精神保健福祉士の過去問
第21回(平成30年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問124

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問題

第21回(平成30年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問124 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、1994年にWHO、ILO、UNESCOにより示された合同政策方針における「地域に根差したリハビリテーション(CBR)」の考え方として、正しいものを1つ選びなさい。
  • ストレス−脆弱性−対処モデルを基盤とする。
  • 合理的配慮が初めて定義された。
  • 公的サービスを主軸に置く。
  • 総合的な地域開発の戦略の一つである。
  • 病気の再発防止を目的とする。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

1.ストレスー脆弱性ー対処モデルとは、精神疾患発生に関するモデルであり、精神疾患を発症しやすい素質と、その人の限界値をオーバーするストレスが組み合わさった場合に、人間は精神疾患を発症するとされています。

2.合理的配慮の定義が初めて示されたのは、障害者権利条約です。

3.CBRでは、インフォーマルな社会資源も活用されます。

4.CBRの定義に「障害を持つすべての子ども及び大人のリハビリテーション、機会均等化及び社会統合に向けた地域社会開発の戦略の一つである」とあり、選択肢4は適切です。

5.CBRの目的は、障害者が力を最大限発揮でき、サービスや機会を利用できること、積極的な貢献者となるように促進すること、参加の障壁を取り除くことなどです。

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02

正解は4です。
地域に根差したリハビリテーション(CBR)は、WHOによって、「リハビリテーションと機会の均等化、障害を持っているすべての人々の社会へのインクルージョンのための、一般的な地域社会開発の中での戦略」と定義されている概念です。

1. ストレス−脆弱性−対処モデルを基盤とする、障害者リハビリテーションの技法を、生活技能訓練(SST)といいます。生活技能訓練は障害者リハビリテーションの一技法に過ぎず、CBRは地域における支援サービスへのアクセスの改善や、地域社会におけるインクルージョン、地域社会自体の変化も目的とした包括的な概念です。

2. 合理的配慮は、「障害者の権利に関する条約」において初めて定義されました。

3. CBRでは、地域におけるフォーマルな社会資源のみならず、インフォーマルな社会資源も活用されます。

5. CBRの定義は上に示した通りであり、寛解する病気を持つ人のみではない障害者全般が対象となり、また病気を持つ人に対しても再発予防のみを目的としているわけではない包括的な概念であるため、 「病気の再発防止を目的とする」という説明は不適切です。

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03

正解は、 です。

1 ストレス−脆弱性−対処モデルは精神疾患発生についてであり、「CBR」の考え方としては不適切です。

2 合理的配慮は、2006年に国連で採択された「障害者権利条約」で初めて定義されました。

3 CBRでは、公的サービスを主軸に置いているわけではなく、インフォーマルサービスも活用されます。

4 CBRの定義に「障害を持つ全ての子ども及び大人のリハビリテーション、機会均等化及び社会統合に向けた地域社会開発における戦略の一つである」とありますので、適切です。

5 2010年に発表されたCBRガイドラインでは、CBRの目的はCBID(地域に根ざしたインクルーシブ開発)であるとしています。従って、「病気の再発防止」は不適切です。

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