精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問135

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問題

第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問135 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、問題に答えなさい。

〔 事例 〕
大手の情報通信産業企業であるU社は、障害者法定雇用率の引上げに対応するため、総務部に社員サポート室を新設することにした。Gさん( 精神保健福祉士 )は、大学卒業後に障害者雇用支援機関で10年間勤務した後、U社に入職した。主な担当業務は、障害者の雇用と雇用管理、社員のメンタルヘルス支援である。
入職して4か月後、制作部門のH課長が、部下でプログラム開発作業に従事しているJさん( 35歳、男性 )のことで相談に来た。H課長は、「Jさんは1年前に交通事故に遭って入院し、4か月で仕事に復帰した。ところが、復帰後はパターン化した仕事でなければミスばかりして、指示された内容もよく忘れる。仕事に集中できず、意欲も減退している。診断書には、高次脳機能障害による注意障害と記憶障害があり、これ以上の改善は難しいと記載されていると聞いている。社員サポート部門が新設されたと聞いたので、相談に乗ってほしい」と話した。話を聞いたGさんは、Jさんとインテーク面接を行った後に、アセスメントとして、最初に機能評価を行った。

次の記述のうち、この時点でGさんが行ったこととして、適切なものを1つ選びなさい。
  • Jさんの仕事のサポートを行う社員の採用を検討する。
  • 厚生労働省の教育訓練給付制度について調べる。
  • 同じ部署の社員に、Jさんに対してできそうな支援内容を聞く。
  • Jさんの家庭での状況について、家族に記録してもらう。
  • 制作部門に出向き、Jさんの職務遂行状況を把握する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は「5」です。

1. 現段階では、Jさんの仕事上の問題が、Jさんへの介入で改善するものなのか、環境面の調整で改善するものかもはっきり分かっていません。Jさんをサポートする社員を雇用することが解決につながるか不明なので、適切ではありません。

2. 厚労省の教育訓練給付制度は、労働者の能力開発やキャリア形成のために教育訓練受講の費用を一部支給する、雇用保険の給付制度です。Jさんの仕事上の課題が、外部の教育訓練によって解決するものかどうか不明なので、不適切です。

3. Jさんが必要とする支援について、障害に関する専門家の立場からアセスメントすることもGさんの業務です。同じ部署の人を交えて支援の方法を相談することは有効と考えられますが、それはアセスメント後の支援です。

4. 現在、問題が生じているのは職場の場面なので、家庭での様子を記録することは直接解決に結びつくとは考えづらいです。

5. 正解です。まずは実際の就業場面を観察し、Jさんの状況や周囲の環境を把握することが有効です。

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02

正解は5になります。
この時点でGさんはアセスメントとして、機能評価を行うとしているので、実際の現場に出向き、Jさんの職務遂行状況を把握することは重要なことだと思われます。

1 現時点がアセスメントの段階なので、Jさんの仕事のサポートを行う社員の採用を検討するということが問題解決につながるかは分からないので、不適切です。

2 GさんはJさんのこの会社においての働き方に対して、支援の内容を検討しているので、厚生労働省の教育訓練給付制度について検討することは不適切です。

3 同じ部署の社員に、Jさんに対してできそうな支援内容を聞くことは客観的な意見として重要ですが、Jさんが障害を他の社員にも開示して働いているかは不明ですし、この時点ではJさんが必要としている支援について、Jさん自身の思いやGさんの評価が大切となると考えられます。

4 家族に家庭での状況を教えてもらうことが必要な場面も、もしかしたら出てくるかもしれませんが、現時点での悩みは生活面に関することではないので、不適切だと思われます。

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03

正解は5です。

Gさんは企業におけるメンタルヘルス支援の担当者であることからも、まずは現場に出向いて状況を把握することが最も適切です。そのうえで他の選択肢の内容を検討することになります。

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