精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問133

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問題

第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問133 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、問題に答えなさい。

〔 事例 〕
Eさん( 24歳、男性 )は、就学前に医療機関でアスペルガー症候群( 当時 )と診断された。Eさんには、環境の変化への対応困難や相手の意図を理解できないことからくる混乱などがみられたが、高等学校までは、学級担任などの理解と丁寧な指導によって、何とか卒業できた。Eさんは、父親と同じコンピューターソフトを扱う仕事に興味を示し、志望大学に入学した。しかし、入学後1週間通ったところで、「履修計画を立てられない」、「自分が座りたい席に座れない」などの理由で、通学したくないと言い出した。以前診断を受けた医療機関が遠方であったため、母親はEさんを伴って、精神保健福祉センターに勤務するF精神保健福祉士の下を訪れた。F精神保健福祉士は二人の話を詳しく聞いた後、ある提案を行った。

その2か月後、母親から、「お陰でEが大学に行っている」と電話があった。しかし、母親によれば、Eさんは、元々好きだったインターネットゲームに最近ますます興じるようになり、夜更かしする結果、午前中の授業に出られないことがあるという。
「注意しても聞かないし、このままでは心配」との話を聞いたF精神保健福祉士は、精神保健福祉センターの事業として立ち上げた、発達障害児・者の家族サポートグループを案内し、会の内容について説明した。

次の記述のうち、F精神保健福祉士が説明したものとして、適切なものを1つ選びなさい。
  • 「この会では、参加者相互の連絡用に名簿を作成しています」
  • 「この会では、相互批判の精神が大切ですので積極的に発言してください」
  • 「この会の企画や運営は、参加者同士で行ってください」
  • 「この会での他の参加者の発言内容は、口外しないでください」
  • 「この会に参加後、経験の浅い家族の相談に乗る立場になってください」

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は「4」です。

1. 家族サポートグループは、匿名性を重視します。

2. 家族サポートグループでは「言いっぱなし、聞きっぱなし」のルールを取ることが多く、これは反応をあえて返さず、参加者が安心して語れることを重視する姿勢ですので、批判は行いません。

3. 参加者の主体的な参加を促すことは重要ですが、企画・運営は精神保健福祉センターで行うのが適切です。

4. 正解です。安心して話すことができるよう、会での話を口外しないルールを設けることは非常に重要です。

5. いずれ、他の家族の相談に乗るなどの立場になること自体は悪いことではありませんが、参加の目的はあくまで自身と家族の課題解決のためのヒントを得ることやスキルアップです。

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02

正解は4です。

1.家族サポートグループでは、名簿を公開することは一般的ではありません。

2.相互批判ではなく、相互理解の精神が大切です。

3.企画や運営は精神保健福祉センターも関わります。

4.守秘義務に関する説明として適切です。

5.会を案内した当初から、相談に乗る立場になるように説明することは適切ではありません。

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03

正解は、 です。

1 秘密にしておきたい家族もいることを考慮する必要があります。

2 相互批判ではなく相互支援が目的です。お互いの家族の苦労や悩みを分かち合うことで、仲間同士で理解を深めることが大切です。

3 企画や運営などのコーディネートは、精神保健福祉センターの役割です。今後、会が長く続いていくことによって会員同士の企画・運営も考えられますが、F精神保健福祉士は、初めて参加する母親のサポートをする必要があります。 

4 サポートグループでは、安心して話すことができるよう、秘密保持が基本です。会に参加するにあたって、説明しておくことが大切です。

5 現段階で、初めて参加する母親に、役割を求めることは適切ではありません。

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