思うが、弟はどうしても受診に同意しない」という。Mさんの父は既に亡くなっている。母は認知症に罹患し、現在司法書士が保佐人に選任されている。
Mさんには弟の他、成人した妹が一人いるという。L精神保健福祉士は、受診方法や様々な入院形態について、Mさんに説明した。
次の記述のうち、L精神保健福祉士がMさんに行った説明の中で、弟が医療保護入院になった場合についての説明として、適切なものを1つ選びなさい。
  • 「Mさんが同意者となる場合、家庭裁判所による選任を受ける必要があります」
  • 「Mさんの母の保佐人は、同意者となることができます」
  • 「移送制度を使って医療保護入院する場合、市長が同意者になります」
  • 「Mさんは、同意者とならなくても精神医療審査会に退院請求できます」
  • 「同意者が自立支援医療を申請することで、医療費を軽減できます」

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

1.Mさんは家族ですので、家族裁判所による選任は必要ありません。

2.母の保佐人は、本人の保佐人ではないため、同意者とはなれません。

3.移送制度は都道府県知事(政令指定都市の長)によって行われます。医療保護入院について家族等の同意がある場合は、市長は同意者になりません。

4.Mさんは家族ですので、同意者とならなくても退院請求が可能です。

5.自立支援医療は、入院は対象外です。

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02

正答は「4」です。

医療保護入院制度は2013(平成25)年の精神保健福祉士法改正の大きな改正点です。手続きについてまとめておきましょう。

○対象:入院を必要とする精神障害者で、自傷他害の恐れはないけれど任意入院が難しい者
○入院の要件:精神保健指定医の診察(もしくは特定医師の診察で12時間まで入院させることができます)と、家族等のいずれかの者の同意が必要
※家族等とは、配偶者、父母、祖父母、子、孫、兄弟姉妹、後見人または保佐人を指します。
ただし、家族等がいない、もしくは全員が意思表示できない場合は、居住地の市区町村長の同意により医療保護入院とすることができます。
○精神科病院の管理者の責務:
 ・入院後10日以内に保健所長経由で入院届出を精神医療審査会に提出
 ・退院後生活環境相談員の選任
 ・地域援助事業者との連携
 ・医療保護入院者退院支援委員会での審議
○退院等について:
 ・本人または家族等が都道府県知事に退院請求か処遇改善請求を行い、これを精神医療審査会で審査し、退院・処遇改善が実施されます。

1. 家庭裁判所による選任は必要ありません。

2. 母の保佐人は、本人の保佐人ではないため、「家族等」に含まれません。

3. 市長が同意者になるのは、家族等の全員が意思表示ができない場合です。Mさんが医療保護入院に同意している場合、移送制度を利用しても市長が同意者になることはありません。

4. 正解です。

5. 自立支援医療は精神通院医療のための医療費ですので、医療保護入院は対象ではありません。

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03

正解は、 です。

患者本人の意向で入院する「任意入院」と違い、「医療保護入院」は本人の代わりに家族等が入院に同意することになります。同意できる人や、同意できる人がいない場合の対応について押さえておきましょう。

1 家庭裁判所による選任の必要はありません。

2 母の保佐人であるため、同意することはできません。

3 家族であるMさんが同意者となることができるので、不適切です。

4 本人もしくは家族であるMさんは、精神医療審査会に対し退院等の請求ができます。

5 自立支援医療は、通院の場合に適用されるため入院は対象外です。

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