精神保健福祉士の過去問
第21回(平成30年度)
現代社会と福祉 問23

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問題

第21回(平成30年度) 精神保健福祉士国家試験 現代社会と福祉 問23 (訂正依頼・報告はこちら)

福祉社会づくりに関わる次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • ポランニー(Polanyi, K.)の互酬の議論では、社会統合の一つのパターンに相互扶助関係があるとされた。
  • ブルデュー(Bourdieu, P.)が論じた文化資本とは、地域社会が子育て支援に対して寄与する財のことをいう。
  • ホネット(Honneth, A.)が論じた社会的承認とは、地域社会における住民による福祉団体に対する信頼と認知に関わる概念である。
  • デュルケム(Durkheim, E.)が論じた有機的連帯とは、教会を中心とした共助のことをいう。
  • バージェス(Burgess, E.)が論じた同心円地帯理論は、農村の村落共同体の共生空間をモデルにしている。

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この過去問の解説 (3件)

01

社会学の用語に関する問題です。

選択肢の内容も難しいので、慎重に解いていきましょう。

1○ 互酬とは物品などを互いに提供し合う関係のことです。

2× 文化資本とは知識・社会的なマナー・教養など、
経済的な資源ではない、個人が持っている資本を指します。

3× ホネットは承認を(愛・法的尊重・連帯)3つに分けています。
その中で「連帯」は、個人の個性が社会的にどう役立って、
評価されているのかという「社会的価値評価」がポイントになります。

4× デュルケムの『社会分業論』で無機的連帯、有機的連帯を提唱しています。
教会を中心とした共助は「同じ考えを共有することで結びつく連帯」なので、
無機的連帯に当たります。
一方、有機的連帯は「お互いが違うから結びつく」連帯であり、
分業において大切な要素になります。

5× バージェスの同心円地帯理論は「都市」における共生空間をモデルにしています。

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02

1.〇 諸社会が特定のパターンに従って贈与し合う関係が成立したとき、この関係を互酬といいます。ボランニーは、互酬性は市場経済が確立する以前からあり、時代的に古くあるという意味で長く研究されてきました。

2.× ブルデューの文化資本とは、社会学における学術用語の一つであり、金銭によるもの以外の学歴や文化的素養などの個人的資産のことをいいます。

3.× ホネットの社会的承認とは、個人にとっては社会の成員であることを保証し、社会にとっては規範的秩序の維持を意味します。

4.× 有機的連帯とは、個性的な異質の個人が、特定の関係で結ばれる社会結合のことをいいます。

5.× 同心円地帯理論とは、都会の内部構造を説明したものです。都会の発展につれて中央商業施設を中心として、外周を高級住宅街とする五つの同心円構造を表しています。

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03

1:○
選択肢の通りです。

2:×
ブルデューが論じた文化資本とは、言葉遣いや教養、資格など、
個人にとっての資本であるため、不適となります。

3:×
ホネットが論じた社会的承認とは、個人の行動に対して社会が許容することで、
個人が社会の一員であることを承認され、
社会は秩序を維持できる、とする考え方のことであり、
選択肢の説明とは合致しないため、不適となります。

4:×
デュルケムが論じた有機的連帯とは、個人の意志に基づく社会的結合のことであるため、
選択肢は不適となります。

5:×
バージェスが論じた同心円地帯論は、農村ではなく工業地帯をモデルとしているため、
選択肢は不適となります。

参考になった数6