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精神保健福祉士の過去問 第20回(平成29年度) 精神障害者の生活支援システム 問162

問題

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次の事例を読んで、問題に答えなさい。

〔 事例 〕
Hさん( 50歳、男性 )は、統合失調症の診断を受けており、4年前にV精神科病院に3回目の入院をした。入院前、母親と二人暮らしをしていたが、入院して間もない頃、母親は病死した。Hさんの病状は安定しており、V精神科病院のJ精神保健福祉士は、何度かHさんに退院の話を持ち掛けたが、当初はHさんは関心がない様子だった。
ある日、Hさんは、J精神保健福祉士に勧められて、「退院者の集い」に参加し、来院した一人暮らしをしているKさんと出会った。Kさんが生き生きと語る地域生活の体験談に強く興味をひかれたHさんは、J精神保健福祉士に、自分も退院して一人暮らしがしてみたいと相談した。
その後、Hさんの主治医などとも話合いを重ね、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく手続を行い、地域移行支援の利用が決定した。
W機関の職員であるLさん( 相談支援専門員、精神保健福祉士 )は、Hさんの希望を聞き、体験宿泊での一人暮らしの練習や事業所の見学などを盛り込んだ地域移行支援計画案を作成した。

宿泊体験などを通して、Hさんは、一人暮らしに関する具体的なイメージが持てるようになった。一人暮らしへの準備は順調に進んでいたが、貴重品の管理だけは、Hさんにとって心配の種だった。通院などで外出している間も、置いてきた生活費や通帳、印鑑が盗まれないか不安になり、外出時に持参しても、確かに持っているのか何度も確認しなければならず、気が休まらなかった。Hさんから、信頼できる人に貴重品を預けたいと相談を受けたLさんは、Hさんに対応する事業を紹介した。

次のうち、Lさんが紹介した事業として、正しいものを1つ選びなさい。
   1 .
日常生活自立支援事業
   2 .
自発的活動支援事業
   3 .
生活福祉資金貸付事業
   4 .
家計相談支援事業
   5 .
移動支援事業
( 第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 精神障害者の生活支援システム 問162 )
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この過去問の解説 (3件)

26
〇1 . 日常生活自立支援事業 :福祉サービス利用補助の他、財産管理サービス、財産保全サービスがあります。

×2 . 自発的活動支援事業 :障害者等の社会生活のために、本人、家族、地域住民等による地域における自発的な取り組みを支援し、共生社会の実現を図るための地域生活支援事業のひとつです。 ピアサポート、ボランティア、防災、社会活動支援、孤立防止支援等がありますが、財産管理についての項目はありません。

×3 . 生活福祉資金貸付事業 :ここでは生活資金の貸し付けを必要としているわけではないので、不適切です。

×4 . 家計相談支援事業 :家計管理ではなく、貴重品、財産の管理に不安を覚えているので、不適切です。

×5 . 移動支援事業 :心身の障害により通院等、日常場面で、車いすや歩行などの移動の介助を必要としているわけではないので、不適切です。

付箋メモを残すことが出来ます。
8

正解は、 です。

1 日常生活自立支援事業は、認知症や障害などにより判断能力が不十分な方のために金銭管理やサービス利用のサポートを行う事業です。そのため、Hさんに紹介する事業としては適切です。

2 自発的活動支援事業とは、障害者やその家族、地域住民等による地域における自発的な取り組みを支援する事業のことです。Hさんのニーズには適していません。

3 生活福祉資金貸付事業とは、低所得者や障害者など経済的に困窮している方に対して、在宅福祉及び社会参加の促進を図ることを目的とした貸付制度のことです。Hさんのニーズには適していません。

4 家計相談支援事業とは、生活困窮者自立相談支援事業の一つで、借金を抱えたり適切な金銭管理ができないなどの課題を抱える方の相談や指導を行う事業です。Hさんは現状、金銭トラブルは抱えているわけではなく「貴重品を預けたい」というニーズがあることから、この事業には適していません。

5 移動支援事業とは、一人では外出困難な障害者が外出時にヘルパーを利用するサービスです。貴重品の管理とは関係ありません。

7
正解は1です。

選択肢の中で、貴重品の管理ができる事業は、日常生活自立支援事業のみです。

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