精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問136
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問題
第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問136 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題に答えなさい。
〔 事例 〕
大手の情報通信産業企業であるU社は、障害者法定雇用率の引上げに対応するため、総務部に社員サポート室を新設することにした。Gさん( 精神保健福祉士 )は、大学卒業後に障害者雇用支援機関で10年間勤務した後、U社に入職した。主な担当業務は、障害者の雇用と雇用管理、社員のメンタルヘルス支援である。
入職して4か月後、制作部門のH課長が、部下でプログラム開発作業に従事しているJさん( 35歳、男性 )のことで相談に来た。H課長は、「Jさんは1年前に交通事故に遭って入院し、4か月で仕事に復帰した。ところが、復帰後はパターン化した仕事でなければミスばかりして、指示された内容もよく忘れる。仕事に集中できず、意欲も減退している。診断書には、高次脳機能障害による注意障害と記憶障害があり、これ以上の改善は難しいと記載されていると聞いている。社員サポート部門が新設されたと聞いたので、相談に乗ってほしい」と話した。話を聞いたGさんは、Jさんとインテーク面接を行った後に、アセスメントとして、最初に機能評価を行った。
そして、全てのアセスメント結果から、Jさんに対する支援計画案を作成した。
この時点でGさんがまとめた支援計画案に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
〔 事例 〕
大手の情報通信産業企業であるU社は、障害者法定雇用率の引上げに対応するため、総務部に社員サポート室を新設することにした。Gさん( 精神保健福祉士 )は、大学卒業後に障害者雇用支援機関で10年間勤務した後、U社に入職した。主な担当業務は、障害者の雇用と雇用管理、社員のメンタルヘルス支援である。
入職して4か月後、制作部門のH課長が、部下でプログラム開発作業に従事しているJさん( 35歳、男性 )のことで相談に来た。H課長は、「Jさんは1年前に交通事故に遭って入院し、4か月で仕事に復帰した。ところが、復帰後はパターン化した仕事でなければミスばかりして、指示された内容もよく忘れる。仕事に集中できず、意欲も減退している。診断書には、高次脳機能障害による注意障害と記憶障害があり、これ以上の改善は難しいと記載されていると聞いている。社員サポート部門が新設されたと聞いたので、相談に乗ってほしい」と話した。話を聞いたGさんは、Jさんとインテーク面接を行った後に、アセスメントとして、最初に機能評価を行った。
そして、全てのアセスメント結果から、Jさんに対する支援計画案を作成した。
この時点でGさんがまとめた支援計画案に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
- 地域障害者職業センターのリワーク支援利用に向けて活動する。
- Jさんの職務内容を単純なデータ入力とし、勤務時間の短縮に向けて調整する。
- 作業場面に付き添い、ミスがなくなるようJさんに働き掛ける。
- 給与所得を補償するために、障害年金の取得に向けて支援する。
- 会社からの支援が得やすくなるため、精神障害者保健福祉手帳の取得を勧める。
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この過去問の解説 (3件)
01
1. リワーク支援は、休職中の労働者に対して、復職に向けた支援を行うプログラムですので、適切ではありません。
2. 正解です。Jさんの症状を踏まえた上で、問題なく遂行できる業務内容や働き方を検討した案として適切と考えられます。
3. ミスが起きるのは、高次脳機能障害の症状によるものなので、誰かが付き添えば問題が解決するというものではありません。また、常に誰か付き添いをつけるというのも、実際の就業場面での解決方法としてはコストがかかりすぎ、現実的ではありません。
4. ここでは、Jさんの症状を踏まえたうえで、どうすれば働き続けることができるかを探っています。障害年金について情報提供をするのはよいかもしれませんが、Gさんの立場でJさんの支援をする主たる目的とは異なります。
5. ここでは、Jさんの症状を踏まえたうえで、どうすれば働き続けることができるかを探っています。精神保健福祉手帳取得について情報提供をするのはよいかもしれませんが、Gさんの立場でJさんの支援をする主たる目的とは異なります。
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02
注意障害と記憶障害があり、これ以上の改善は難しいと診断されているJさんにとって、職務内容の変更と勤務時間の短縮への調整は無理せず働きやすい場として、仕事ができる案だと思われます。
1 リワーク支援は休職者に対しての復職のための支援なので、Jさんには不適切です。
3 作業場面に付き添い、ミスがなくなるようJさんに働き掛けるという案は、Jさんのミスは不注意からくるものではなく、注意障害からくるものなので、仕事への意欲も減退しているJさんにとって、適切ではないと思われます。
4 勤務時間の短縮等により、給与の変動がある場合や必要性が見られる場合は障害年金の情報提供が求められるかもしれませんが、この時点では不適切です。
5 精神障害者保健福祉手帳の取得を勧めることがJさんの働くメリットにつながる場合もあるかもしれませんが、現時点で仕事内容における支援を検討しているので、不適切だと思われます。
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03
1.地域障害者職業センターのリワーク支援は、休職中の人を対象としているため、適切ではありません。
2.Jさんは、パターン化した仕事であればミスは少ないことが事例から読み取れることや、高次脳機能障害は疲労もたまりやすいことから、職務内容を単純なデータ入力とし、勤務時間の短縮に向けて調整する支援計画案は適切です。
3.作業場面に付き添って、ミスがなくなるようにJさんに働き掛けることも考えられますが、高次脳機能障害という障害上、Jさんの努力だけでは限界もあり、仕事面や環境面の調整が必要となるため、適切ではありません。
4.事例において、Jさんが給与所得の補償が必要な状況かどうかは分からないことや、障害年金の取得に向けて直接的な支援をすることは、会社のメンタルヘルス担当として担当範囲を超えているため、適切ではありません。
5.精神障害者保健福祉手帳の取得を検討する前に、Jさんにどのような支援ができるか考えることが大切です。会社からの支援を得にくいといった状況は事例からは読み取れないため、適切ではありません。
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