精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問132

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問題

第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問132 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、問題に答えなさい。

〔 事例 〕
Eさん( 24歳、男性 )は、就学前に医療機関でアスペルガー症候群( 当時 )と診断された。Eさんには、環境の変化への対応困難や相手の意図を理解できないことからくる混乱などがみられたが、高等学校までは、学級担任などの理解と丁寧な指導によって、何とか卒業できた。Eさんは、父親と同じコンピューターソフトを扱う仕事に興味を示し、志望大学に入学した。しかし、入学後1週間通ったところで、「履修計画を立てられない」、「自分が座りたい席に座れない」などの理由で、通学したくないと言い出した。以前診断を受けた医療機関が遠方であったため、母親はEさんを伴って、精神保健福祉センターに勤務するF精神保健福祉士の下を訪れた。F精神保健福祉士は二人の話を詳しく聞いた後、ある提案を行った。

次の記述のうち、F精神保健福祉士がEさんと母親に対して提案した内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 「医療機関に問い合わせて、処方を検討してもらうよう依頼してみます」
  • 「参加できそうな当事者グループを探して、Eさんに紹介します」
  • 「市の障害福祉の担当者と相談して、受けるべき合理的配慮の内容をお伝えします」
  • 「大学の学習支援の担当者に連絡して、学内での支援体制について確認してみます」
  • 「父親にも声を掛け、Eさんの学習意欲を高めるための話し合いをもちましょう」

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は「4」です。

1. 薬を処方してもらえないことが問題なのではないため、適切ではありません。また、現状の診断を受けずに薬を処方してもらうことは治療上適切とは言えなず、それを医師に依頼することも誤りです。

2. 現段階でのEさんの悩みは、実際に自分が通っている大学での就学、過ごし方についてであり、同様の障害を持つ人との交流によって解決するというものではないので、適切ではありません。

3. 現在のEさんの困りごとは、Eさんの障害特性によるものと推察できますが、大学側の合理的な配慮が欠けていることが原因とは思われないので、適切ではありません。

4. 正解です。Eさんの困りごとは、大学での就学や過ごし方についてなので、どのような支援が検討できるのか、大学側に相談するのが適切と言えます。

5. 父親が支援に参加すること自体は、父親とEさんとの関係性によっては有効かもしれませんが、現在の困りごとはEさんの学習意欲が低いことが原因ではないので、適切ではありません。

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02

正解は4です。

1.Eさんに体調の変化は見られず、通学したくない理由が環境に起因するものであることから、医療機関で処方を検討してもらうことは適切ではありません。

2.履修計画の立てられないことや、座りたい席に座れないことは、当事者グループへの参加で解決できるかどうか分かりません。そのため最も適切な提案とはいえません。

3.受けるべき合理的配慮の内容を市と相談する前に、大学の担当者と相談をする必要があります。

4.通学したくない理由が、大学に関するものであるため、大学の学習支援の担当者に連絡して、学内での支援体制について確認することは最も適切な対応です。

5.Eさんが通学したくない理由は、学習意欲ではないことから、学習意欲を高めるための話し合いをもつことは適切ではありません。

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03

正解は、 です。

1 まだ医療機関を受診していない段階で、薬の処方の提案をすることは適切ではありません。また大学に入学して環境が変わったことが原因であると考えられますので、まずはEさんの訴えなどをアセスメントすることが優先と言えるでしょう。

2 現段階では、大学入学という環境の変化をきっかけに訴えが生じたと考えられますので、その辺りをアセスメントすることを優先しましょう。その後、必要であれば当事者グループの紹介も視野に入れることは適切です。

3 Eさんは、大学入学後に訴えが生じているので、市の担当者と相談する前に大学側と相談することが優先であると言えます。

4 Eさんは大学入学後に訴えが生じているので、まず大学側の支援者と連携をとることは適切な対応です。

5 設問からは、Eさんは学習意欲に対する訴えが読み取れませんので、その部分に働きかけることは不適切です。

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