精神保健福祉士の過去問
第20回(平成29年度)
精神障害者の生活支援システム 問163

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問題

第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 精神障害者の生活支援システム 問163 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、問題に答えなさい。

〔 事例 〕
Hさん( 50歳、男性 )は、統合失調症の診断を受けており、4年前にV精神科病院に3回目の入院をした。入院前、母親と二人暮らしをしていたが、入院して間もない頃、母親は病死した。Hさんの病状は安定しており、V精神科病院のJ精神保健福祉士は、何度かHさんに退院の話を持ち掛けたが、当初はHさんは関心がない様子だった。
ある日、Hさんは、J精神保健福祉士に勧められて、「退院者の集い」に参加し、来院した一人暮らしをしているKさんと出会った。Kさんが生き生きと語る地域生活の体験談に強く興味をひかれたHさんは、J精神保健福祉士に、自分も退院して一人暮らしがしてみたいと相談した。
その後、Hさんの主治医などとも話合いを重ね、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく手続を行い、地域移行支援の利用が決定した。
W機関の職員であるLさん( 相談支援専門員、精神保健福祉士 )は、Hさんの希望を聞き、体験宿泊での一人暮らしの練習や事業所の見学などを盛り込んだ地域移行支援計画案を作成した。

宿泊体験などを通して、Hさんは、一人暮らしに関する具体的なイメージが持てるようになった。一人暮らしへの準備は順調に進んでいたが、貴重品の管理だけは、Hさんにとって心配の種だった。通院などで外出している間も、置いてきた生活費や通帳、印鑑が盗まれないか不安になり、外出時に持参しても、確かに持っているのか何度も確認しなければならず、気が休まらなかった。Hさんから、信頼できる人に貴重品を預けたいと相談を受けたLさんは、Hさんに対応する事業を紹介した。

Hさんは、一人暮らしが落ち着いた後、無理のない範囲で働きたいと思うようになった。Hさんは、見学した事業所の中でもX事業所の運営する喫茶店が気になっていた。雇用契約を結ばず最低賃金が保障されないのは残念だが、期間の定めもなく、体調に応じて柔軟に働けるところに魅力を感じていた。

次のうち、Hさんが気になったX事業所の事業として、正しいものを1つ選びなさい。
  • 地域障害者就労支援事業
  • 地域生活定着促進事業
  • 就労継続支援事業( A型 )
  • 就労継続支援事業( B型 )
  • 就労移行支援事業

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この過去問の解説 (3件)

01

×1 . 地域障害者就労支援事業 :ハローワークが中心となり、就職を希望する福祉施設等の利用者に対して、就職の準備段階から職場定着までの一連の支援を行う事業です。

×2 . 地域生活定着促進事業 :高齢又は障害により、福祉的な支援を必要とする矯正施設退所者の社会復帰を支援するための事業です。

×3 . 就労継続支援事業( A型 ) :最低賃金が保証される就労型の事業所ですので、不適切です。

〇4 . 就労継続支援事業( B型 ) :福祉型の就労支援事業所で、最低賃金が保証されていないですが、比較的勤めやすい事業所です。

×5 . 就労移行支援事業 :障害者が就労するために、必要なマナーや知識、技能を学んだり、職場実習などを行う事業所です。

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02

正解は4です。

「雇用契約を結ばず最低賃金が保障されない」「期間の定めもなく、体調に応じて柔軟に働ける」という条件を満たすものは、就労継続支援事業(B型)です。

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03

正解は、 です。

1 地域障害者就労支援事業とは、公共職業安定所(ハローワーク)が中心となり、福祉的就労から一般就労への移行を支援する事業のことです。

2 地域生活定着促進事業とは、高齢や障害により自立生活が困難な矯正施設退所者に、退所後福祉サービス等につなげることによって地域生活の定着を目的とする事業です。

3 就労継続支援事業(A型)は、雇用契約を結び、最低賃金以上が保証されています。

4 事例の通りです。就労継続支援事業(B型)は、雇用契約を結びません。

5 就労移行支援事業は、一般就労等への移行に向けて利用者の適性に合った職場探しや職場定着のための支援等を行う事業です。Hさんは、一般就労を目指しているということは読み取れませんので不適切です。

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