精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問134
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問題
第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問134 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題に答えなさい。
〔 事例 〕
Eさん( 24歳、男性 )は、就学前に医療機関でアスペルガー症候群( 当時 )と診断された。Eさんには、環境の変化への対応困難や相手の意図を理解できないことからくる混乱などがみられたが、高等学校までは、学級担任などの理解と丁寧な指導によって、何とか卒業できた。Eさんは、父親と同じコンピューターソフトを扱う仕事に興味を示し、志望大学に入学した。しかし、入学後1週間通ったところで、「履修計画を立てられない」、「自分が座りたい席に座れない」などの理由で、通学したくないと言い出した。以前診断を受けた医療機関が遠方であったため、母親はEさんを伴って、精神保健福祉センターに勤務するF精神保健福祉士の下を訪れた。F精神保健福祉士は二人の話を詳しく聞いた後、ある提案を行った。
その2か月後、母親から、「お陰でEが大学に行っている」と電話があった。しかし、母親によれば、Eさんは、元々好きだったインターネットゲームに最近ますます興じるようになり、夜更かしする結果、午前中の授業に出られないことがあるという。
「注意しても聞かないし、このままでは心配」との話を聞いたF精神保健福祉士は、精神保健福祉センターの事業として立ち上げた、発達障害児・者の家族サポートグループを案内し、会の内容について説明した。
Eさん自身も、時折、F精神保健福祉士の下を訪れ、「授業で発言したら笑われた」、「レポートをどう書いたらいいか分からない」など、大学で起こったことを相談していた。他の関係者からも適宜助言が行われた結果、Eさんは4年生に進級し、何とか卒業に必要な単位を取得する見込みが立った。しかし、Eさんは、「今の状態ではどこに就職しても長く働ける自信がない」、「卒業後少し訓練や経験を積んで、障害を開示せずに働ける仕事に就くことが自分の希望」と述べた。F精神保健福祉士は、Eさんの希望に沿う形で卒業後の進路について助言を行った。
Eさんは、F精神保健福祉士の助言を参考に進路を選択し、最終的に自分に合う仕事に就くことができた。
次のうち、この時点でF精神保健福祉士が紹介した事業所や機関として、適切なものを2つ選びなさい。
〔 事例 〕
Eさん( 24歳、男性 )は、就学前に医療機関でアスペルガー症候群( 当時 )と診断された。Eさんには、環境の変化への対応困難や相手の意図を理解できないことからくる混乱などがみられたが、高等学校までは、学級担任などの理解と丁寧な指導によって、何とか卒業できた。Eさんは、父親と同じコンピューターソフトを扱う仕事に興味を示し、志望大学に入学した。しかし、入学後1週間通ったところで、「履修計画を立てられない」、「自分が座りたい席に座れない」などの理由で、通学したくないと言い出した。以前診断を受けた医療機関が遠方であったため、母親はEさんを伴って、精神保健福祉センターに勤務するF精神保健福祉士の下を訪れた。F精神保健福祉士は二人の話を詳しく聞いた後、ある提案を行った。
その2か月後、母親から、「お陰でEが大学に行っている」と電話があった。しかし、母親によれば、Eさんは、元々好きだったインターネットゲームに最近ますます興じるようになり、夜更かしする結果、午前中の授業に出られないことがあるという。
「注意しても聞かないし、このままでは心配」との話を聞いたF精神保健福祉士は、精神保健福祉センターの事業として立ち上げた、発達障害児・者の家族サポートグループを案内し、会の内容について説明した。
Eさん自身も、時折、F精神保健福祉士の下を訪れ、「授業で発言したら笑われた」、「レポートをどう書いたらいいか分からない」など、大学で起こったことを相談していた。他の関係者からも適宜助言が行われた結果、Eさんは4年生に進級し、何とか卒業に必要な単位を取得する見込みが立った。しかし、Eさんは、「今の状態ではどこに就職しても長く働ける自信がない」、「卒業後少し訓練や経験を積んで、障害を開示せずに働ける仕事に就くことが自分の希望」と述べた。F精神保健福祉士は、Eさんの希望に沿う形で卒業後の進路について助言を行った。
Eさんは、F精神保健福祉士の助言を参考に進路を選択し、最終的に自分に合う仕事に就くことができた。
次のうち、この時点でF精神保健福祉士が紹介した事業所や機関として、適切なものを2つ選びなさい。
- 就労移行支援事業所
- 就労継続支援B型事業所
- 特例子会社
- 地域活動支援センター
- 地域若者サポートステーション
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この過去問の解説 (3件)
01
1. 正解です。就労移行支援事業所は障害者の就職を支援するために訓練を行う事業所です。
2. 就労継続支援B型事業所は、一般の就職先に雇用されることが困難で、雇用契約に基づく就労が困難な人に、就労や生産活動の機会の提供や知識、能力の向上に必要な訓練を行う事業所です。ちなみに、就労継続支援A型は、一般の就労先に雇用されることが困難で、雇用契約に基づく就労が可能な人に就労の機会を提供する事業所です。
設問では一般の事業所への就職を希望しているので、適切ではありません。
3. 特例子会社とは、企業が障害者雇用を行うために、別会社を立ち上げ、就業規則や職場環境を障害者が働きやすいように整える会社のことです。別会社でありながら、グループ会社の障害者雇用率に換算することができます。
設問では、障害を伏せて一般の職場に就職したいと希望しているので、不適切です。
4. 地域活動支援センターは、就労が困難な障害者の日中の活動を支援する施設です。就労につなげるための施設ではないので、不適切です。
5. 正解です。地域若者サポートステーションは、働くことに悩みのある若者(15~39歳)へ、専門的な相談や訓練を行う施設ですので、24歳のEさんが利用する施設として適切です。
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02
1.就労移行支援事業所は、一般企業への就労を目指した支援が行われるところです。Eさんを紹介する機関として適切です。
2.就労継続支援B型事業所は、一般企業への就労が困難な人が利用します。Eさんは一般企業の就労を希望しているため、適切ではありません。
3.特例子会社は、障害者雇用のために設けられた子会社のことです。障害の開示が前提となりますので、適切ではありません。
4.地域活動支援センターは、社会生活を営めるように日中活動の場を提供するところです。就労に特化したところではないため、適切ではありません。
5.若者サポートステーションは、働くことに悩みをかかえている若者に対して、相談や就労に向けた支援を行う機関です。Eさんを紹介する機関として適切です。
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03
この時点でEさんは、「今の状態ではどこに就職しても長く働ける自信がない」、「卒業後少し訓練や経験を積んで、障害を開示せずに働ける仕事に就きたい」という希望を持っているので、一般企業への就労を目指して訓練を行う「就労移行支援事業所」や働くことに対して、戸惑いや悩みを抱えている若者に対して、相談や訓練を行うことができる「地域若者サポートステーション」が適当だと思われます。
2 就労継続支援B型事業所は、一般企業への雇用が困難な場合や就労移行支援訓練を受け、困難である場合などに利用を行うので、現時点でのEさんには不適切です。
3 特例子会社は、障害者雇用のために子会社を設立し、障害を抱える人が働きやすく整備する場所なので、障害の開示を希望していないEさんには不適切だと思われます。
4 地域活動支援センターは、障害者の日中活動を支援する場であるので、就労に対して、希望を持っているEさんの現時点での思いに合う場では無いと考えられます。
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