精神保健福祉士の過去問
第21回(平成30年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問139
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
第21回(平成30年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問139 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
人口8万人の地方都市Q市は、人口減に歯止めがかからず、空き家問題も顕在化し、空き家対策の担当係を設置している。J精神保健福祉士は、隣の市の精神科病院で20年間勤務していたが、数年前にQ市唯一のW精神科病院に転職した。同病院には、実家がきょうだいに代替わりし、帰る家がないなど社会的諸条件が整わないため退院できない患者が多数入院していた。J精神保健福祉士は、それらの患者の地域移行に向けて、地域の関係機関との連携づくりを始めた。
同時期に、Q市が設置する地域支援協議会では、精神障害者家族会代表者から、「親の施設入所や死亡により、一人暮らしになる精神障害者が増えつつある。その中には、症状が再燃し、入院となる人も出てきている。親亡き後のことを考えてほしい」という意見が出された。そこでQ市では、地域支援協議会に、W精神科病院、地域活動支援センターⅠ型、就労継続支援B型事業所、保健所、家族会及び当事者会を構成メンバーとする専門部会を立ち上げることとなり、J精神保健福祉士が部会長に就任した。初回の部会では、J精神保健福祉士がファシリテーターとなり、「Q市における精神障害者のニーズと対策」というテーマで、相互に批判をしないというルールの下で多様な意見を出し合った。(※2)
その後に意見を整理した結果、Q市の現状としては、受入れ条件が整えば退院可能な者の対策が進んでいないことが共有された。そのような患者が地域生活を始めるためにも、また、親との離別により単身となった精神障害者が地域での暮らしを継続していくためにも、居住支援の必要性を確認した。そこで、J精神保健福祉士は、専門部会として、空き家を活用した居住支援を行っている自治体の視察を企画した。そして、Q市の精神保健福祉担当の職員だけでなく、空き家対策を担当する職員にも同行してもらうように働き掛けた。
次のうち、(※2)の場面で、J精神保健福祉士が用いた方法として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
人口8万人の地方都市Q市は、人口減に歯止めがかからず、空き家問題も顕在化し、空き家対策の担当係を設置している。J精神保健福祉士は、隣の市の精神科病院で20年間勤務していたが、数年前にQ市唯一のW精神科病院に転職した。同病院には、実家がきょうだいに代替わりし、帰る家がないなど社会的諸条件が整わないため退院できない患者が多数入院していた。J精神保健福祉士は、それらの患者の地域移行に向けて、地域の関係機関との連携づくりを始めた。
同時期に、Q市が設置する地域支援協議会では、精神障害者家族会代表者から、「親の施設入所や死亡により、一人暮らしになる精神障害者が増えつつある。その中には、症状が再燃し、入院となる人も出てきている。親亡き後のことを考えてほしい」という意見が出された。そこでQ市では、地域支援協議会に、W精神科病院、地域活動支援センターⅠ型、就労継続支援B型事業所、保健所、家族会及び当事者会を構成メンバーとする専門部会を立ち上げることとなり、J精神保健福祉士が部会長に就任した。初回の部会では、J精神保健福祉士がファシリテーターとなり、「Q市における精神障害者のニーズと対策」というテーマで、相互に批判をしないというルールの下で多様な意見を出し合った。(※2)
その後に意見を整理した結果、Q市の現状としては、受入れ条件が整えば退院可能な者の対策が進んでいないことが共有された。そのような患者が地域生活を始めるためにも、また、親との離別により単身となった精神障害者が地域での暮らしを継続していくためにも、居住支援の必要性を確認した。そこで、J精神保健福祉士は、専門部会として、空き家を活用した居住支援を行っている自治体の視察を企画した。そして、Q市の精神保健福祉担当の職員だけでなく、空き家対策を担当する職員にも同行してもらうように働き掛けた。
次のうち、(※2)の場面で、J精神保健福祉士が用いた方法として、適切なものを1つ選びなさい。
- ブレインストーミング
- デルファイ法
- 半構造化インタビュー
- KJ法
- パネルディスカッション
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
正解は1です。
1.ブレインストーミングとは、自由に多くの意見を出し合うことで、多くのアイデアを引き出す技法です。アイデアの質より、多くのアイデアを出すことを目的とし、相互に批判をしないことを原則とします。
2.デルファイ法とは、専門家などにアンケート調査を行い、その結果をフィードバックして調査を繰り返すことで、意見を収束する技法です。
3.半構造化インタビューとは、個別面接法のひとつです。ある程度事前に質問事項を決めておきますが、インタビューの状況に応じて、質問事項を変更したり、追加したり、質問の順番を変えたりする手法です。
4.KJ法とは川喜多二郎によって提唱された手法で、質的データの分析に用いられます。1枚のカードにつき1つの情報を記入し、グルーピングを繰り返すことで関係性を整理し、分析する手法です。
5.パネルディスカッションとは、討論会のひとつの形式です。数人のパネリストが討議を行い、その後司会者の進行に従い、聴衆も討論に参加する方式です。
参考になった数41
この解説の修正を提案する
02
ブレインストーミングは、複数人でアイディアを出し合うことにより、問題の解決を目指す技法の事です。ブレインストーミングでは、アイディアを出し合うタイミングでは判断や結論を出さず、多くのアイディアを出しあうことが目指されます。
2. デルファイ法とは、複数人の意見を統一する方法の一つです。複数人に対し個別に同一の質問を行った上で全体での回答の集計を出し、それを呈示したうえで再度個別に同一の質問に回答してもらう事を繰り返します。
3. 半構造化インタビューとは、質的研究のための調査手法の一つです。質問項目を大まかに決め、面接中に変更や追加を行いながら、インタビューを行う方法を指します。
4. KJ法は、ブレインストーミング等で出た多数のアイディアを整理し、新しいアイディアを生み出すことを目指す分析手法です。各アイディアを一つ一つ紙に書きだし、グルーピングしながら関係性を整理していきます。
5. パネルディスカッションは、司会者の進行に従い、あるテーマに対し3人以上の討論者が順に意見を述べ、その後会場の参加者も交えて討論を行う討論方法の一つです。
参考になった数12
この解説の修正を提案する
03
正解は、1 です。
1 ブレインストーミングには、話し合いの中で相互に批判をせずに自由に発言していただくという特徴があります。
2 デルファイ法とは、複数人がもつさまざまな意見をアンケートを反復することによって収束する技法です。
3 半構造化インタビューとは、質問内容は事前に大まかに決めておきますが、相手の回答によって質問を重ねたり、深く掘り下げたりなどするインタビュー方法のことです。
4 KJ法とは、ブレインストーミングなどで出た意見を付箋などにメモし、同じような意見をグループ化してデータを整理し、まとめや分析を行なっていく方法のことです。
5 パネルディスカッションとは、決められた議題について司会者やファシリテーターの進行の下、数名のパネリストに聴衆の前で討議を行なっていただき、その後会場の参加者にも質問などによって討論に参加していただくという形式です。
参考になった数6
この解説の修正を提案する
前の問題(問138)へ
第21回(平成30年度)問題一覧
次の問題(問140)へ