精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
精神保健福祉に関する制度とサービス 問154

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問題

第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉に関する制度とサービス 問154 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、問題に答えなさい。

〔 事例 〕
Dさん( 52歳、男性 )は、高校卒業後に地元の印刷会社に就職したが、20歳代前半に、統合失調症を発症したことを契機に退職し、以後は入退院を繰り返していた。自宅では両親と三人で生活していた。5年前に父親を肺がんで亡くし、それからは、年老いた母親との二人暮らしが続いている。Dさんに、きょうだいはいない。
現在のDさんは、通院以外は自宅に籠りがちであるが、調子が良いときには、近所の図書館まで出掛けて読書をすることがある。これまで、75歳になる母親がDさんの身の回りの世話をしてきたが、先月、風呂場で転んでから歩行が不自由になり、家事をこなすことが難しくなってきた。母親の状態を見兼ねたDさんは、自ら家事をしたり、時には母親の入浴を手伝ったりするようになった。
最近、町内に住むEさんが、Dさんと母親の生活の様子を気にかけて、時々家を訪れて声を掛けてくれるようになった。Eさんは、厚生労働大臣から委嘱されて、住民の立場に立って、相談に応じ助言を行う人である。Dさんが母親の介護で疲れないか心配し、何らかのサービスを利用してみてはどうかと声を掛けてくれた。

そこでDさんは、通院先の精神科病院のF精神保健福祉士に、Eさんから母親のサービス利用について声を掛けられたことを話し、どこに相談すればよいか尋ねた。相談を受けたF精神保健福祉士は、介護保険法に規定される相談窓口となる機関をDさんに紹介することにした。

次のうち、F精神保健福祉士がDさんに紹介した相談窓口となる機関として、適切なものを1つ選びなさい。
  • 市町村保健センター
  • 地域包括支援センター
  • 認知症疾患医療センター
  • 基幹相談支援センター
  • 老人デイサービスセンター

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この過去問の解説 (3件)

01

×1 . 市町村保健センターは、母子保健、老人保健の根幹の拠点ですが、この事例では介護サービスに限定されてきているので、適当ではありません。

〇2 . 地域包括支援センターは、介護保険法に規定される介護サービス等老人の生活を支えていくサービスの拠点です。

×3 . 認知症疾患医療センターは、まだDさんの母に認知症の問題が発生していないと思われるので不適当です。

×4 . 基幹相談支援センターは、「障害者自立支援法」に基づく相談機関ですが、この事例ではDさん自身ではなく、母親の介護の問題に言及しているので不適です。

×5 . 老人デイサービスセンターは、介護保険法に基づく通所介護サービスで、まだ今後の介護サービス計画が整っていない段階で直接サービスを受けることは出来ないので不適当です。

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02

正解は、 です。

1 市町村保健センターでは、健康相談など保健関係の業務を行なっています。今のDさんの母親の課題は、Dさんの介護疲れの心配であるので、ここでは不適切です。

2 適切です。地域包括支援センターは、65歳以上の高齢者並びに家族の介護についての相談窓口です。現在、Dさんが家事をしたり入浴を手伝っている状況から母親の介護について相談することが適切です。

3 認知症疾患医療センターでは、もの忘れや認知症の受療支援や相談を行なっています。事例の中にDさんの母親が認知症の疑いがあるという記述はありませんので、ここでは不適切です。

4 基幹相談支援センターでは、障がい者の支援を行います。現在Dさんが相談したいことは75歳の母親の介護についてであるため、ここでは不適切です。

5 老人デイサービスセンターは、介護支援専門員がケアプランを立てて初めて利用できる通所介護サービスです。まずは、地域包括支援センターに相談することから始め、必要に応じて介護認定の取得、サービスの利用と進むことが必要です。

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03

正解は2です。

「介護保険法に規定される相談窓口となる機関」として適切なものは、地域包括支援センターです。

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