精神保健福祉士の過去問
第21回(平成30年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問140
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問題
第21回(平成30年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問140 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
人口8万人の地方都市Q市は、人口減に歯止めがかからず、空き家問題も顕在化し、空き家対策の担当係を設置している。J精神保健福祉士は、隣の市の精神科病院で20年間勤務していたが、数年前にQ市唯一のW精神科病院に転職した。同病院には、実家がきょうだいに代替わりし、帰る家がないなど社会的諸条件が整わないため退院できない患者が多数入院していた。J精神保健福祉士は、それらの患者の地域移行に向けて、地域の関係機関との連携づくりを始めた。
同時期に、Q市が設置する地域支援協議会では、精神障害者家族会代表者から、「親の施設入所や死亡により、一人暮らしになる精神障害者が増えつつある。その中には、症状が再燃し、入院となる人も出てきている。親亡き後のことを考えてほしい」という意見が出された。そこでQ市では、地域支援協議会に、W精神科病院、地域活動支援センターⅠ型、就労継続支援B型事業所、保健所、家族会及び当事者会を構成メンバーとする専門部会を立ち上げることとなり、J精神保健福祉士が部会長に就任した。初回の部会では、J精神保健福祉士がファシリテーターとなり、「Q市における精神障害者のニーズと対策」というテーマで、相互に批判をしないというルールの下で多様な意見を出し合った。
その後に意見を整理した結果、Q市の現状としては、受入れ条件が整えば退院可能な者の対策が進んでいないことが共有された。そのような患者が地域生活を始めるためにも、また、親との離別により単身となった精神障害者が地域での暮らしを継続していくためにも、居住支援の必要性を確認した。そこで、J精神保健福祉士は、専門部会として、空き家を活用した居住支援を行っている自治体の視察を企画した。そして、Q市の精神保健福祉担当の職員だけでなく、空き家対策を担当する職員にも同行してもらうように働き掛けた。(※3)
次のうち、(※3)の場面で、J精神保健福祉士が行った働き掛けとして、正しいものを1つ選びなさい。
〔事例〕
人口8万人の地方都市Q市は、人口減に歯止めがかからず、空き家問題も顕在化し、空き家対策の担当係を設置している。J精神保健福祉士は、隣の市の精神科病院で20年間勤務していたが、数年前にQ市唯一のW精神科病院に転職した。同病院には、実家がきょうだいに代替わりし、帰る家がないなど社会的諸条件が整わないため退院できない患者が多数入院していた。J精神保健福祉士は、それらの患者の地域移行に向けて、地域の関係機関との連携づくりを始めた。
同時期に、Q市が設置する地域支援協議会では、精神障害者家族会代表者から、「親の施設入所や死亡により、一人暮らしになる精神障害者が増えつつある。その中には、症状が再燃し、入院となる人も出てきている。親亡き後のことを考えてほしい」という意見が出された。そこでQ市では、地域支援協議会に、W精神科病院、地域活動支援センターⅠ型、就労継続支援B型事業所、保健所、家族会及び当事者会を構成メンバーとする専門部会を立ち上げることとなり、J精神保健福祉士が部会長に就任した。初回の部会では、J精神保健福祉士がファシリテーターとなり、「Q市における精神障害者のニーズと対策」というテーマで、相互に批判をしないというルールの下で多様な意見を出し合った。
その後に意見を整理した結果、Q市の現状としては、受入れ条件が整えば退院可能な者の対策が進んでいないことが共有された。そのような患者が地域生活を始めるためにも、また、親との離別により単身となった精神障害者が地域での暮らしを継続していくためにも、居住支援の必要性を確認した。そこで、J精神保健福祉士は、専門部会として、空き家を活用した居住支援を行っている自治体の視察を企画した。そして、Q市の精神保健福祉担当の職員だけでなく、空き家対策を担当する職員にも同行してもらうように働き掛けた。(※3)
次のうち、(※3)の場面で、J精神保健福祉士が行った働き掛けとして、正しいものを1つ選びなさい。
- ケアマネジメント
- コラボレーション
- コミュニティアセスメント
- コンサルテーション
- リーダーシップ
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この過去問の解説 (3件)
01
コラボレーションとは、「協働」を意味し、他の専門家や非専門家、他機関や地域などとの連携を通して、問題の解決を図る方法を指します。
1. ケアマネジメントとは、地域を拠点とし、利用者の生活ニーズ充足のために、社会資源を調整することで、利用者の地域生活を支える援助法を指します。
3. コミュニティアセスメントとは、利用者の生活の拠点である地域社会そのものを対象とし、地域資源などを総合的に把握することを指します。
4. コンサルテーションは、クライエントを直接支援する援助者がコンサルティ(援助を受ける側)となり、自身とは異なる領域の専門家であるコンサルタントに助言という形で援助をうけることを指します。すなわち、コンサルタントはクライエントに直接支援を行うのではなく、コンサルティに助言を行うことで間接的にクライエントの支援を行います。
5. リーダーシップとは、リーダーとして集団を統率するために必要な能力の事で、日本では三隅二不二によるPM理論が有名です。
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02
1.ケアマネジメントとは、クライエントの複数のニーズを満たすために、必要な社会資源を調整・統合するための方法です。
2.コラボレーションとは、複数の機関や個人が相互に協力し、共通目標達成を目指す方法です。本事例では、空き家問題と精神障害者への居住支援に一体的に取り組むために、それぞれの職員にJ精神保健福祉士が働き掛けを行っているため、適切な選択肢です。
3.コミュニティアセスメントとは、地域社会自体を評価する手法です。地域特性を把握し、地域の強みなどを評価します。
4.コンサルテーションとは、助言を要する専門職(コンサルティ)が、異なる専門性の立場から助言を行う専門職(コンサルタント)との相談援助関係を通して技術などを習得することです。
5.リーダーシップとは、集団を先導し、ある目的に向かって他人の行動を喚起する影響を与えることです。
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03
正解は、2 です。
1 ケアマネジメントとは、利用者の意向や目標を確認し、社会資源などを調整して利用者自身の生活を支援することを指します。
2 コラボレーションとは、協働するという意味があります。J精神保健福祉士は、視察に向けて空き家対策を担当する職員にも協力を働きかけていることから適切です。
3 コミュニティアセスメントとは、地域診断を意味します。今は空き家対策を担当する職員へ働き掛けていることについて問われていますので、不適切です。
4 コンサルテーションとは、支援者が自分とは異なる分野の専門家に助言を受け、より良い支援のあり方などを見つけていくことを意味します。今は空き家対策を担当する職員へ同行してもらえるよう働き掛けていることについて問われていますので、不適切です。
5 リーダーシップとは、チームのトップとしてチームをまとめる能力のことです。そのような記述はありませんので、不適切です。
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