精神保健福祉士の過去問
第21回(平成30年度)
保健医療サービス 問76
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問題
第21回(平成30年度) 精神保健福祉士国家試験 保健医療サービス 問76 (訂正依頼・報告はこちら)
事例を読んで、A医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)によるBさんへの対応として、この段階において最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
日雇の仕事をしながら路上生活をしていたBさん(55歳)は、胃痛と吐血があったが、医療保険に加入しておらず医療機関を受診していなかった。吐血して路上で倒れているところを発見され、救急搬送されてきた。受診と検査の結果、担当医師から胃がんであることが本人に告げられた。Bさんは医療費の支払ができないので、このまま放っておいてくれと言い続けるだけであった。看護師が説得を試みたが本人の意向は変わらず、担当医師からA医療ソーシャルワーカーに電話が入った。
〔事例〕
日雇の仕事をしながら路上生活をしていたBさん(55歳)は、胃痛と吐血があったが、医療保険に加入しておらず医療機関を受診していなかった。吐血して路上で倒れているところを発見され、救急搬送されてきた。受診と検査の結果、担当医師から胃がんであることが本人に告げられた。Bさんは医療費の支払ができないので、このまま放っておいてくれと言い続けるだけであった。看護師が説得を試みたが本人の意向は変わらず、担当医師からA医療ソーシャルワーカーに電話が入った。
- 公共職業安定所(ハローワーク)を紹介し、日雇就労の継続を相談するように促す。
- 治療をしなかった場合の身体的リスクを医師に代わって説明する。
- Bさんの治療拒否の意向が尊重されるように、医師や看護師を説得する。
- ACP(アドバンス・ケア・プランニング)を検討する。
- 生活保護の医療扶助の説明を行い、申請手続を促す。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題では「医療費の支払いを本人が止むを得ず出来ない場合どのような手段があるか」という点が問われています。吐血して路上で倒れてしまったBさんに、日雇い就労の継続によって医療費をまかなうことを勧めることは適切ではありません。
2(不正解)
治療をしなかった場合の身体的リスクをBさんは医師より説明された上で、医療費の支払いができないので治療を受けることを拒否しています。よってこの場合適切ではありません。
3(不正解)
Bさんは医療費の支払いが出来ないので治療拒否をしています。医療費の支払いが出来れば治療を受けたいと思っている可能性もあるため、まずはBさんの話を聞くことから始めるべきです。よってこの場合適切ではありません。
4(不正解)
ACPは患者本人の意思決定能力が低下した場合を想定して、家族や本人などで意思決定を行う人を事前に決めておくプロセスを指します。よってこの場合適切ではありません。
5(正解)
Bさんの収入が生活保護基準に該当するようであれば、申請手続きを促すことにより医療費が現物支給として支給されるため、この場合Bさんへの対応としては適切であると言えます。
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02
②治療をしなかった場合のリスクは医師や看護師が説明しているはずです。Aソーシャルワーカーが重ねて説明することで、Bさんがますます頑なになる可能性があります。
③意向の尊重は大切なことですが、Bさんが十分に情報を把握していないと思われる現段階では適切ではありません。
④ACP(アドバンス・ケア・プランニング)とは終末期に向けてのどのような治療を行うかの意思を患者や介護者、医療従事者などで共有することです。Bさんの場合は胃がんとはいえ、終末期であることは読み取れませんので適切ではありません。
⑤Bさんは医療費の支払いができないことを理由に治療拒否をしています。生活保護の医療扶助について説明を行い、申請手続きを促すことは最も適切であると考えられます。
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03
「医療費の支払ができないから、治療を拒否している」ところです。
1× Bさんは経済苦で診療を断っていますが、胃がんを患っている状態で、就労支援を行うのは不適切です。
2× Bさんにとって大切な説明は治療をしなかった場合の身体的リスクではなく、「経済的な支援」です。
3× Bさんのニーズは「経済的な問題があるから治療をしたくない」ということです。
逆をいえば、「経済的な問題がなければ、治療をしたい」と言えるので、治療拒否の意向を尊重するのは不適切です。
4× ACPとは、病気の進行で意思表示ができなくなる前に将来のケアを設計することです。
終末医療において大切なものですが、治療拒否している以上、このプロセスを行うことは難しいと判断できます。
5○ 正しいです。
Bさんは生活保護を受ける資格があるので、医療扶助について説明して、治療を行うように働きかけることが大切です。
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