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精神保健福祉士の過去問 第21回(平成30年度) 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問132

問題

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次の事例を読んで、問題について答えなさい。

〔事例〕
Cさん(50歳、女性)は精神科病院に入院している。Cさんは、専門学校在学中に統合失調症を発症し、退院後に中退した。その後は就職をせずに実家で家事手伝いをしながら、同居する姉夫婦の子どもの面倒を見ていた。両親は既に亡くなっている。これまでCさんは何度か入退院を繰り返しており、今回の入院は3年間となっている。現在の症状は安定している。
Cさんの病棟に新たにD精神保健福祉士が配置された。D精神保健福祉士は、早速Cさんと面接を行った。担当看護師からCさんは退院に否定的ではないと聞いていたが、面接でCさんは退院したくないと言うばかりであった。
不思議に思ったD精神保健福祉士は、姉夫婦と面談したところ、来月には姉の長男が結婚して同居することになっているとのことであった。そのことを外泊時にCさんが知り、それから外泊もしなくなったという。姉夫婦も家族構成の変化や家が狭いことを考えると、Cさんとの同居はできれば避けたいとの意向であった。翌日、D精神保健福祉士は病棟での多職種チームによるカンファレンスに臨み、Cさんへの援助内容について提案した。(※1)

多職種チームの援助によって退院したCさんは、デイケアに週3日通い始めた。通所当初はメンバーとの交流も少なく、プログラム参加も消極的であった。ある日、就職した元メンバーがデイケアに顔を出し、働く生活について生き生きと話していた。それを聞いたCさんはとても驚き、担当のE精神保健福祉士に、「私なんかなんにもできていないし、とてもあんな人にはなれない」とポツリとつぶやいた。

その後、Cさんは少しずつプログラムに参加するようになり、メンバーとの交流も増えていった。処理能力の低さや緩慢な動作がありながらも、6か月後にはミーティングの司会を担当するまでになった。ある時、E精神保健福祉士との面接でCさんは、「この歳だけど、私も一度でいいから会社勤めをしてみたいんです」と語り、就職の意欲を示した。

次の記述のうち、D精神保健福祉士の提案(※1)として、適切なものを1つ選びなさい。
   1 .
Cさんを伴ってグループホームを訪問し、Cさんの視野を広げる。
   2 .
姉夫婦に家族心理教育を行い、Cさんが実家に戻れる環境を作る。
   3 .
作業療法でCさんの家事能力を高め、実家での役割を作る。
   4 .
早めに実家への退院を進め、アウトリーチチームで家族も含めて支える。
   5 .
Cさんの気持ちを尊重し、地域移行支援を一旦中止する。
( 第21回(平成30年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問132 )
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この過去問の解説 (3件)

23
正解は1です。

1.Cさんが退院に対して否定的になったのは、姉の息子夫婦との同居を避けたいからだと考えられ、姉夫婦も家族構成の変化や、家が狭いといった事情から、できれば同居を避けたいという意向があるためです。そのため、グループホームへの訪問を通じて、住まいの選択肢を広げることは有効と考えられます。

2.家族心理教育とは、精神障害者の家族が、病気の特性や治療の過程などの正しい知識を得ることで、接し方や態度などの変容を促すことを目的とします。Cさんの姉夫婦が、Cさんに対する関わりの難しさを感じているという記述はないため、適切な選択肢とは言えません。

3.CさんもCさんの姉夫婦も、同居は難しいと考えており、実家への退院が適切とは言えません。同居が難しい理由とCさんの家事能力は無関係であり、作業療法により家事能力を高めるというニーズはありません。

4.CさんもCさんの姉夫婦も、同居は難しいと考えており、実家への退院が適切とは言えません。アウトリーチとは、援助が十分に届いていない者に対し、精神保健福祉士が出向いて情報やサービスを提供することです。

5.担当看護師の発言からも、Cさんは退院そのものがしたくないわけではないことが読み取れます。そのため、地域移行支援の中止を即座に判断するべきとは言えません。大切なのは、Cさんの本心に寄り添い、理解するための関わりをすることです。

付箋メモを残すことが出来ます。
8
正解は1です。
事例の記述からは、Cさんが退院に否定的なのは、姉の息子夫婦との同居を避けているからだと考えられるので、グループホームでの生活を提案することは退院支援に有効だと考えられます。

2. Cさんが同居に否定的である以上、当事者の意向を重視し、まずは1のような方法を探る必要があると考えられます。

3. 上述のように、Cさんが同居に否定的である以上、当事者の意向を重視し、まずは1のような方法を探る必要があると考えられます。

4. 上述のように、Cさんが同居に否定的である以上、当事者の意向を重視し、まずは1のような方法を探る必要があると考えられます。

5. 担当看護師の発言から、Cさんは退院自体をしたくないわけではなく、実家に戻ることに抵抗があると読み取ることができるため、退院支援を中断する必要はないといえます。

5

正解は、 です。

1 Cさんが退院したくない理由は「姉の長男が結婚して同居する」ということが想定されます。姉自身もできれば同居を避けたいと考えていることから、別の居住先の検討が必要です。そのため、Cさんに実家以外にも居住先があると知っていただくことは適切です。

2 家の狭さといった環境面も含め、姉夫婦だけではなくCさん自身も同居に消極的になっていることが想定されるので、姉夫婦に家族心理教育を行うことは適切とは言えません。

3 実家に戻るという前提を変えることから考えなければいけませんので、実家での役割を作ることは適切ではありません。

4 Cさんと姉は同居に消極的になっています。当事者・当事者家族の意向を尊重していない内容ですので、不適切です。

5 Cさんは「退院に否定的ではない」という記述がありますので、退院をしたくないというわけではないということが想定されます。退院に消極的な理由はどこにあるのかを考え、その中で退院後の居住先への不安があることが読み取れますので、地域移行支援自体を中止することは不適切です。

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