精神保健福祉士の過去問
第21回(平成30年度)
精神疾患とその治療 問87

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問題

第21回(平成30年度) 精神保健福祉士国家試験 精神疾患とその治療 問87 (訂正依頼・報告はこちら)

患者の訴えと症状に関する次の組合せのうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • 「気を失うかと思った」 ―――――――――――― 抑うつ気分
  • 「大切にしていた着物を家族に盗まれた」 ―――― 貧困妄想
  • 「車を運転したときに交通事故を起こしたような気がする」 ――― パニック発作
  • 「隣の家の人が電磁波攻撃を仕掛けてくる」 ――― 被害妄想
  • 「誰もいないのに人の声が聞こえてきた」 ―――― 強迫観念

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この過去問の解説 (3件)

01

①抑うつ気分とは、気分が落ち込んで何もする気になれない等の状態を言います。

②貧困妄想とは、実際には経済的に問題がないにも関わらず、自分は貧しいと思い込む妄想のことを言います。

③パニック発作とは、突然激しい不安に見舞われ、息切れやめまいなどの発作に襲われる状態のことを言います。

④正しい記述です。統合失調症の陽性症状の中で、実際には受けていない被害を訴えることを被害妄想と言います。

⑤誰もいないのに人の声が聞こえてくる症状は幻聴と言います。

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02

正答【4】

1.誤答
抑うつ気分は「気分が落ち込む」といったうつ病でみられる症状です。
「気を失うかと思った」というのはパニック障害でみられるパニック発作の症状です。パニック障害は突然、原因もなく急激に不安が高まり動悸や息苦しさ、発汗、しびれなどが現れるパニック発作を起こすのが特徴です。


2.誤答
物を盗まれたという訴えは、被害妄想のひとつである「物盗られ妄想」です。主に認知症の方に見られることの多い妄想です。
「貧困妄想」は、うつ病でみられる妄想の一つで、実際にはお金があるにも関わらず自分はお金がなく生きていくことができないと思い込んでしまう妄想です。


3.誤答
「車を運転した時に交通事故を起こしたような気がする」というのは、強迫性障害でみられる「強迫観念」の症状です。

「強迫観念」は、外出しようとすると家の鍵をかけていないような気がする、いくら手を洗っても雑菌がついているような気がするといった、考えが繰り返し生まれてきます。そして、それをか確かめるために行動を起こします。本人もそんなことはないとわかっているけどやめられない考えが「強迫観念」で、行動にするのが「強迫行為」です。


4.正答
相手が自分に害を与えようとしていると思い込む訴えは、統合失調症でよくみられる「被害妄想」です。妄想は、統合失調症では多く見られ、「妄想着想」「妄想気分」「妄想知覚」等があります。


5.誤答
「誰もいないのに人の声が聞こえてきた」というのは、統合失調症などでよくみられる症状の「幻聴」です。
幻聴は実際には誰も話していない、誰もいないのに人の声が聞こえてくるという症状です。幻聴の多くは自分を批判する声や人々が自分のうわさをしている、などといったその人に良い印象を与えない人の声が聞こえてくることが多いです。

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03

1.×です。抑うつ気分の場合、気分の落ち込みが症状としてみられるため、家事をしたくないなど意欲減退症状の訴えが主となります。

2.×です。貧困妄想は、自分には全くお金がないなど経済的な訴えが主となります。設問は被害妄想に該当します。

3.×です。パニック発作とは、突然自分の意志にかかわらず、動悸が激しくなったり、強度の不安にかられたりする病気です。満員電車の中で呼吸ができなくなるような症状が該当します。

4.〇です。被害妄想は、実際に訴えのような事実がないも関わらず、第三者による被害を訴える症状です。

5.×です。強迫観念とは、自分でわかっているのみ関わらず、些細なことが気になることで、日常生活に支障をきたしている状態のことをいいます。

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